破産者マップ騒動

破産者マップ騒動、個人情報保護法に関する新たな論点か!?と思いましたが、よく考えてみたらそんなこともないようです。法の想定する典型的な場合かどうかはともかく、第三者提供には該当するのでしょう。結局、本件も他のインターネット事案(漫画村等)と同様、「誰がやっているのか」を突き止める困難性という、そこだけの問題です。ただ、そこが実務上大きな障害なのです。そこについては法律はあるので後はITの問題であり、むしろ弁護士よりSEとかのほうがこの際役に立つ?かもしれませんが、思うに、ツイッターは偽名でアカウントを作るにせよ、インターネットを契約プロバイダでやっていたらIPから辿り着くことは可能です。ではその最初にネット接続するのを無料Wifiでやっていたらどうか。無料Wifiでどこまでのことができるかはさておき、そちらから辿り着くことは不可能でしょう。ただ、サーバーにデータを蔵置する手法では、事実上、レンタルサーバー会社と契約する必要があります。件の漫画村もそれで米国のサーバー会社から開示を受けたというニュースが以前ありました。ではそこのサーバー会社との契約を偽名でできるか。これはWhoisの代行業者との契約と併せてということになりますが、そこが偽名でできればそちらから辿り着くことも不可能になります。支払いは仮想通貨を使えば可能でしょう。しかし、漫画村ですらそこまでやっていなかったということは、実務上はそれを受け入れるサーバー会社が(一般人が利用可能な範囲では)存在しないのかもしれません。差止めについてはサーバー会社が従えばよいだけのことですから、そちらはIT的には不可能にはできませんが、逆にそちらは法的に強制できるかの問題があるでしょう。

ところで被害対策弁護団がクラウドファンディングで弁護士費用を調達する動きがあるようで、これはなかなか興味深い。クラウドファンディングは胡散臭い詐欺的な連中もいるので玉石混交ですが、弁護士であれば詐欺的なことをやったら懲戒処分で資格を失う危険があるわけで、その心配は無用です。クラウドファンディングは、本件のような一人一人の被害額は小さいが被害者が多い(消費者被害が典型ですが)事案の処理に最適かもしれません。原告に名前を連ねるのは嫌だが支援はしたい被害者もいるでしょうし、被害者でないが支援したい人もいるでしょう。


ビッグデータとアフィサイト

本日のインターネット法律研究部は前回に続き「インターネットの法的論点と実務対応 第3版(管理人も共著)」の執筆者の中からN先生のビッグデータとF先生のアフィリエイトサイト(リーチサイト)のご発表。前者は、従来のデータ処理は構造化されたデータで抽出されたデータの因果関係の重視、ビッグデータは非構造化データが中心で可能な限り全てのデータを扱い相関関係の重視と。国内の事例で建設機器メーカーが販売した建設機器のGPSデータから稼働状況を分析して与信管理や債権回収にも活用とか。後者は、アフィリエイトの商流はアフィリエイターと広告主とASPがあり、関係法令は景表法、健康増進法等、著作権法、不正競争防止法。H 30.6.15の課徴金納付命令が初めてアフィリエイトに言及。リーチサイトは例の漫画村云々。知的財産戦略本部の検討会議は結論が出ず宙ぶらりんとのこと…

eスポーツと景品表示法

昨日のインターネット法律研究部は、「Q&A インターネットの法的論点と実務対応 第3版(ぎょうせい)」の共同執筆者のうち管理人とS先生で担当部分を発表。管理人は「動画投稿サイトの法的論点」を、S先生は「eスポーツにおける懸賞」を主に語りました。特に後者は今なにかと話題ですが、そもそも景品表示法(の景品額規制)は「過大なオマケで粗悪品が売れて、真面目な競合製品が売れなくなる」という「悪貨が良貨を駆逐する」ことを防ぐ趣旨です。でも、eスポーツの「景品」とは何ぞや?…それは賞金。例えばストV大会で優勝者に100万円の賞金を出す場合、出場者はその賞金に釣られてストVを買うことになる。そういう理屈であり、実は、業界団体が認定するプロ制度が出来ましたが(ゲームごとにプロ認定するというのも仕方ないながら煩雑なことです)、プロであるほど景品表示法に違反する理屈なのです。経産省(世耕大臣とか)が何を言おうと、そういう構図であるのは間違いありません。一方、プロじゃない人は、高額賞金の大会が開催されたからといって、自分がその賞金を得るとは考えない。盛り上がっていて面白そうだからストVを買っても、それは賞金に釣られたわけではない。従って景品表示法に違反するわけではない…ここが議論が錯綜するところなのです。そもそもプロならOKとした場合、プロ認定が出来る立場はどのようにして正当化されるのか。理屈は全くありません。何しろ、カプコンが認定するなら、それはストVを売る目的が露骨であり「賞金が欲しければプロ認定を受けてストVを買って練習しろ」であって、あからさまに景品表示法に違反するでしょう。ではカプコンが関与しない者(団体)、となると誰でも当てはまるわけです。そのへんのカプコンと無関係の一般人が「俺がプロ認定をする。お前はストVのプロだ!」と言えば、それで通るのか。業界団体と何が違うのか…思うに、海外ではeスポーツは巨額の賞金で盛り上がっているわけで、管理人は詳しくは知りませんが、賞金はゲーム会社と無関係に出ているのでしょうか?そんなことはないと思います。直接または間接にゲーム会社から金が出ていると思いますがどうなのでしょう。むしろ当たり前に思えます。粗悪品云々は生活必需品だから必要な考え方であって、純粋な嗜好品・娯楽品には当てはまらないと思います。つまりそういう物には無用の規制ということです。


IEの終わり

そろそろIEをやめるよう、マイクロソフトが呼び掛けているというニュース。IE10以前なら当然でしょうが、IE11もダメということか。Edgeに移行してほしいとしても、Edge自体がChromeの軍門に下ったわけで、要するにウェブブラウザに人員を割きたくないということか。マイクロソフトは外国の一企業に過ぎず、IEでセキュリティ上の問題(例えば、ウェブページをハッキングされて顧客情報が流出したり)が発生しても、マイクロソフトに責任を問うことはできないでしょう。ITの世界では「成功のディレンマ」いや「最適化のディレンマ」とでも言うべきか、そういうことが短期間に起きるのです。


栄枯盛衰

ウェブブラウザのシェア、一昔前はIEが圧倒していたのですが、今はChromeが圧倒しています。MSはWin10でIEを捨てて(?)Edgeとかいうブラウザを推していますが、シェアはIEにも劣るゴミみたいなもの(しかも昨年末にChromeの軍門に下ったとか)。それにしてもIEの天下が崩れるとは、一昔前からすれば信じ難いことです。Windowsとのセットでシェアを取り、一旦シェアを取ったらもう覆せない。そういう単純な考えは通用しなかったということです。Googleという「外国の一私企業」が日本も世界も支配する、それが現実…


リツイート判決

本日のインターネット法律研究部は、知財高裁H30.4.25判決、これは無断アップ画像のリツイート者の発信者情報開示請求で、地裁では敗訴したが高裁で著作者人格権侵害で認めたという、業界内で話題になったもの。ツイッターの仕組みでトリミングがされてしまう件。損賠請求なら故意過失が必要だが差止請求なら不要。リツイートでメルアドが開示されるのは衝撃かもしれないが、ツイッターアカウントを持っていない人には規約は及ばない。最新IPアドレスは開示が認められなかったので、現実には削除要請のメールが来る程度か。現在上告中で結果が楽しみである。ツイッターに使うメルアドは自分に辿り着けない捨てアドにするのが無難?
なお当該画像はスズランの写真の模様。

今日の雑感

インターネットが発達しても、現実に集まって直接話をすることは十分な意義があります。みんなで顔を突き合わせて議論すれば、新たな発見や気付きが出てくるものです。

近時の雑感

今の若者はYouTubeをよく見るそうですね。当然スマホででしょう。

「最近の若者は漫画ばかり読んで!」→「最近の若者はテレビばかり見て!」→「最近の若者はゲームばかりして!」→「最近の若者はスマホばかりいじって!」

人は誰でも1日は24時間です。スマホを見る時間が増えれば、テレビを見る時間が減る。今やテレビは高齢者のメディアになっています。視聴率を上げるために番組はますます高齢者向けになります。するとますます若者はテレビを見なくなります。人口ピラミッド的にも、テレビはもう若者にとって関係ない存在、スマホこそ若者のメディアです。YouTuberなんて年輩者は職業とは認知しないでしょうが、ではテレビタレントは?…テレビタレントは職業で、YouTuberは職業ではない、そういう理屈はありません。


フィルターバブル

フィルターバブルという言葉があるようです。これは、インターネットで検索エンジンのアルゴリズムが閲覧者の見たくない情報を遮断する結果、閲覧者は見たい情報だけ見るようになる状況を指すものです。もともと人は見たい情報を見て見たくない情報を見ないものですが、インターネットによってそれが飛躍的に強化されたということです。以前は新聞で色々な事項の色々な意見を見ても、今はスマホで自分の興味がある事項の自分と同じ意見しか見ない。言い方を変えれば「囚われの聴衆」ではなくなった━━ただし商業広告を除いて━━ということです。

多くの人が広くフィルターバブルにかかれば、有意義な議論が成り立たなくなり、社会は混乱するでしょう。議論が成り立たなければ暴力しかないわけですから。しかし、フィルターバブルは人々が望む状況そのものであり(社会が自分と同じ見解で満ちていると感じるのは愉悦でしょう)、頭から否定するのは難しい。例えば、酒は害が大きいですが人は酒を飲みたがる。社会的に完全に禁止することは事実として出来ないので、社会全体としては「一病息災」としてほどほどに抑制するほかありません。また、フィルターバブルは現実にはどこまで「被害」が生じているのか、酒のように明白ではありません。これは酒よりも「栄養が偏った食事」のほうが適切な例えかもしれません。つまり偏食です。食べたい物だけ食べる、それは人の根源的な欲求です。それを他者が━━国家が━━禁じることができるでしょうか。栄養の均衡がとれた食事を推奨することはできても、栄養が偏った食事を禁じることはできないでしょう。偏食により病気になった人は、何らかの形で社会に負担を生じさせます。繰り返しになりますが、だからといって偏食を禁じる、つまり食事の内容を国家が指定することはできません。結局は、定期的に閲覧履歴を削除しましょう、といった広報以外のことは出来ないでしょう。なお管理人はとっくの昔から閲覧履歴を毎日削除しています。グーグルに規律されるのが嫌なのでね。外国の一私企業を信用するなどお人好しにも程があります(日本企業なら信用できるというのではありません。日本企業ならそれを相手とする訴訟提起が容易ということです。フェイスブックにライフログを蓄積させるとか、正気の沙汰ではありません)。


一般論として、対抗策

『「netgeek運営者情報に20万円の賞金出します!!」 悪質ニュースサイトに異例の“懸賞金” 「これは支援する」「面白い」と賛同も』という記事を読みました。なんと、たったの1時間で運営者情報(欲しい情報)が手に入ったと。管理人としては、netgeekという特定のウェブサイトについては論じません。ただ、一般論として「匿名で誹謗中傷をするウェブサイト」への対抗策として、これは大変興味深い試みと感心しました。もちろん、どのウェブサイトにも使えるというわけではありませんし、誰にでもできるというわけでもないでしょう。ただ、この対抗策が「上手くはまる」事案も多いと思います。名誉毀損が成立するのかどうか、この手法の是非、いずれも裁判で白黒つけるのです。これほど公明正大で正義に適う決着はありません。この手法が広まれば、法の支配が広まるということでもあります。


サイバー判例回顧

本日の東弁・消費者問題特別委員会・インターネット法律研究部共催の「2017年下半期〜18年上半期サイバー判例回顧」勉強会は、例年どおりM先生のご講演。GPS端末の令状なし無断設置その後、忘れられる権利その後、NHK受信料の負担、ヘイトスピーチ、なりすましとアイデンティティ権、リツイートを著作者人格権侵害と認めた事例、というのが主な判例。それ以外の刑事事件では、ながらスマホの交通事故、ネタ目的のいたずら、不正アクセス等のコンピュータ犯罪、知財侵害、その他のネットワーク利用犯罪。民事事件では、契約トラブル・消費者法(サクラサイトのポイント利用させ詐欺等)、知的財産(著作権ではFC2アダルトへの動画掲載が公衆送信権侵害等、不正競争その他、不法行為、情報漏洩ではベネッセ事件で精神的苦痛は認められない?、プロバイダに対する削除請求では歯科医がグーグルマップの口コミで名誉を侵害されたと訴えた件)、発信者情報開示請求事件などなど。相変わらず大変充実しております。

インターネットとAI

現代社会を変えた革命的技術の筆頭はインターネットでしょうが、次にAIが来ています。ただ、インターネットは「それを使って人間が何をするか」であるのに対し、AIは「AIが何をするか」に行き着きます。最終的には人間は不要になるのです。その最終は、そんなに遠くないでしょう。それこそ、あと20年、いや10年か…?


アップロード

片方は「サーバーにアップロードした」と言い、もう片方は「いや、アップロードされてない」と言う。つまり、IDやパスワードがわからないからログインできない、というのとは違うわけです。そういうのって、技術的にはどういう状況なんでしょうかねえ…



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