ツイッターと外国企業

昨日の続き。ツイッターのアカウント情報(IPアドレスとタイムスタンプ)を開示させるには、ツイッター社を相手方に仮処分を申し立てることになる。ツイッター社は本社しか受け付けないので本社を相手方にする必要がある。すると申立書を英文に翻訳しなければならない。もちろんその種の業者は存在するが、30万円とか40万円とかかかる。それでツイッター社が有益な情報を持っていない可能性もあり、ツイッター社は持っていても犯人がプロキシサーバーを噛ましていて結局犯人に辿り着けない可能性もある。つまり無駄に終わる可能性もあるのである。それが現実。

ここ数日ファーウェイについてグーグルがサービスを停止する云々と大変興味深い流れであるが、中共が本当に恐ろしいのはここである。大陸中国では中共の強制によりその他の世界で使われているグーグル等のサービスではなく中共の息のかかった中国企業のサービスを使うのだ。バイドゥとか見聞きしたことがあるだろう。国民が広く使うサービスが外国の一私企業のもの、というのは「首根っこを押さえられている」ということ。従って米国の強硬姿勢はトランプ大統領の個人的問題ではなく、米中の覇権争いであり綺麗事ではなくガチの殴り合いで、互いに出来ることは「何でも」やる。米国で温いことを言っている政治家や報道関係者には中共の金が流れていると見て間違いないのである。


インラインリンクと著作権

本日のインターネット法律研究部は、インラインリンクと著作権法の論点と題してS先生のご発表。著作権法のサイバー法化、プロ責法の使い勝手の悪さ。省令7号は侵害時のタイムスタンプの開示を認めるが、それは侵害情報のアップロード時だけのように読める。しかし一部のプロバイダはログイン時のものしか保存していない。実務ではアップロードの直前のログイン情報ならなんとか…という状況だが、昔は箸にも棒にもかからなかった。なぜかログアウト時のものを保存しているプロバイダもあるようだ。論点の実益はリツイートにある。なりすましアカウントを連続してリツイートしているアカウントは同一人物の可能性が高い。数年前のタイムスタンプをもらっても仕方ない。直近の投稿の情報が欲しい。アイコン画像の侵害の場合(リツイートアイコン事件)。権利者に無断でアップロードされた画像をインラインリンクで利用する行為が著作権侵害ではない!?インラインリンクは1993年にマークアンドリューセン氏が提唱しブラウザを開発した。それがIEに繋がる。日本でも20年前からディスプレイに関する権利を創設するほかないのではないかという議論あり。公衆送信権侵害の主体は送信可能化をしたという前提がある。アップロード行為が正犯行為であり、リンクを貼る行為は正犯行為たり得ない。しかし近時判例では認めたものあり。今後の解明が待たれる。キャッシュへの保存は複製権の侵害ではない。一時的な保存なので有形的な複製ではないため。それを増幅しても同じ。その他諸々。

今日の雑感

今はググれば何でも出てきます。ただし、故意又は過失により間違っている情報も多い。書かれた時点では正しくても今は違う、という情報もあります。でも、そんな情報の洪水の中から正解「であろう」結論を導き出す能力がインターネットリテラシーであり、それは今、世界中の人がトレーニングしているのです。OJTで。従って、インターネットリテラシーがある人には、法律相談で回答すべき内容はあまりない、あとは具体的なその案件で弁護士に依頼する費用と期間くらい、ということになります。


攻撃と反撃

攻撃すれば、反撃される可能性がある。もちろん、どちらが正義かは関係ありません。物理法則(作用反作用の法則)のようなものですから。攻撃する時、反撃される可能性を考えるのが大人というものです。想定される反撃に対し、どのように防御するか。そこまで考えてから攻撃するのが、成熟した大人というものなのです。そもそもその攻撃、あなたの人生に必要なのですか?


デジタルプラットフォーム

本日のインターネット法律研究部(今年度から管理人が部長)研究会は「一から始めるデジタルプラットフォームビジネス〜決済の仕組みを中心に〜」と題してT先生のご発表。マッチング型とメディア型に分類し、具体的かつ詳細な内容で、非常に充実していました。後者の例であるクラウドファンディングで融資型では利用者である個人が貸金業登録する必要が生じてしまうため、クラウドファンディング事業者が自ら貸金業と第二種金融商品取引業の登録をし、一般個人による貸付はクラウドファンディング事業に対する匿名組合出資である、という仕組みとすると。

電子書籍と「消滅」

マイクロソフトが電子書籍事業を廃止し本は「消滅」するというニュース。電子書籍は紙の本と比べて圧倒的な優位性があるが、この欠陥もある。電子書籍は物理的には何も得ていないのであり、文章を読む(絵を見る)権利を得ているだけ。マイクロソフトは返金するとのことだが、なんて良心的なのか。利用規約にどう書いてあるかは知らないが、返金する義務など書かれているとは到底思えない。アーサー・C・クラークの小説に何度も書かれている設定として、未来において巨大隕石の落下により全地球規模の異常な電磁波が発生し電子データがほとんど失われた(その間の人類の行為の記録が無くなった)というものがある。太古の昔から、石碑は残り紙もある程度残っているが、CDやDVDやBDは紙より残らず、電子データは全く残らない。圧倒的な利便性から市場原理により電子データを使うことはやめられないが、原発と同様にその巨大な欠陥が露呈した時に責任のなすりあいが生じるのだろう。


破産者マップ騒動

破産者マップ騒動、個人情報保護法に関する新たな論点か!?と思いましたが、よく考えてみたらそんなこともないようです。法の想定する典型的な場合かどうかはともかく、第三者提供には該当するのでしょう。結局、本件も他のインターネット事案(漫画村等)と同様、「誰がやっているのか」を突き止める困難性という、そこだけの問題です。ただ、そこが実務上大きな障害なのです。そこについては法律はあるので後はITの問題であり、むしろ弁護士よりSEとかのほうがこの際役に立つ?かもしれませんが、思うに、ツイッターは偽名でアカウントを作るにせよ、インターネットを契約プロバイダでやっていたらIPから辿り着くことは可能です。ではその最初にネット接続するのを無料Wifiでやっていたらどうか。無料Wifiでどこまでのことができるかはさておき、そちらから辿り着くことは不可能でしょう。ただ、サーバーにデータを蔵置する手法では、事実上、レンタルサーバー会社と契約する必要があります。件の漫画村もそれで米国のサーバー会社から開示を受けたというニュースが以前ありました。ではそこのサーバー会社との契約を偽名でできるか。これはWhoisの代行業者との契約と併せてということになりますが、そこが偽名でできればそちらから辿り着くことも不可能になります。支払いは仮想通貨を使えば可能でしょう。しかし、漫画村ですらそこまでやっていなかったということは、実務上はそれを受け入れるサーバー会社が(一般人が利用可能な範囲では)存在しないのかもしれません。差止めについてはサーバー会社が従えばよいだけのことですから、そちらはIT的には不可能にはできませんが、逆にそちらは法的に強制できるかの問題があるでしょう。


ビッグデータとアフィサイト

本日のインターネット法律研究部は前回に続き「インターネットの法的論点と実務対応 第3版(管理人も共著)」の執筆者の中からN先生のビッグデータとF先生のアフィリエイトサイト(リーチサイト)のご発表。前者は、従来のデータ処理は構造化されたデータで抽出されたデータの因果関係の重視、ビッグデータは非構造化データが中心で可能な限り全てのデータを扱い相関関係の重視と。国内の事例で建設機器メーカーが販売した建設機器のGPSデータから稼働状況を分析して与信管理や債権回収にも活用とか。後者は、アフィリエイトの商流はアフィリエイターと広告主とASPがあり、関係法令は景表法、健康増進法等、著作権法、不正競争防止法。H 30.6.15の課徴金納付命令が初めてアフィリエイトに言及。リーチサイトは例の漫画村云々。知的財産戦略本部の検討会議は結論が出ず宙ぶらりんとのこと…

eスポーツと景品表示法

昨日のインターネット法律研究部は、「Q&A インターネットの法的論点と実務対応 第3版(ぎょうせい)」の共同執筆者のうち管理人とS先生で担当部分を発表。管理人は「動画投稿サイトの法的論点」を、S先生は「eスポーツにおける懸賞」を主に語りました。特に後者は今なにかと話題ですが、そもそも景品表示法(の景品額規制)は「過大なオマケで粗悪品が売れて、真面目な競合製品が売れなくなる」という「悪貨が良貨を駆逐する」ことを防ぐ趣旨です。でも、eスポーツの「景品」とは何ぞや?…それは賞金。例えばストV大会で優勝者に100万円の賞金を出す場合、出場者はその賞金に釣られてストVを買うことになる。そういう理屈であり、実は、業界団体が認定するプロ制度が出来ましたが(ゲームごとにプロ認定するというのも仕方ないながら煩雑なことです)、プロであるほど景品表示法に違反する理屈なのです。経産省(世耕大臣とか)が何を言おうと、そういう構図であるのは間違いありません。一方、プロじゃない人は、高額賞金の大会が開催されたからといって、自分がその賞金を得るとは考えない。盛り上がっていて面白そうだからストVを買っても、それは賞金に釣られたわけではない。従って景品表示法に違反するわけではない…ここが議論が錯綜するところなのです。そもそもプロならOKとした場合、プロ認定が出来る立場はどのようにして正当化されるのか。理屈は全くありません。何しろ、カプコンが認定するなら、それはストVを売る目的が露骨であり「賞金が欲しければプロ認定を受けてストVを買って練習しろ」であって、あからさまに景品表示法に違反するでしょう。ではカプコンが関与しない者(団体)、となると誰でも当てはまるわけです。そのへんのカプコンと無関係の一般人が「俺がプロ認定をする。お前はストVのプロだ!」と言えば、それで通るのか。業界団体と何が違うのか…思うに、海外ではeスポーツは巨額の賞金で盛り上がっているわけで、管理人は詳しくは知りませんが、賞金はゲーム会社と無関係に出ているのでしょうか?そんなことはないと思います。直接または間接にゲーム会社から金が出ていると思いますがどうなのでしょう。むしろ当たり前に思えます。粗悪品云々は生活必需品だから必要な考え方であって、純粋な嗜好品・娯楽品には当てはまらないと思います。つまりそういう物には無用の規制ということです。


IEの終わり

そろそろIEをやめるよう、マイクロソフトが呼び掛けているというニュース。IE10以前なら当然でしょうが、IE11もダメということか。Edgeに移行してほしいとしても、Edge自体がChromeの軍門に下ったわけで、要するにウェブブラウザに人員を割きたくないということか。マイクロソフトは外国の一企業に過ぎず、IEでセキュリティ上の問題(例えば、ウェブページをハッキングされて顧客情報が流出したり)が発生しても、マイクロソフトに責任を問うことはできないでしょう。ITの世界では「成功のディレンマ」いや「最適化のディレンマ」とでも言うべきか、そういうことが短期間に起きるのです。


栄枯盛衰

ウェブブラウザのシェア、一昔前はIEが圧倒していたのですが、今はChromeが圧倒しています。MSはWin10でIEを捨てて(?)Edgeとかいうブラウザを推していますが、シェアはIEにも劣るゴミみたいなもの(しかも昨年末にChromeの軍門に下ったとか)。それにしてもIEの天下が崩れるとは、一昔前からすれば信じ難いことです。Windowsとのセットでシェアを取り、一旦シェアを取ったらもう覆せない。そういう単純な考えは通用しなかったということです。Googleという「外国の一私企業」が日本も世界も支配する、それが現実…


リツイート判決

本日のインターネット法律研究部は、知財高裁H30.4.25判決、これは無断アップ画像のリツイート者の発信者情報開示請求で、地裁では敗訴したが高裁で著作者人格権侵害で認めたという、業界内で話題になったもの。ツイッターの仕組みでトリミングがされてしまう件。損賠請求なら故意過失が必要だが差止請求なら不要。リツイートでメルアドが開示されるのは衝撃かもしれないが、ツイッターアカウントを持っていない人には規約は及ばない。最新IPアドレスは開示が認められなかったので、現実には削除要請のメールが来る程度か。現在上告中で結果が楽しみである。ツイッターに使うメルアドは自分に辿り着けない捨てアドにするのが無難?
なお当該画像はスズランの写真の模様。

今日の雑感

インターネットが発達しても、現実に集まって直接話をすることは十分な意義があります。みんなで顔を突き合わせて議論すれば、新たな発見や気付きが出てくるものです。


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