今日の雑感

新しい技術で法的には白黒はっきりしない行為が色々と出て来ます。誰か(と誰か)が最後まで妥協せず徹底的に戦ってくれたら、新判決が出来ます。それで、どこまでが適法でどこからが違法かが明らかになるのです。

特異日??

一昨日は特異日だったのかしら?
ELNのシンポジウムが開催されて、民事法研究会から「エンターテインメント法務Q&A 権利・契約・トラブル対応・関係法律・海外取引」が発刊されたわ。これは管理人も共著者の一人に名前を連ねているのよね。
シンポジウムの方は「エンタメと人権」と題して、その中で「プライバシーと表現の自由」で宍戸常寿(東京大学大学院法学政治学研究科教授)氏が基調講演、「グーグル忘れられる権利 最高裁決定の解説」で笠原智恵(ELN理事・弁護士)先生が報告され、その後、一般社団法人日本音楽事業協会からN氏が、日本テレビ放送網株式会社からY氏が、それぞれ加わってパネルディスカッションが行われたな。
大変有意義で盛り沢山の議論がなされたけど、管理人としては、「それ」を売りにした芸能人は、「それ」と矛盾する私生活上の行為を報道された時、プライバシー侵害だから報道するなとは言えないよね、ということ。これは賛同を得られたけど、芸能人とプライバシーの問題は結局はここに行き着くと思うのよね。「それ」の中身は、清純派であるとか、良き父親であるとか、そういったことが入るわけ。
本の方については、管理人の執筆部分は、実は直前で結構削除しとるんや。これは主に分量的な理由なんやけど…
例えば「まとめサイト」に関する部分では「ただ、著作権者である匿名掲示板の運営者が権利行使をするためには、究極的には訴訟提起等の法的手続となるところ、その際当然ながら自らの所在と名称を明らかにした上、その匿名掲示板の権利を有していることを証明しなければならない。これが障害となる場合も、実務的には有り得よう。なお、そもそも匿名掲示板の運営者が著作権を有しているのかも論点ではあるが、そこは利用規約等により克服されているのが通常であろう。ただし、そのような課題があるのが現実であり、匿名掲示板の運営者とまとめサイトの運営者との間の訴訟は、本稿執筆時点では見当たらない」という記述を削除したな。実務的にはここが最も興味深いんやけどな。理論的課題ではないからな。
その他にも「ネタバレ」に関する部分では「社会的相当性を高める事情」として「個人ブログ(来訪者が少ない、その映画を未見で今後見る可能性がある者が読む蓋然性が類型的に高くない)・SNSで1回書き込んだだけ・映画公開後、長期間(今後映画による利益はあまり期待できない)・犯人が一応不明としつつ視聴者に容易に推測できるような物語構成で、人間ドラマのほうが面白さの本質である作品・批評として必要最低限のネタバレ、ネタバレがその文章において必然性がある」と、「社会的相当性を低める事情」として「当該映画のDVDのインターネット通信販売サイトのレビュー欄(来訪者が多い、その映画を未見で今後見る可能性がある者が読む蓋然性が類型的に高い)・SNSでプッシュ式に積極的に拡散する・映画公開後、短期間(映画公開中、DVD販売直後等)・まさに犯人が誰であるか全く不明で、真相は多くの視聴者の推測を裏切る意外な人物が真犯人であるという物語構成の作品・ネタバレ以外の内容が無い文章」と、それぞれ対比した表を作ってたんだけど、削除したわね。
そこでは「なお、匿名での拡散の場合、行為者を特定するのが困難(プロバイダ責任制限法の発信者情報開示請求等)という課題があり、損害論においては、現実の事案では(相当因果関係のある)損害額の算定・立証は困難であろう(例えば、客観的関連共同性が認められるのはせいぜい匿名掲示板のスレッド単位か?)が、これは実務上の課題である」という記述も削除したな。これも実務的関心であって理論的課題ではないからな。
一冊の本が完成するまでには、執筆者は色々と推敲しているということなのよね。

パクり

昨日は委任契約締結のため某作家にご来所いただいたわ。
プロの作家というのは凄いもんや。特に、ヒット作を連発して映画化や漫画化もされる売れっ子作家はな。
作家つまり小説家は世の中で最も才能が問われる職業や。
漫画家もそうやけど、あれはアシスタントとかの分業があるから。小説家のほうが純粋に才能オンリーやな。
漫画は描くことが出来る人と出来ない人がいるけど、小説は書けない人はいないからね。
学校で漫画の描き方は教えないけど、作文は教えるわ。文章が書けるということは、小説は誰でも書けるのよ。
ツイッターのツイートだって、文章やからな。あれをまとめれば小説ということになるで。
書くことが誰でもできるからこそ、金を払っても読みたい、ていうもんを書けるのは凄いと、誰でも理解できるわけや。
少しでも自分で書いてみりゃ、な。
多くの人が面白い、価値がある、と思うオリジナルの文章を書くのがいかに大変か、ということね。
だからこそ、パクリは厳しく非難されるべきなのよ。パクリだから直ちに違法とはならないのが、なんとももどかしいところなんだけど。
それな。著作権は具体的な表現を保護するものであって、アイデアを保護するものやない。アイデアをパクったからといって、それだけでは著作権侵害にはならんのや。
アイデアをパクられて憤慨する作家の気持ちはようわかる。けど、そこを攻撃するのは上手くないちゅうことや。
アイデアをパクるようなやつは、表現もパクる。あとはわかるな?
パクる人が非難されるのは当然だけど、そのように仕向けて儲ける「胴元」のほうが巨悪と言えるわね。
パクりがバレても「知りませんでした」「パクりは禁止してました」と言って「トカゲのシッポ切り」で済ませる予定という…
敢えてどこのこととは言わんけどな。あの遺伝子的なところとかな。
言ってるじゃないw
そういうところは「許さない!」という気持ちを、多くの人が持ってほしいわね。

君に、千円、贈ります〜

DeNAの件、著作権侵害における「迷惑料」が1件千円とのニュースを見ました。全ては民間同士の問題です。不満なら訴訟、それが法治国家です。別にこの件に限ったことではなく、少額詐欺として昔からある課題です。数万円の詐欺を大勢の人に行う。騙されたと気付いても、数万円のために訴訟をするか。訴訟どころか、行動を起こすだけでも数万円では「赤字」でしょう。消費者団体訴訟制度というものがありますが、本件は勝手に剽窃されたのであり不法行為であって契約ではありませんのでね…やはり古典的な手法として、大勢で一人の弁護士に依頼する、というほかないでしょう。

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自炊代行

本日のインターネット法律研究部は、株式会社ブックスキャンから藤田副社長をお招きしてご講演。色々と大変興味深い話がありましたが、その中でなるほどと思ったのは、この会社はスキャン後は必ず溶解処分する。一方、ブックオフやヤフオク等で本がぐるぐる回っている。すると、著作者としてはこの会社の方が嬉しいという。そういう著作者がいるという。
件の訴訟では数社しか被告とされていない。著作者団体から特に悪質と見なされた会社が訴えられたのである。この会社はそうではない。この会社は著作者のNG登録も受け付けている。自ずとYOUTUBEに似てくる。コミケが黙認されている状況と同じである。著作権というものは、こういう話が多い。需要があり、著作者の利益を害さないのであれば、それは結論としては容認されるのである。理屈を構築するのがいかに困難でも… -----

今日の雑感

図書館というもの、最新の雑誌も最新の新聞もタダで読める。些か古いが様々な本もタダで読める。著作者にとってはたまったものではなかろうが、回り回って(著作者も含め?)社会全体の利益となっているだろう。しかし、著作者にとってたまったものではないという理屈を突き詰めれば、貸与権の話になっていかざるを得ないであろうと、利用者としても感じるわけです。 -----

ELN

本日はELNシンポジウム。「脳みそしぼってエンタメ守れ!〜アートやコンテンツ保護の闘い〜」と題して。最初に村上隆(アーティスト・カイカイキキ代表)氏が「私の怒り、そして私の闘い」と題して講演?をしました。管理人は村上氏のことはよく知らなかったのですが、氏が工房で300人を「食わせている」と聞いて、これはかなりの人物だと思いました。例えば従業員300人の企業のオーナー社長ですよ。これで企業が債務超過にならず存続しているなら、立派なことです。氏は芸術作品も客のニーズを踏まえて作るとのことで、300人も食わせる「事業」としては当然のこと。ただ、例えば相続で数億円の財産がある人物が、客のことなど一切考えず純粋に自分が作りたい物を作ったのは、芸術作品的ではないのだろうか? -----

ELN

昨日のELN定例研究会は、「カウントダウン・フェアユース」と題して、福井健策先生(「プラットフォーム寡占/TPP/著作権リフォーム」)と上野達弘先生(「権利制限の一般規定━━受け皿既定の意義と課題━━」)が講師。前者の「君臨するプラットフォーム」としてGoogleが挙げられるわけですが、Googleが超国家のルールメーカーなのは10年以上前から誰にも明白であり、今さらドヤ顔で指摘されても感はあります。Googleへの「挑戦」者としてEUが色々と「Googleが嫌がること」をやってきており、巨大電子図書館「ユーロピアーナ」では文化の分野では善戦しているとのこと。しかし管理人としては中国を挙げないのは残念。とにかく現代地球人類の「ルールメーカー≒実質的支配者」は一民間企業であるGoogleであり、否定しても仕方ありません。抵抗するとすれば手段は何で、どこまでできるのか。やはり中国を挙げて論じないと興味半減です。後者はフェアユース規定についての日本での立法化の動きの歴史を具体的に解説していたのは興味深いところで、業界の重鎮が昔(40年くらい前)は「有り得ない」と一蹴していたのに、今は「肯定的に評価せざるを得ない」と屈服(渋々ながら…)している?とのこと。やれやれ、この「速度感」では永久に勝てないとしたものです。管理人は常に思うのは、YouTubeです。適法だろうが違法だろうが関係ない。とにかく、人々の需要を喚起し、市場を形成し、必要であると認識させれば、法律は後からついてくる。それが現実。

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ELN勉強会

本日のELN勉強会は、「TPP対応等近時の著作権事情」と題して、松田政行先生の講義。まずは例の東京五輪エムブレム問題。これは商標と共に、確かに著作権の問題である。著作権訴訟では、全世界的に、立証責任の分担が行われている。著作権者は相手方の著作物へのアクセスの蓋然性を立証する。これは見る一般的な可能性である。相手方は独自創作の抗弁をする。これは自分の作風からして元の作品がありその発展形態であると。その他、斜めL字型の椅子の機能美を著作権で保護する知財高裁の判決。GoogleBook控訴審判決。10年ほど前から始まった本件は、米国の裁判所は商用利用までは認めていないが、非商用のスニペット表示はフェアユースの範囲内だろうと。その他のGoogle判決・著作権侵害による事前差止めの件(著作権侵害というだけで当然に差止請求ができるのか?)、TPP対応の件、教育利用の大学サーバの件、新規ビジネス構築のためのフェアユース規定等、私的録音録画補償金の件…充実し過ぎるほどの内容です。 -----

TIFFCOM

本日、台場の「ホテル グランパシフィック LE DAIBA」で開催されているTIFFCOMの出展であるELNの弁護士として、法律相談を担当しました。ここには海外から日本に(日本から海外に)コンテンツ(動画等)を配信するビジネスの相談がけっこうあります。欧米での音楽著作権のシンクロとメカニカルの話も出ました。音楽著作権は日本ではJASRACが事実上一括して(でもなくなりそうですが?)管理しているわけですが、欧米ではシンクロ(シンクロ権)はそうではないのです。

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今日の雑感

図書館は色々な本が、とりわけ色々な新聞雑誌が、最新号を含め自由に読める。こりゃ確かに、(読むほうには大変有り難いが)著作権者にはたまらんわ。

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著作権と既得権益

昨日のELN定例研究会は「私的録音録画補償金制度と著作権の間接侵害〜私的録音録画補償は間接侵害ではなかったのか?〜」と題して、角田政芳先生のご講演でした。大変盛り沢山の内容で、問題の所在、著作権の間接侵害が問題となる場面、私的録音録画補償金の法的構成、著作権の間接侵害、さらにはアクセス権と間接侵害等、論及は多岐に渡りました。最後の質疑応答で、私的録音録画補償金の配分は私的録音の時代から固定されているが、録画対象はアニメとドラマに偏っており、ニュース等との比率が公平ではないのではないかという指摘は興味深いものでした。しかし、一旦決まった比率を変更するのは至難とのこと、ここにも既得権益があるわけです。

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利権?

東京五輪エムブレム問題は、色々な人が論評していて、色々なことを考えさせられます。管理人は当初から、「このエムブレムだけならなんとか」とは思っていました。それ以外のボロが出るのが、法律的には無関係でもねえ…。ただ、「人間関係図」については、「?」なところはあります。管理人には事実関係の正誤はわかりませんので…

ところで、「利権」という言葉を管理人は「巨額の税金が使われる(使い道に関与する)」という意味で使いましたが、これは本来の意味からは外れているかもしれません。直接に件の人物が得る金銭という意味ではないからです。ただ、件の人物が得る金銭は賞金100万円だけだから「利権」と騒ぐほどのものではない(そんな少額で利権なんて?)という論調には違和感がありますね。

管理人はデザイナーではないので推測ですが、この推測はどの業界にも当てはまるでしょう。つまり、「東京五輪のエムブレムは、私が、作りました!」ということが、デザイナー人生において、とてつもなく超巨大な経歴となり金銭的利益にも繋がることが。賞金100万円なんて、タダでも全く関係ないでしょう。それとも、件の人物は既に十分な経歴を有しているので、騒ぐほどの利益ではないのですかね。無名デザイナーなら超巨大な利益であり、それにありつけるなら利権となるが、件の人物にとっては利権とまでは言えない小さな利益である、とか…

まあ、公平な競争をして勝ち得たなら、巨大な利益でも「利権」ではないわけです。そして、デザインの優劣は管理人にはわかりません。この種の芸術的なものは、良いと言われれば良く見え、悪いと言われれば悪く見えるものでしょう。なお、件の人物以外の会社の利権についてはよくわかりません。

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