今日の雑感

会社を無理矢理退職させられる、具体的には退職届に署名押印させられる、という時は「親と相談します!」でも「一晩考えます!」でも何でもいいのでとにかく署名押印せずにその場を離れて、すぐ弁護士に相談する。これが出来る人は現実にはなかなかいない。


今日の状況

今日は千葉地裁に行きましたが、電車は遅れはあるものの、概ね問題なく運行していました。ただ、新聞がスポーツ紙以外ほとんど売られていません…印刷や運搬のあたりが被害を受けているのでしょう。と思ったら新聞休刊日でしたかw


明治天皇

「明治天皇(著:ドナルド・キーン、訳:角地幸男、発行:新潮社)」の文庫版1巻〜4巻を読んだ。初出は新潮45の1995年1月号〜2000年4月号なので、もう20年以上前の作品である。著者は日本文学史の碩学であり、日本史にも造詣が深い。欧米人にして日本についてここまで識見があり、かつそれを一般人(欧米のを含め)向けにわかりやすく書いてくれる人物は大変貴重である。明治天皇について深く研究し高い識見を有する日本人は大勢いるであろうが、客観的・中立的、かつ網羅的に書ける人は多くないであろう。明治天皇も他の全ての同時代人と同様に「時代の人」であり時代的限界を当然に有していたが、君主として「国家国民のため」という主観的意思のもと行動し続けたのは、まさに言うは易く行うは難しであり、それが故に偉大である。君主というもの、私利私欲に走ろうと思えばいくらでもできるのである。安逸で贅沢で放埓な生活もできるし、国家運営を自らの意向のみで独裁的に行うこともできる。しかし明治天皇はそのいずれもしなかった。多くの歴史小説がいわば「紀伝体」であるのに対し、この本は(伝記文学のため)「編年体」でありそこがこの本の特徴であると共に価値となっている。人は編年体で生きているのであり紀伝体で生きている人はいない。その時代の人の感覚を追体験するには編年体こそ相応しい。しかし編年体はともすれば相互に関連性のない事実の無味乾燥な羅列に堕してしまう危険があり、伝記文学であっても編年体で読ませる筆力は並大抵のものではない。本書の舞台は今から167年前頃から107年前頃までである。時代はまさに帝国主義の真っ盛り、力がそのまま正義であった。明治天皇は1852-1912、同時代の君主はイギリスのヴィクトリア女王が1819-1901、ドイツのヴィルヘルム2世が1859-1941、ロシアのニコライ2世が1868-1918、である。ちなみにアメリカのリンカーン大統領は1809-1865、黒人奴隷に対しては1862年に奴隷解放宣言をしたがインディアン(アメリカ先住民)に対しては無慈悲で残酷であった。本書で今日の日本人に特に教訓となるのは、ひとつは日清戦争における旅順虐殺である。日本人捕虜の死体に対する清国兵の非道な行為に軍として逆上したという経緯のようであるが、かといって正当化されるものでもない。このような行為は軍の上層にとって無意味かつ有害であり、軍として命じる意味は無い。しかし人類の歴史は戦争においてはこのようなことが避け難く起きることを示している。綺麗に戦う、つまり戦闘員は殺すが非戦闘員は殺さない、戦術的に無意味な殺戮はしない、とはいかないのが現実の戦争なのである。この事件は世界で報道され日本は批判され(著者は、欧米の軍隊が世界の片隅の「原住民」を虐殺した記事を西洋人が読んでも軽く受け流す、と当時の欧米人の意識を明らかにするが)、アメリカとの条約批准を難航させたが決定的な悪影響は生じさせなかった。このことも実に興味深い。今日の我々は、中共による天安門事件とか香港弾圧とかをどう考えるであろうか。もうひとつは閔妃暗殺である。名目上の「主犯」は大院君であり朝鮮人も参加しているが、黒幕は三浦梧楼で実行犯の主体も日本人であり、要するに三浦がやったのである。このような凶暴な殺人はもちろん正当化できないし、実際軍法会議にかけられ日本人が計画実行したことも明らかにされたが、判決は無罪であった。帝国主義とはそういうものと言ってしまえばそれまでであるが、この時に伊藤博文が「朝鮮のことは朝鮮にまかせるという不干渉政策を採るべきである」と考えていたのは興味深いし、後のことを考えたら皮肉でもある。遅くともこの時が歴史の分かれ道だったと、歴史の高みにいる今日からは言えるであろう。今日の我々は、ロシアのクリミア併合をどう考えるであろうか。


正倉院の世界

正倉院

「正倉院の世界 皇室がまもり伝えた美」は、有名な宝物を間近に見られる貴重な機会である。これまで正倉院展は71回、しかし東京では3回(昭和24年、34年、56年)しか行われていないと。螺鈿紫檀五絃琵琶は現物は思ったより大きく保存状態も良い。絃まで残っているとは…しかも模造品の出来も素晴らしく、製作過程を見ても大変なもの。1260年以上前にも西方の誰かが同じように大変な手間をかけて作ったということだ。蘭奢待も思ったより大きい。足利義政と織田信長と明治天皇が切り取っているが、いずれも思ったより大きく切り取っている。碁石は思ったより小さかった…


台風19号

これは確かに、先の台風15号の比ではない。管理人としてはいまだかつて遭遇したことのない強烈な台風である。これが歴史上の有名な台風の規模なのか…


第1局

いよいよ始まった天元戦第1局、井山裕太天元に挑戦するのは許家元。握って、黒番許・白番井山。

最初からAI手の応酬で若々し過ぎる碁、3年半前までは世界のどこにもなかった碁だ。基本的に許が手厚く打ち進め、ヨセ勝負かと思いきや井山の右上隅の出がソッポだった。これが利かずに中央の大石に猛攻をかけられ、なんとなんと、ついに無条件で死んだ。コウですらないとはアワレ…黒中押し勝ち。

井山衰えたり。ヨセを手抜きされて大石頓死とは、アマみたいである。許の手厚く打って一瞬の隙でブッ潰す剛腕は猛獣か。猛獣は始終暴れているわけではない。暴れるのは一瞬、「殺れる!」と見たその一瞬で勝負が決まるのである。その一瞬の隙、それが全盛期の井山には無かったが、今はある。昨年の碁聖戦で許にサンタテを食らったところで、井山の衰えは決定的だった。天元王座の二正面作戦の見通しは暗い。


CSR

本日のCSRは珍しく(?)弁護士会館で研究会。Y先生が令和元年改正独占禁止法の概要・課徴金制度の改正点、I先生が課徴金制度(リーニエンシー)制度の改正点、H先生が独禁法における弁護士・依頼者間通信秘密保護制度と、盛り沢山の内容。Y先生曰く、課徴金制度は昭和52年に始まったとか。算定基礎にグループ企業売上が追加された。特定非違反供給子会社等。違反者が外国事業者で日本の子会社は指示のままに値上げしたに過ぎない場合、子会社の売上で課徴金を。違反事業者の売上にかけるという原則を拡張した。下請の密接関連業務、見返りに受けた利益の追加も。その他、算定率の見直しも。H先生曰く、この秘密保護は独禁法だけに導入され、しかも法律ではなくガイドラインで。本制度の取扱いを求めたら、まず判別官に移管される。判別の結果、事業者へ還付か審査官へ移管か。秘匿特権は海外にはどこにもあり、日本だけにない。実態解明機能を損うとの懸念が強かった。そのため、新たな課徴金減免制度の利用にかかるものに限定。しかも文書のみ。現状は制度の概要が示された段階。対象物件は、相談文書、回答文書、法的意見記載の報告書、弁護士出席の社内会議の法的意見メモ。一次資料や他の規定・他の法令の法的意見は除外(批判は多いが)。要件として適切な保管がなされていることがある(誰でも見られるのは秘密じゃない)。社内弁護士は…指揮命令監督下になければなんて実務上あるのか。外国弁護士はそもそも提出命令の対象にしないとは国際カルテルであるけど日本弁護士は一旦提出なのに…。I先生曰く、一言で言えば調査官に協力すると。減額率、基本の割合は減ったが合意による加算が大きい。申請順位6位以下も。司法取引と似ている(司法取引は検察官からも持ちかけられるし、協議自体に応じないこともあるが)。司法取引は他人の話だが減免は自分の犯罪。しかしカルテルなら他人の犯罪でもある。公取は裁量に慣れていないかも。合意の中身は事業者は事実報告や資料提出等、公取は減免率の具体的な加算割合等。公取の考慮要素はガイドラインで示すが内容が曖昧で危うい?…その他諸々。

本因坊リーグ開幕

史上初の十代名人の興奮も覚めやらぬ中、明日、本因坊リーグが開幕する。そこで恒例の結果予想。序列1位:河野臨、2位:芝野虎丸、3位:羽根直樹、4位:山下敬吾、5位:許家元・一力遼・志田達哉・横塚力、という面子である。この中から誰が挑戦者となり、どの4人が陥落するのか。

挑戦:芝野

残留:河野・羽根・一力

陥落:山下・許・志田・横塚

挑戦者は虎丸、君に決めた!…ていうか覚醒した虎丸以外に挑戦者は有り得ない。虎丸は既に七冠制覇を視野に入れているのだ。残留は今年調子を上げていた河野、許から碁聖を奪取した復活の羽根、令和三羽烏の筆頭のはずがいつの間にか置いて行かれそうで覚悟が違ってきた棋聖Aリーグダントツの一力とする。陥落は、志田と横塚は他の6人と比べて明らかに格下で衆目の一致するところ。ていうか横塚って誰よ。全部伊田が悪い。伊田は明らかに結婚して弱くなっている。山下は棋聖Sリーグ陥落でそろそろ年齢的にきつくなってきた。許は碁聖を失って調子を落としている。天元戦がどうなるかだが、長期間好調を保てるタイプではなさそうだ。いずれにせよ令和三羽烏が揃ったリーグ、志田が張栩で横塚が高尾だったら究極のリーグだったのにと惜しまれるが、楽しみであることに変わりはない。


芝野虎丸が史上初の十代名人に!!

張栩投了ーーーー虎丸名人誕生ーーーー19歳10ヶ月、井山も成し得なかった大偉業!!

そもそも十代で公式七大タイトル自体が史上初、それも大三冠の一角の名人で。未成年名人は未来永劫不可能であろう。もう虎丸しか見えない。井山は平成までだった。令和は虎丸の時代だ。虎丸は一力や許よりはるかに器が大きい。年末には二冠、来年には四冠くらいになってもおかしくない。再来年に七冠制覇も有り得る。張栩が史上初の五冠になり、わずか3年やそこらで井山が五冠になった。それがもっと早い展開で起きるのだ。時代が大きく動いた。もう井山は過去の人だ。虎丸は明確に井山を超えたのだから。井山より若い棋士の大三冠の一角はこれが初めて。それがこんなに劇的な形とは。繰り返す。もう虎丸しか見えない。


今日の雑感

日本国憲法32条「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」これは民事刑事を問わずであり、民事裁判においては判決を受ける権利ということになります。つまり、いくら裁判官が和解を強く勧めてきても、断固として判決を求めれば、裁判官は(内心舌打ちをしながら)判決を書く、ということです。



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