インターネット法律研究部

本日の東弁インターネット研究部定例会は「山口・阿武町誤振込事件の控訴審に向けて」と題して、なんと当該事件の被告人の弁護を行なった山口県の先生を含めたご発表。アレは第一報を聞いた時、見せしめのために逮捕はあっても(実際には保護の趣旨か)、起訴はないだろうと思っていたら、起訴して、まあ有罪はないだろうと思っていたら有罪判決。一審は国選で控訴審は私選と。本件には某Youtuberも関係者(支援者)として登場する。更生の様子を流すというアイデア。決済代行業者から回収したという事実。一審判決はよくわからない理屈。検察官が頭が悪いから裁判官が理屈を考えてあげる。決済代行業者は(海外の)オンラインカジノ運営者から取り返すしかないが、そもそもこいつら一味同心なんじゃねーの、という管理人の推測。弁護士の業務に登場する決済代行業者にマトモなものはない。本件でもカジノは全く儲からなかったとのこと。そういう所に繋げているのだから…つまり善人で泣いている人はいないのだ。


近時の雑感

刑事告訴(告発)を受理してもらえても、起訴はなかなかしてもらえないのが現実。そもそも受理してもらえた時点で刑法的な意味での要件を満たしているのであり、かつ、証拠も十分であってもなのだ。それが起訴便宜主義(検察官の起訴裁量)なのである。


書評

ある本の書評で木谷明が人質司法について在官中に微温的対応だったと反省している。管理人は弁護士だからもちろん人質司法には批判的である。ただ、法律は既にある。昔からあるのだ。そして学説も昔からあるのだ。それは、今の条項で「人質」と言われないほどに被疑者の身柄を拘束せず在宅で扱うことが可能ということである。例えば権利保釈とか、容易に認めることが可能である。つまり個々の裁判官の運用の問題なのである。学説に沿えばよいだけなのだから、自分の頭で考える必要すらない。何のために憲法で身分が保障されているのか?


少年法改正

日弁連の少年法改正に関する研修。来年4月1日から成人年齢が18歳に引き下げられるところ、少年法もそれに応じた改正がなされます。ただ、少年事件自体は増加しているとか凶悪化しているとかはありません。あくまでも成人年齢の引下げに伴う改正です。なお本人推知報道の一部解除は起訴後。18歳19歳は成人になるが未だ可塑性があるとか。20歳で突如として可塑性が無くなるわけではないでしょう。どこかで線引きする必要があるわけで、日本人好みの緻密な中間的分類がなされることになりましたが、海外の18歳は普通の成人、日本の18歳は見習の成人、というのがどうなのか。逆に、成人年齢を21歳とか22歳とかに高めるという議論も可能のはずですが、誰も論じません。少年法改正でも18歳19歳は少年法の対象に留め置かれましたが、世間の人々が思っているほど18歳19歳が少年法で「保護」されるわけではありません。


今日の雑感

東京高裁が刑事部エリアについて来庁ルートを制限するとのこと。893の親分の控訴審判決でも出るのだろうか?


昨年4月1日施行で「覚せい剤取締法」が「覚醒剤取締法」になっていた…1年5ヶ月も知らなかったとは不覚。熟語の一部を平仮名にするという「醜日本語」は正していかなければならない。


今日の雑感

別件で逮捕勾留して、勾留満期に本件で再逮捕再勾留せずに本件で起訴は、理論的には可能でも実務的にはどうなんだろう。

安いと手を抜く?

「国選弁護は安いから私選弁護より手を抜かれる」というのは、実際に両方やる身からするとピンときません。手を抜く弁護士はどちらでも手を抜くでしょうし、手を抜かない弁護士はどちらでも手を抜かないでしょう。一般の方がイチゲンとして刑事弁護を依頼することになる弁護士は、まず両方やっています。日々の仕事の中で「この案件は安いから適当に」という意識の切り替えは考えにくい。まあ全国に数万人の弁護士がいますから、中にはそういう弁護士もいるのかもしれませんが…。この論は民事では「法テラスは安いから直接受任より手を抜かれる」と敷衍できるでしょうが、やはり実際に両方やる身からするとピンときません。弁護士として案件に手を抜いて依頼者に恨まれて良いことは何もないので、安いから手を抜くような弁護士はそもそも安い条件では受任しないでしょう(国選に登録せず法テラスと契約しない)。それか、事務員に丸投げか…(事務員に丸投げする弁護士は高かろうが安かろうが全ての案件を丸投げします)


今日の雑感

本日、東京高裁で控訴審の国選弁護の期日がありました。もともとの期日を1ヶ月延期した結果の日で、まだ緊急事態宣言は解除されていないが再延期はしないとのことで。身柄拘束中の被告人(無罪の推定が働いています!)の裁判は気軽に延期できるものではありません。地下鉄も人が少なく、各車両に10人もいないくらい。裁判所も薄暗くて人が少ない。法廷の傍聴席は半分くらいが「不使用」の貼紙がしてあり、傍聴人はいませんでした。


今日の雑感

警視庁から東京三会に、留置施設におけるコロナ感染拡大防止措置の協力依頼が来た。面会や差入れに際して検温と健康状態の確認をお願いするものだ。37.5度以上の熱があったり風邪の症状があったりした場合はマスクの着用をお願いすると。また、来署時に備え付けのアルコール消毒液による手指の消毒をお願いすると。3月も上旬から中旬、これは花粉症の最盛期である。しかし今年はおちおちクシャミもできない。花粉症の人(管理人含む)にとって特に厳しい春である。


今日の雑感

目的地の遠近は、直線距離よりも駅に近いかどうかの方が影響が大きい。ただしそれは東京の感覚であろうが…

一つしか

ほとんどの警察署には接見室が一つしかありません。せめてこの問題くらいは可及的速やかに解消することが、被疑者の人権の観点から必要です。

受付窓口

検察庁や裁判所は、1年365日1日24時間、必ず受け付ける窓口がある。当然で、警察署や消防署と同じことである。平日と同じ利便性ではないが…


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