ドローン

本日のインターネット法律研究部は「日本と世界のドローンに関する規制法の潮流」と題して一般社団法人ドローン安全推進協議会からK氏のご講演。今のマスコミで言われるドローンの状況は現実と大きく違うと。今活用できているのは空撮とあと少々。それ以外の農薬散布とか大型ドローン物流とか空飛ぶ車とか危険が大きく遠い話。市場は拡大していない。某省庁はやたらと持ち上げるが。中国DJIが世界シェア7割で市場は米国。その2国で全てが決まっている。日本では25kgのドローンで6kgの荷物を。海外ではプロペラ16枚でペイロード100kgの実証実験とか。救助に使える。火災で消火放水とか。日本は免許制度ではなく民間資格制度。効力ない資格証を発行させている。今は手動だが早ければ1年後には自律飛行になるだろう。自律飛行でも受講者がいないとだめといった救済措置を?海外からの遅れがひどい。中国では企業は国から巨額の資金援助されているが日本ではほぼなし。そりゃ経営苦しいわ。米国では全米に698箇所の試験場が。合格すれば身元調査して免許証を。ドローンは元来「兵器」であり中国がイランや北朝鮮に輸出している。米国が始めたのを各国が真似。今の戦争は無人でやっている。民間の回転翼のでも容易に兵器になる。世界の優先順位は「空飛ぶ車」である。GPS・AI・自動車。5年後には有人ドローン、10年後には空飛ぶ車。現在も将来も道交法に絡むドローン。近々ドローン数拡大による警察多忙化懸念。ドローンはカメラが付いててなんぼ。199gでも4Kカメラとか。日本は危機管理がほとんどできていない。規制が厳し過ぎて意味のない実証実験ばかり。管制システムと免許制度整備はいつか。世界全体の課題は管制システム開発遅延、リモートID開発遅延、対ドローン防衛では対応不可能。警察の職務質問でも操縦士を発見困難。悪質知的操縦士は防げない。ISによる競技場爆破。ドローンの乗っ取り電波はインターネットのウイルスと同じで乗っ取り防止機能付きもある。これは真っ当なドローンが悪人に乗っ取られることを防ぐ意味がある。カウンタードローンの課題、完全には防げない厳しい現実。日本は非常にレベルが低い。海外では軍がやるが日本では警察がやっている。情報セキュリティーで問題があり過ぎる。2019年9月18日に米国で両党が共同で安全保障ドローン法を提出。政府仕様を出した。データ転送なし、ファームウェアの隔離等。10月16日にはドローン統合ゾーニング法を。世界では2日に1回の頻度で事件事故がおきている。海外は空港が多い。今まさに日本の省庁で話し合われている。管理人が思うに、小型ドローンは銃器と同様に禁制品にすべきだろう。日本は米国と違って国土が狭いので必要性が低い。

今日の一言

インターネットにおいては「スルー力」が重要である。エゴサしない、これもスルー力の一種である。


ELN Vtuber回

本日のELN研究会は「Vチューバーと企業活動」と題してN弁護士の講義。Vtuberは管理人も仕事で関与しており、根本的な疑問を持っているところです。それはマネタイズで、個人が2Dでやるのはローコストローリターンでいいのですが、企業が3Dでやるのはハイコストでありハイリターンをどうやって得るのか。スマホガチャゲーならガチャを回させればいいのですが。スマホガチャゲーはサーバー維持費がかかるのでさらにハイコストですが、ハイリターンの方法論が確立されているということ。その点、3D-Vtuberは難しい。企業広告にTVタレントのように出演できるのも限られています。まあそれはどんな業界でもそうかもしれませんが…。中の人の問題も大きい。中の人はこれ専業では生活できないでしょう。講義ではVtuber案件の契約形態を種々紹介しましたが…。発注する方も中の人にまで言及する必要性があるとなると大変です。堂々と承継の儀式をしたら意外とファンは離れないといいますが。中の人が従業員でもなく事務所所属声優でもない場合は本当に難しい。事業承継はどうやる(といっても動きは激しいが)。YOUTUBEでアカウントの譲渡は本当に問題ないのか…。Vtuberの価値の本質は3Dの絵か、中の人か。素性を明かさない、競業避止義務(退職金は…?)。中の人の引退で終了なら危険が大き過ぎる。「前世」のアカウント爆破とか厳し過ぎるのではないか。

今日の雑感

ツイッターで名誉毀損やプライバシー侵害をされたという「憤懣」の半分は、ツイッターを見なければいいというだけのものであろう。つまり、現実には何も被害が発生していないものである。残り半分とて、警察が動くところまでのものは稀である。

サイバー判例回顧

本日のインターネット法律研究部は消費者問題特別委員会と共催で、M教授による昨年から今年にかけてのサイバー判例回顧。注目の事件は、マイニングプログラムの無断インストールとウィルス罪の成否(横浜地判H31.3.27、例の仮想通貨/暗号資産のやつ)、弁護士会懲戒の大量申立てと不法行為(横浜地判H31.4.11、余命ブログのやつ、まあ綱紀委員会で一括処理していますが)、ドメイン名のレジストラ/DNSサーバ管理者と特定電気通信役務提供者(札幌高判H31.3.19、例の写真家の件。侵害情報の流通の一部を構成しない)、ブロッキング差止請求訴訟(東京地判H31.3.14、漫画村の件の流れで「今やるつもりはない」)、ツイッターによる裁判記事紹介と裁判官分限処分(最決H30.10.17、例のO裁判官の件)、というところ。その他重要判例多数。

自動運転車による事故

週刊新潮が「『自動運転車』で初の惨事!暴走コンピューターに大黒柱を奪われた母娘の慟哭」という特集記事を出した。先週金曜日のインターネット法律研究部は、この件についてだった。この事故は昨年4月29日に起きたものだが、通常の事故とは全く異なる態様だった。まず高速道路の追い越し車線で自動車(キャラバン)が渋滞にさしかかり急ブレーキしたのにバイクが追突した事故が起きた。その事故から数分後、その処理のために停車中のバイクにテスラ車が高速で突っ込んできて、バイクを跳ね飛ばし、その場にいた今回の被害者の頭を轢過したのだ。被害者は死亡。テスラ車の運転者は居眠りをしていた。ここまでだと、よくあるパターンの居眠り運転による事故のように思えるが…テスラ車の運転手の刑事裁判で、弁護側は無罪を主張したのだ。その理論構成は、運転者は居眠りしていたが、テスラ車は自動運転システムにより問題なく走行しており、事故の直前にシステムが故障して前方の障害物を認識せず事故が起きた。運転手が起きていても回避不能だったというもの。まあ結論から言えば、今の日本の法律では自動運転技術はレベル2までしか走行を認めておらず法的責任は運転者にあるので、普通の居眠り運転と同様に有罪になるだろう。問題はテスラ社が売り文句で「(運転者は)何もする必要がありません」と過大に広告宣伝していること。とは言っても、高速道路をこの事故直前まで全く問題なく自動運転していたのであり、自動運転技術はここまで来ているのも事実。ここで管理人が思い起こしたのが、2016年3月のアルファ碁対イセドルの五番勝負。アルファ碁は世界最強クラスの棋士イセドルを圧倒したが、第四局では失着(による形勢悪化)後に級位者でも打たない異様な悪手を連発した。そう、人間とAIとでは「考える」という中身が全く異なるのだ。今回の事故、事故処理のため時速10kmくらいで渋滞していた車線で前の車が車線変更し、事故処理で停車中のバイク等が目の前に現れた。人間なら絶対に加速しない状況だったのだ。それが「前には何もない」と人間なら絶対にしない誤認識をして、テスラ車は急加速して突っ込んだ。これはアルファ碁対イセドルの第四局のアルファ碁の「人間なら絶対に打たない」悪手と同じだ。2017年5月のアルファ碁対柯潔の三番勝負では、アルファ碁は全く隙が無かった。テスラ車も日々世界中でデータを取っており、数年(いや数ヶ月?)もすればこの種の事故は起こさなくなるだろう。しかし、技術の進歩の途中でこのような事故が起きたこともまた事実。アルファ碁対イセドルの第四局終了後の記者会見で「これが医療の手術で起きたら?」と問われた開発者デミスハサビスは「まだ開発途上のプロトタイプである」ことを強調した。


コインハイブ事件

本日のインターネット法律研究部は「サイバー犯罪〜無罪判決が出た不正指令電磁的記録に関する罪を中心に」と題してO先生のご発表。今年3月27日に無罪判決が出たのがコインハイブ事件。コインハイブとは(判決文によると)コインハイブチームのウェブサービスで、モネロという仮想通貨をマイニングするジャバスクリプトを登録者に提供し、取り分はチーム3割、登録者7割。このスクリプトをウェブサイト内に設置すると、閲覧者が気づかない間に勝手に閲覧者のPCでマイニングするのである。ここだけ聞くととんでもないプログラムだが、そもそもジャバスクリプトは広く使われていること、設定により閲覧者のPCへの負担をごく小さく出来る(他の一般的な広告表示プログラムと大差ない)こと、当該ウェブサイトを離れたら終了すること、と聞いたら別の評価も出てくるだろう。今後は広告表示や課金制に代わるマネタイズとなるとも言われているという。これを聞いたら管理人的にはかなり肯定的に評価したくもなる。広告は極めてウザいしPCへの負担も結構大きい。課金制で機能する役務などインターネットの世界では極めて限定的である。実はコインハイブチームは閲覧者の同意なしにマイニングが開始しない新たな実装をしたという。完璧だ。唯一の問題点(重大な!)である「知らない間に勝手に…騙された!」が無いのである。管理人的には初めて仮想通貨を肯定的に評価するぞ。こういう用途があったか…これは今後のインターネットでスタンダードになる十分な可能性がある。ていうか、なるべき必然性がある。これでインターネットはテレビを完全に駆逐するだろう。ただし、スマホにも出来るなら、であるが(どうやらそうらしい!)。本件被告人は略式起訴罰金10万円に異議を申し立て、7回にわたる公判前整理手続を経て無罪判決を勝ち取ったわけで、大変お疲れ様である。ちなみに被告人が得た総収益は800円程度だったという(振り込まれる最低金額5000円程度に達しないので実際はゼロ円)。このようなインターネットの有意義な新技術については、刑事罰は謙抑的であるべきで、そうでないと他国に出し抜かれるのだ。判決文においても「その当時新聞等のマスメディアによる報道はもとより捜査当局等の公的機関による事前の注意喚起や警告等もない中で、本件プログラムコードを設置した被告人に対していきなり刑事罰に値するとみてその責任を問うのは行き過ぎの感を免れない」とする。なんかやけに人情味があるぞ。それと、検察は控訴したとのこと。他にも同様に検挙していて、他の人は異議を申し出ず有罪が確定していると。うーん…

ツイッターと外国企業

昨日の続き。ツイッターのアカウント情報(IPアドレスとタイムスタンプ)を開示させるには、ツイッター社を相手方に仮処分を申し立てることになる。ツイッター社は本社しか受け付けないので本社を相手方にする必要がある。すると申立書を英文に翻訳しなければならない。もちろんその種の業者は存在するが、30万円とか40万円とかかかる。それでツイッター社が有益な情報を持っていない可能性もあり、ツイッター社は持っていても犯人がプロキシサーバーを噛ましていて結局犯人に辿り着けない可能性もある。つまり無駄に終わる可能性もあるのである。それが現実。

ここ数日ファーウェイについてグーグルがサービスを停止する云々と大変興味深い流れであるが、中共が本当に恐ろしいのはここである。大陸中国では中共の強制によりその他の世界で使われているグーグル等のサービスではなく中共の息のかかった中国企業のサービスを使うのだ。バイドゥとか見聞きしたことがあるだろう。国民が広く使うサービスが外国の一私企業のもの、というのは「首根っこを押さえられている」ということ。従って米国の強硬姿勢はトランプ大統領の個人的問題ではなく、米中の覇権争いであり綺麗事ではなくガチの殴り合いで、互いに出来ることは「何でも」やる。米国で温いことを言っている政治家や報道関係者には中共の金が流れていると見て間違いないのである。


インラインリンクと著作権

本日のインターネット法律研究部は、インラインリンクと著作権法の論点と題してS先生のご発表。著作権法のサイバー法化、プロ責法の使い勝手の悪さ。省令7号は侵害時のタイムスタンプの開示を認めるが、それは侵害情報のアップロード時だけのように読める。しかし一部のプロバイダはログイン時のものしか保存していない。実務ではアップロードの直前のログイン情報ならなんとか…という状況だが、昔は箸にも棒にもかからなかった。なぜかログアウト時のものを保存しているプロバイダもあるようだ。論点の実益はリツイートにある。なりすましアカウントを連続してリツイートしているアカウントは同一人物の可能性が高い。数年前のタイムスタンプをもらっても仕方ない。直近の投稿の情報が欲しい。アイコン画像の侵害の場合(リツイートアイコン事件)。権利者に無断でアップロードされた画像をインラインリンクで利用する行為が著作権侵害ではない!?インラインリンクは1993年にマークアンドリューセン氏が提唱しブラウザを開発した。それがIEに繋がる。日本でも20年前からディスプレイに関する権利を創設するほかないのではないかという議論あり。公衆送信権侵害の主体は送信可能化をしたという前提がある。アップロード行為が正犯行為であり、リンクを貼る行為は正犯行為たり得ない。しかし近時判例では認めたものあり。今後の解明が待たれる。キャッシュへの保存は複製権の侵害ではない。一時的な保存なので有形的な複製ではないため。それを増幅しても同じ。その他諸々。


今日の雑感

今はググれば何でも出てきます。ただし、故意又は過失により間違っている情報も多い。書かれた時点では正しくても今は違う、という情報もあります。でも、そんな情報の洪水の中から正解「であろう」結論を導き出す能力がインターネットリテラシーであり、それは今、世界中の人がトレーニングしているのです。OJTで。従って、インターネットリテラシーがある人には、法律相談で回答すべき内容はあまりない、あとは具体的なその案件で弁護士に依頼する費用と期間くらい、ということになります。


攻撃と反撃

攻撃すれば、反撃される可能性がある。もちろん、どちらが正義かは関係ありません。物理法則(作用反作用の法則)のようなものですから。攻撃する時、反撃される可能性を考えるのが大人というものです。想定される反撃に対し、どのように防御するか。そこまで考えてから攻撃するのが、成熟した大人というものなのです。そもそもその攻撃、あなたの人生に必要なのですか?


デジタルプラットフォーム

本日のインターネット法律研究部(今年度から管理人が部長)研究会は「一から始めるデジタルプラットフォームビジネス〜決済の仕組みを中心に〜」と題してT先生のご発表。マッチング型とメディア型に分類し、具体的かつ詳細な内容で、非常に充実していました。後者の例であるクラウドファンディングで融資型では利用者である個人が貸金業登録する必要が生じてしまうため、クラウドファンディング事業者が自ら貸金業と第二種金融商品取引業の登録をし、一般個人による貸付はクラウドファンディング事業に対する匿名組合出資である、という仕組みとすると。

電子書籍と「消滅」

マイクロソフトが電子書籍事業を廃止し本は「消滅」するというニュース。電子書籍は紙の本と比べて圧倒的な優位性があるが、この欠陥もある。電子書籍は物理的には何も得ていないのであり、文章を読む(絵を見る)権利を得ているだけ。マイクロソフトは返金するとのことだが、なんて良心的なのか。利用規約にどう書いてあるかは知らないが、返金する義務など書かれているとは到底思えない。アーサー・C・クラークの小説に何度も書かれている設定として、未来において巨大隕石の落下により全地球規模の異常な電磁波が発生し電子データがほとんど失われた(その間の人類の行為の記録が無くなった)というものがある。太古の昔から、石碑は残り紙もある程度残っているが、CDやDVDやBDは紙より残らず、電子データは全く残らない。圧倒的な利便性から市場原理により電子データを使うことはやめられないが、原発と同様にその巨大な欠陥が露呈した時に責任のなすりあいが生じるのだろう。



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