CSR

本日のCSR研究会(今更ながら正式にはCSR普及協会公正競争研究会)は、令和元年改正独禁法と題してY先生のレジュメを使って議論。改正点は課徴金制度の見直し(算定基礎の拡大、軽減算定率の簡素化・割増算定率の拡大、課徴金減免制度の見直し)、弁護士・依頼者間秘匿特権への対応(規則で具体的内容が定められる予定)、その他の改正点(検査妨害罪における法人への罰金額引上げ等)。資料の散逸等により一部の売上額が不明な場合の課徴金の算定基礎(売上額等)の推計規定を整備、これは争われそう。でも推計不可だとゼロ円になるから公取的には必要なこと。繰り返し違反の適用対象の整理においては、違反事業者から違反事業を承継した事業者による違反行為についても割増し適用と。管理人的に気になる弁護士依頼者間の通信秘密保護制度では、弁護士が作成したヒアリングメモでも従業員などが自ら経験した事実関係を弁護士が聴取して、その従業員などの陳述書として取りまとめた資料、それのみの資料は保護の対象外と。弁護士が単に「セーフ」「アウト」と言うだけではダメで、これこれこういう理由でセーフ(アウト)だと言わないと法的助言ではないと。

今日の雑感

売り手市場で就職しやすいということは、企業から見れば人材が少ないということ。少ない人材の中から採用するため、買い手市場なら採用しなかった人も採用することになる。「同業他社」も同じ条件で採用しているのであり、「昔は良かった」などと言うことに意味が無いのは明らか。全ての企業が今の条件で戦っているのであり、今の条件で同業他社に勝つのが市場原理(における勝者)である。今の条件でどうやったら同業他社に勝てるか。同業他社も「同じ苦労をしている」ということを認識すれば、「昔は良かった」などという無意味な慨嘆は出てこなくなるであろう。


CSR

昨日のCSR勉強会は、独禁法に関する近時の事例について。「価格等の同等性条件と品揃えの同等性条件」は、要するにアマゾンが出品者に対して「楽天に出す商品はアマゾンにも出せ。楽天に出す値段以下の値段でな」と要求すること。これはアマゾン内部では悪いこととは少しも思っていないだろう。やれやれ。排他条件付取引では、有力な仲介サイトが販売業者に対して他の仲介サイトの利用を禁止する。まったくもって古典的な手法である。データの移転・開放等の在り方に関するオプションでは、.如璽燭粒示(利用者が事業者Aから自らの利用データをダウンロードし、事業者Bにアップロードする)、▲如璽燭猟樟椣榲勝瞥用者が事業者Aに指示して事業者Bにデータを複製させる)、データへのアクセス(利用者が事業者Bに指示して事業者Aのデータにアクセスさせる。事業者AはAPIを開放する)、という手法が考えられると。,牢浜人もブログの記事移転で実際に行なったこと。一般論として現実的なのはか。その他諸々。


CSR

昨日のCSR研究会は、独占禁止法の改正について。令和元年改正の内容は多岐に亘るが、課徴金制度の見直しが大きい。現行法は申請順位で形式的に区別し、1位は全額免除、2位は50%、3〜5位は30%、6位以下は無し(以上、調査開始前)であるのに対し、改正法は申請順位と協力度合いを組み合わせた上で「人数制限」を撤廃する。1位の全額免除は変わらないが、2位以下については、まず順位により2位は20%、3〜5位は10%、6位以下は5%とした上で、それぞれ協力度合いにより最大+40%となる。これにより、とにかく1分1秒でも早く申請さえすればその後に協力しなくても関係ないとか、人数制限いっぱいになったからもう申請しても意味が無いとか、そういうことがなくなるのである。また、事業者と弁護士との間で秘密に行われた通信の取扱いについて、基本的に弁護士とのやりとりは秘密にできる。社内弁護士が微妙だが「違反事実の発覚等を契機として、雇用主である事業者からの指示により指揮命令監督下になく、独立して法律事務を行うことが明らかな場合には」含めるとするが、現実にそんな弁護士はいないだろう。そもそも、少しでも雇用されていれば指揮命令監督下であるし、雇用されていないなら社内弁護士ではない。契機に独立とか、出来レースが見えている。


CSRセミナー

昨日の日本CSR普及協会セミナーは「競合他社とのM&A、事業提携における独禁法の注意点〜企業結合規制の基礎と独禁法リスクを踏まえたプロセスの進め方〜」と題して、まず若井先生が独占禁止法における企業結合規制の概要を講演し、次に板崎先生と渥美先生と若井先生がパネリストで花本先生が司会のパネルディスカッション。諸先生方は実際に公取や申請企業の代理人として活動してきているので、まさに実務の現場の、法律や規則には書いてない勘所が満載の充実した内容でした。管理人は勉強会(年一回のセミナーの準備という意味もあります)で聞いているところですが、それを3時間に過不足なくまとめて素晴らしい。こんなに充実した回も珍しいというほどのもの。まあM&Aや事業提携で公取と折衝する立場の人(企業の担当者や弁護士)はそんなに大勢いるわけではないでしょうから、広く一般に聴講すべきものではないのでしょうが…。しかし、ビジネス、それも大きなビジネスの最前線ではどのような議論が戦わされているのか、それを知ることはビジネス一般においても大変有意義なことです。


CSR

昨日のCSR研究会は、来たるセミナーの打合せ(まあ管理人はパネリストではないのですが…)。事業統合計画について、想定事例における課題と回答。〇業統合計画、これはA社とB社が共同新設分割により化学製品Xの共同生産会社Tを設立する。∋業提携計画、これはB社のQ工場でのXの生産を中止してA社のP工場に集約し、A社からB社へOEM供給を行う。それぞれ独占禁止法上の課題は何で対策はどうか。届出要否の検討(届出手続の対応)、AB両社の情報交換における留意点(クリーンチームの組成と運用)、その他諸々。例のガンジャンピングの問題も重要で、不当な取引制限は暗黙の合意でも足りるので先走って競争制限的な行為をとってしまわないよう注意が必要。クリーンチームは全案件で必要というわけではないが…。クリアランス(事前相談)は実務上はそこまではせずに外部の弁護士に相談し意見をもらって進めることが多いとか。よくある質問は「で、どの法律事務所に頼めばいいの?」というやつ。それを言っちゃあオシマイよ?(いや始まりか…)


CSR

本日のCSR勉強会は、前回に続き11月のセミナーの準備。企業結合審査対応の実務というテーマで、司会やパネリスト等を決め、具体的な発表内容を決めます(管理人は登壇しませんが…)。項目として、届出前相談、公取委に対する説明、ガン・ジャンピング、といったところ。どのような事例を使うか。そして聴講者にとって重要となろう問題解消措置は。ガン・ジャンピングは管理人は以前書きましたが、事前届出義務・待機義務に違反して、企業結合を前倒しして実行してしまうと、企業結合自体を否定されてしまう危険が生じます。検討段階においては誰をクリーンチームに入れるかが実務において重要となるでしょう。実務の担当者としては、ではどうやったらそういった危険を回避して問題なく企業結合を実現できるのか、という逆引きの観点からの説明が求められるでしょう。検討段階で知る情報を、横には遮断し、上には薄める。最も上はもちろん代表取締役ですが、ある意味薄まった(抽象化された)情報で判断しないといけないわけで、中小企業とは無縁の世界でしょう。

ELNシンポジウム

本日はELN第15回シンポジウム「スポーツと法」が開催されました(管理人は監事として総会における監査報告で関係しました)。チケットビジネスについてぴあの渡部選人氏、放映権ビジネスについてPLMの根岸友喜氏、アンブッシュマーケティングについて大橋先生、スポーツ仲裁について横山先生、がそれぞれ報告されました。大変興味深かったのは、根岸氏の報告による、米国MLBのTVによる視聴者の平均年齢が54歳であると。これは凄いことです。米国のTV番組はほぼ有料という事情があるとはいえ、もはや若者はTVを見ないのです。TVというメディアは世代を超えられないオールドメディアということ。今後、日本もこの傾向が強くなっていくでしょう。若者はTVもPCも持たず、持つのはスマホのみ。あと一世代以内に、メディアの勢力図は様変わりするでしょう。

CSR

本日のCSR勉強会で話題となった「ガン・ジャンピング」は、企業結合において規制の事前手続前にM&A契約を締結してしまうとか、事前手続の完了後でなければ許されない行為(情報共有等)を完了前にしてしまうとか、そういう「フライング」です。日本国内の独禁法への対策はできていても、海外諸国の競争法規制(ガイドライン含め)への対策を万全にするのは難しい。今般、公取が実態調査報告書を公表しました。

CSR

本日のCSR勉強会は、司法試験の経済法の過去問から、不振事業の抗弁の事案。化学製品Xは既に2社撤退し2社が赤字でやっている。工場の稼働率も5割4割。それでJVを作って9割だ、といけるかどうか。輸入品10%だが品質差はなく多頻度小口配送等のきめ細かな要求への対応で少し割高も受け入れているが、価格圧力はある状況。より競争制限的でない方法があるのかないのか。外資や産業再生機構に格安で売り払うとか。倒産村はJVを認めたがるが、公取は第三者という新規参入者を求めたがる。JVでいくかOEMでいくか…いずれにせよ、受験予備校の教えるように?気軽に違法と断じられるものではないと。場合分けや問題解消措置で悩みを見せないと…

CSR

本日のCSR研究会は「石油会社並行的企業結合」と題して、H先生のご発表。出光興産株式会社による昭和シェル石油株式会社の株式取得及びJXホールディングス株式会社による東燃ゼネラル石油株式会社の株式取得に関する審査結果について研究。JVのジクシスから、JX統合当事会社は25%の株式全部を手放させるが、出光統合当事会社は25%の株式のうち5%しか手放させない。これも全部手放させるのが明解であり、そうでないと競争的関係を構築できないようにも思えるが、もしそれをやったら競争に負けて消えてしまうという予想。そのため、20%持たせつつ協調的行動はとるな、というなんとも微妙な問題解消措置を講じさせるというのです。

裁量労働制

裁量労働制って、正確に運用するのは結構大変なのですが。それはそれとして、資本家がこれを推進する以上、労働者にとって不利なのは必然当然アタリマエ。残業時間が増えるか減るかとか議論すること自体が資本家の罠であって、増えるに決まっているわけですよ。労働者を安くコキ使うための裁量労働制ですから。裁量労働制で「輝く私!」などという広告塔、そういう類型に当てはまる人が、現に裁量労働制で働かされている人のうち、千人に一人、万人に一人、実在するかもしれません。で、それが何か?

現行法上の裁量労働制を正確に(つまり適法に)運用して初めて、それ以上のことを言う資格があるのです。


CSR

本日のCSR研究会は「新日鐵住金による日新製鋼の株式取得の事例〜公正取引委員会報道発表資料平成29年1月30日〜」と題して、K先生のご発表。溶融めっき鋼板のうち溶融亜鉛ーアルミニウムーマグネシウム合金めっき鋼板の件。市場画定は前者か後者か。後者に需要の代替性が無いから後者で画定といいつつ、前者の隣接市場からの競争圧力が限定的、つまり無いわけではない。結局は値段の問題であり、後者は高品質のため今の値段なら前者からの圧力は無いが、値上げをすれば仕方なく代替する可能性も出てくる。そんなことより問題解消措置の対象会社の神戸製鋼所は数%ずつ株式持合いではないか。10%未満は問題ないとする基準に対して、実務的感覚としては数%でも持ち合えば身内のような…さらにステンレス冷延鋼板についても議論しました。


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