リツイート判決

本日のインターネット法律研究部は、知財高裁H30.4.25判決、これは無断アップ画像のリツイート者の発信者情報開示請求で、地裁では敗訴したが高裁で著作者人格権侵害で認めたという、業界内で話題になったもの。ツイッターの仕組みでトリミングがされてしまう件。損賠請求なら故意過失が必要だが差止請求なら不要。リツイートでメルアドが開示されるのは衝撃かもしれないが、ツイッターアカウントを持っていない人には規約は及ばない。最新IPアドレスは開示が認められなかったので、現実には削除要請のメールが来る程度か。現在上告中で結果が楽しみである。ツイッターに使うメルアドは自分に辿り着けない捨てアドにするのが無難?
なお当該画像はスズランの写真の模様。

今日の雑感

インターネットが発達しても、現実に集まって直接話をすることは十分な意義があります。みんなで顔を突き合わせて議論すれば、新たな発見や気付きが出てくるものです。

近時の雑感

今の若者はYouTubeをよく見るそうですね。当然スマホででしょう。

「最近の若者は漫画ばかり読んで!」→「最近の若者はテレビばかり見て!」→「最近の若者はゲームばかりして!」→「最近の若者はスマホばかりいじって!」

人は誰でも1日は24時間です。スマホを見る時間が増えれば、テレビを見る時間が減る。今やテレビは高齢者のメディアになっています。視聴率を上げるために番組はますます高齢者向けになります。するとますます若者はテレビを見なくなります。人口ピラミッド的にも、テレビはもう若者にとって関係ない存在、スマホこそ若者のメディアです。YouTuberなんて年輩者は職業とは認知しないでしょうが、ではテレビタレントは?…テレビタレントは職業で、YouTuberは職業ではない、そういう理屈はありません。


フィルターバブル

フィルターバブルという言葉があるようです。これは、インターネットで検索エンジンのアルゴリズムが閲覧者の見たくない情報を遮断する結果、閲覧者は見たい情報だけ見るようになる状況を指すものです。もともと人は見たい情報を見て見たくない情報を見ないものですが、インターネットによってそれが飛躍的に強化されたということです。以前は新聞で色々な事項の色々な意見を見ても、今はスマホで自分の興味がある事項の自分と同じ意見しか見ない。言い方を変えれば「囚われの聴衆」ではなくなった━━ただし商業広告を除いて━━ということです。

多くの人が広くフィルターバブルにかかれば、有意義な議論が成り立たなくなり、社会は混乱するでしょう。議論が成り立たなければ暴力しかないわけですから。しかし、フィルターバブルは人々が望む状況そのものであり(社会が自分と同じ見解で満ちていると感じるのは愉悦でしょう)、頭から否定するのは難しい。例えば、酒は害が大きいですが人は酒を飲みたがる。社会的に完全に禁止することは事実として出来ないので、社会全体としては「一病息災」としてほどほどに抑制するほかありません。また、フィルターバブルは現実にはどこまで「被害」が生じているのか、酒のように明白ではありません。これは酒よりも「栄養が偏った食事」のほうが適切な例えかもしれません。つまり偏食です。食べたい物だけ食べる、それは人の根源的な欲求です。それを他者が━━国家が━━禁じることができるでしょうか。栄養の均衡がとれた食事を推奨することはできても、栄養が偏った食事を禁じることはできないでしょう。偏食により病気になった人は、何らかの形で社会に負担を生じさせます。繰り返しになりますが、だからといって偏食を禁じる、つまり食事の内容を国家が指定することはできません。結局は、定期的に閲覧履歴を削除しましょう、といった広報以外のことは出来ないでしょう。なお管理人はとっくの昔から閲覧履歴を毎日削除しています。グーグルに規律されるのが嫌なのでね。外国の一私企業を信用するなどお人好しにも程があります(日本企業なら信用できるというのではありません。日本企業ならそれを相手とする訴訟提起が容易ということです。フェイスブックにライフログを蓄積させるとか、正気の沙汰ではありません)。


一般論として、対抗策

『「netgeek運営者情報に20万円の賞金出します!!」 悪質ニュースサイトに異例の“懸賞金” 「これは支援する」「面白い」と賛同も』という記事を読みました。なんと、たったの1時間で運営者情報(欲しい情報)が手に入ったと。管理人としては、netgeekという特定のウェブサイトについては論じません。ただ、一般論として「匿名で誹謗中傷をするウェブサイト」への対抗策として、これは大変興味深い試みと感心しました。もちろん、どのウェブサイトにも使えるというわけではありませんし、誰にでもできるというわけでもないでしょう。ただ、この対抗策が「上手くはまる」事案も多いと思います。名誉毀損が成立するのかどうか、この手法の是非、いずれも裁判で白黒つけるのです。これほど公明正大で正義に適う決着はありません。この手法が広まれば、法の支配が広まるということでもあります。


サイバー判例回顧

本日の東弁・消費者問題特別委員会・インターネット法律研究部共催の「2017年下半期〜18年上半期サイバー判例回顧」勉強会は、例年どおりM先生のご講演。GPS端末の令状なし無断設置その後、忘れられる権利その後、NHK受信料の負担、ヘイトスピーチ、なりすましとアイデンティティ権、リツイートを著作者人格権侵害と認めた事例、というのが主な判例。それ以外の刑事事件では、ながらスマホの交通事故、ネタ目的のいたずら、不正アクセス等のコンピュータ犯罪、知財侵害、その他のネットワーク利用犯罪。民事事件では、契約トラブル・消費者法(サクラサイトのポイント利用させ詐欺等)、知的財産(著作権ではFC2アダルトへの動画掲載が公衆送信権侵害等、不正競争その他、不法行為、情報漏洩ではベネッセ事件で精神的苦痛は認められない?、プロバイダに対する削除請求では歯科医がグーグルマップの口コミで名誉を侵害されたと訴えた件)、発信者情報開示請求事件などなど。相変わらず大変充実しております。

インターネットとAI

現代社会を変えた革命的技術の筆頭はインターネットでしょうが、次にAIが来ています。ただ、インターネットは「それを使って人間が何をするか」であるのに対し、AIは「AIが何をするか」に行き着きます。最終的には人間は不要になるのです。その最終は、そんなに遠くないでしょう。それこそ、あと20年、いや10年か…?


アップロード

片方は「サーバーにアップロードした」と言い、もう片方は「いや、アップロードされてない」と言う。つまり、IDやパスワードがわからないからログインできない、というのとは違うわけです。そういうのって、技術的にはどういう状況なんでしょうかねえ…


近時の困惑

2.4GのWi-FiルーターでWi-Fiが繋がらなくなる現象(色々やっても繋がらない、翌日には何事も無かったかのように繋がる)は、混信なのかなあ…5Gのルーターを買うべきか…


ネットトラブルに関する研修会

本日のインターネット法律研究部は、共催により、まず一般財団法人インターネット協会のS氏による「ネットトラブルに関する研修会」。SNSとは、相談事例、削除について、相談窓口、についてご講演。SNSは書いたことは全世界に公表しているという基本から、なりすましアカウントや顔写真掲載といった相談事例、そして削除手続。特にTwitterとLINEの削除申請の具体的手順、プロバイダ責任制限法。また、Yahoo!JAPANとGoogleの削除申請手順も。もちろん発信者情報開示請求はプロバイダ責任制限法で。Twitter社に対する裁判所からの情報開示命令が下された件とか。次に東弁消費者問題特別委員会のT弁護士による「ネットトラブルに関する研修会〜削除依頼・開示請求を中心に」と題して中学校の現場の実情とか。H28で都内中学校生徒でLINEはほぼ全員、Twitterがその半数くらい、Instagramがその半数くらい。子供はネットトラブルをネットで相談する。物を盗まれたとか、警察に行けよと。さて削除と発信者情報開示だが、請求は未成年でもできる。とはいっても実際には素人には難しいので弁護士が受任して…そこから先は管理人を含め弁護士には分かっている人が多いだろう。

今日の雑感

本日のインターネット法律研究部は「PC乗っ取り被害とその防衛」と題してY先生のご発表。件のKによるPC乗っ取り事件の生々しい現場の実態、その他数年前の航空機の行方不明事件等、色々と大変興味深い話、それもオフレコ前提、というものが盛り沢山でした。法整備でIOT機器製造業者に製造物責任を課す方向でというCCDSの話も。

調査の端緒

インターネットで得られる情報は、それを鵜呑みにするのは危険ですが、逆に言えば、「捜査(ならぬ調査)の端緒」とするにはこれほど便利なものはありません。どんな業界であれ、インターネットが無い時代の仕事のやり方は、もう想像もできないでしょう。


ICO

本日のインターネット法律研究部は「ICOを巡る法律問題」と題して、H先生のご発表。ICOとは、Initial Coin Offering の頭文字で、新規(仮想)通過公開(売出)のことです。前回の話も関係してきます。株式と違って自益権も共益権もなく、法規制も一般法のみ。何をやるかも発行者が自由に決められる。ほんと、何度聞いても詐欺であり、買う者の意識としてはネズミ講です。買う者はキャピタルゲインが目的であり、つまりは他人に高く売り抜けることしか考えてないわけです。今の日本の具体例としてCOMSAの規約(ホワイトペーパー)を分析しましたが、全く何も保証しない責任を負わないというもので、ある意味正直であり、そうすると詐欺ではないのかもしれません。いや、こう規定しておいて、記録に残らない勧誘においては美味しいことを言うのでしょう。そこが詐欺です。そして、その被害者に同情できないのです。消費者契約法はありますよ。でも詐欺は無くならないですよね。ICOに参加するなら、金を捨てたと思わないといけません。あらゆる意味で極限のハイリスクハイリターンですから。全財産を年末ジャンボ宝くじに突っ込むくらいの覚悟が必要でしょう。


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