CSR

本日のCSR勉強会は、公取の7月10日の「業務提携に関する検討会」報告書(概要)につき分析検討。業務提携は競争制限的な効果を持つ場合もある。企業結合と異なるとはいえ一定程度意思決定・行動が一体化する。水平的な業務提携と垂直的・混合的な業務提携とで区別して整理している。前者は、提携当事者間の競争が失われ一体化して行動することによる市場への影響の可能性、提携当事者以外の競争者との協調的な行動の可能性という2つの観点から検討する。さらに、業務提携の実施に伴って各提携当事者の事業活動を一方的又は相互に制約・拘束する取決めの検討をする。後者は、提携当事者間の関係に与える影響の評価をして、市場全体に与える影響の評価をする。さらに、前者と同様の取決めの評価の検討をする。協調行動の助長は、例えば、競争者の仕入値を直接は知ることができないが、上流と垂直的提携をしたらそこから知ることができる。その他諸々。ていうか市場シェアや価格の変動が激しい場合は競争者の行動を予測しにくく、協調的な行動が助長されにくい、と本文では書いているのに別添資料では予測しやすく助長されやすいと書いているのは誤記ではないかとの指摘。公表から4ヶ月以上経っているのに誰も指摘していないのか…?

CSR

本日のCSRは珍しく(?)弁護士会館で研究会。Y先生が令和元年改正独占禁止法の概要・課徴金制度の改正点、I先生が課徴金制度(リーニエンシー)制度の改正点、H先生が独禁法における弁護士・依頼者間通信秘密保護制度と、盛り沢山の内容。Y先生曰く、課徴金制度は昭和52年に始まったとか。算定基礎にグループ企業売上が追加された。特定非違反供給子会社等。違反者が外国事業者で日本の子会社は指示のままに値上げしたに過ぎない場合、子会社の売上で課徴金を。違反事業者の売上にかけるという原則を拡張した。下請の密接関連業務、見返りに受けた利益の追加も。その他、算定率の見直しも。H先生曰く、この秘密保護は独禁法だけに導入され、しかも法律ではなくガイドラインで。本制度の取扱いを求めたら、まず判別官に移管される。判別の結果、事業者へ還付か審査官へ移管か。秘匿特権は海外にはどこにもあり、日本だけにない。実態解明機能を損うとの懸念が強かった。そのため、新たな課徴金減免制度の利用にかかるものに限定。しかも文書のみ。現状は制度の概要が示された段階。対象物件は、相談文書、回答文書、法的意見記載の報告書、弁護士出席の社内会議の法的意見メモ。一次資料や他の規定・他の法令の法的意見は除外(批判は多いが)。要件として適切な保管がなされていることがある(誰でも見られるのは秘密じゃない)。社内弁護士は…指揮命令監督下になければなんて実務上あるのか。外国弁護士はそもそも提出命令の対象にしないとは国際カルテルであるけど日本弁護士は一旦提出なのに…。I先生曰く、一言で言えば調査官に協力すると。減額率、基本の割合は減ったが合意による加算が大きい。申請順位6位以下も。司法取引と似ている(司法取引は検察官からも持ちかけられるし、協議自体に応じないこともあるが)。司法取引は他人の話だが減免は自分の犯罪。しかしカルテルなら他人の犯罪でもある。公取は裁量に慣れていないかも。合意の中身は事業者は事実報告や資料提出等、公取は減免率の具体的な加算割合等。公取の考慮要素はガイドラインで示すが内容が曖昧で危うい?…その他諸々。

CSR

本日のCSR研究会(今更ながら正式にはCSR普及協会公正競争研究会)は、令和元年改正独禁法と題してY先生のレジュメを使って議論。改正点は課徴金制度の見直し(算定基礎の拡大、軽減算定率の簡素化・割増算定率の拡大、課徴金減免制度の見直し)、弁護士・依頼者間秘匿特権への対応(規則で具体的内容が定められる予定)、その他の改正点(検査妨害罪における法人への罰金額引上げ等)。資料の散逸等により一部の売上額が不明な場合の課徴金の算定基礎(売上額等)の推計規定を整備、これは争われそう。でも推計不可だとゼロ円になるから公取的には必要なこと。繰り返し違反の適用対象の整理においては、違反事業者から違反事業を承継した事業者による違反行為についても割増し適用と。管理人的に気になる弁護士依頼者間の通信秘密保護制度では、弁護士が作成したヒアリングメモでも従業員などが自ら経験した事実関係を弁護士が聴取して、その従業員などの陳述書として取りまとめた資料、それのみの資料は保護の対象外と。弁護士が単に「セーフ」「アウト」と言うだけではダメで、これこれこういう理由でセーフ(アウト)だと言わないと法的助言ではないと。

今日の雑感

売り手市場で就職しやすいということは、企業から見れば人材が少ないということ。少ない人材の中から採用するため、買い手市場なら採用しなかった人も採用することになる。「同業他社」も同じ条件で採用しているのであり、「昔は良かった」などと言うことに意味が無いのは明らか。全ての企業が今の条件で戦っているのであり、今の条件で同業他社に勝つのが市場原理(における勝者)である。今の条件でどうやったら同業他社に勝てるか。同業他社も「同じ苦労をしている」ということを認識すれば、「昔は良かった」などという無意味な慨嘆は出てこなくなるであろう。


CSR

昨日のCSR勉強会は、独禁法に関する近時の事例について。「価格等の同等性条件と品揃えの同等性条件」は、要するにアマゾンが出品者に対して「楽天に出す商品はアマゾンにも出せ。楽天に出す値段以下の値段でな」と要求すること。これはアマゾン内部では悪いこととは少しも思っていないだろう。やれやれ。排他条件付取引では、有力な仲介サイトが販売業者に対して他の仲介サイトの利用を禁止する。まったくもって古典的な手法である。データの移転・開放等の在り方に関するオプションでは、.如璽燭粒示(利用者が事業者Aから自らの利用データをダウンロードし、事業者Bにアップロードする)、▲如璽燭猟樟椣榲勝瞥用者が事業者Aに指示して事業者Bにデータを複製させる)、データへのアクセス(利用者が事業者Bに指示して事業者Aのデータにアクセスさせる。事業者AはAPIを開放する)、という手法が考えられると。,牢浜人もブログの記事移転で実際に行なったこと。一般論として現実的なのはか。その他諸々。


CSR

昨日のCSR研究会は、独占禁止法の改正について。令和元年改正の内容は多岐に亘るが、課徴金制度の見直しが大きい。現行法は申請順位で形式的に区別し、1位は全額免除、2位は50%、3〜5位は30%、6位以下は無し(以上、調査開始前)であるのに対し、改正法は申請順位と協力度合いを組み合わせた上で「人数制限」を撤廃する。1位の全額免除は変わらないが、2位以下については、まず順位により2位は20%、3〜5位は10%、6位以下は5%とした上で、それぞれ協力度合いにより最大+40%となる。これにより、とにかく1分1秒でも早く申請さえすればその後に協力しなくても関係ないとか、人数制限いっぱいになったからもう申請しても意味が無いとか、そういうことがなくなるのである。また、事業者と弁護士との間で秘密に行われた通信の取扱いについて、基本的に弁護士とのやりとりは秘密にできる。社内弁護士が微妙だが「違反事実の発覚等を契機として、雇用主である事業者からの指示により指揮命令監督下になく、独立して法律事務を行うことが明らかな場合には」含めるとするが、現実にそんな弁護士はいないだろう。そもそも、少しでも雇用されていれば指揮命令監督下であるし、雇用されていないなら社内弁護士ではない。契機に独立とか、出来レースが見えている。


CSRセミナー

昨日の日本CSR普及協会セミナーは「競合他社とのM&A、事業提携における独禁法の注意点〜企業結合規制の基礎と独禁法リスクを踏まえたプロセスの進め方〜」と題して、まず若井先生が独占禁止法における企業結合規制の概要を講演し、次に板崎先生と渥美先生と若井先生がパネリストで花本先生が司会のパネルディスカッション。諸先生方は実際に公取や申請企業の代理人として活動してきているので、まさに実務の現場の、法律や規則には書いてない勘所が満載の充実した内容でした。管理人は勉強会(年一回のセミナーの準備という意味もあります)で聞いているところですが、それを3時間に過不足なくまとめて素晴らしい。こんなに充実した回も珍しいというほどのもの。まあM&Aや事業提携で公取と折衝する立場の人(企業の担当者や弁護士)はそんなに大勢いるわけではないでしょうから、広く一般に聴講すべきものではないのでしょうが…。しかし、ビジネス、それも大きなビジネスの最前線ではどのような議論が戦わされているのか、それを知ることはビジネス一般においても大変有意義なことです。


CSR

昨日のCSR研究会は、来たるセミナーの打合せ(まあ管理人はパネリストではないのですが…)。事業統合計画について、想定事例における課題と回答。〇業統合計画、これはA社とB社が共同新設分割により化学製品Xの共同生産会社Tを設立する。∋業提携計画、これはB社のQ工場でのXの生産を中止してA社のP工場に集約し、A社からB社へOEM供給を行う。それぞれ独占禁止法上の課題は何で対策はどうか。届出要否の検討(届出手続の対応)、AB両社の情報交換における留意点(クリーンチームの組成と運用)、その他諸々。例のガンジャンピングの問題も重要で、不当な取引制限は暗黙の合意でも足りるので先走って競争制限的な行為をとってしまわないよう注意が必要。クリーンチームは全案件で必要というわけではないが…。クリアランス(事前相談)は実務上はそこまではせずに外部の弁護士に相談し意見をもらって進めることが多いとか。よくある質問は「で、どの法律事務所に頼めばいいの?」というやつ。それを言っちゃあオシマイよ?(いや始まりか…)


CSR

本日のCSR勉強会は、前回に続き11月のセミナーの準備。企業結合審査対応の実務というテーマで、司会やパネリスト等を決め、具体的な発表内容を決めます(管理人は登壇しませんが…)。項目として、届出前相談、公取委に対する説明、ガン・ジャンピング、といったところ。どのような事例を使うか。そして聴講者にとって重要となろう問題解消措置は。ガン・ジャンピングは管理人は以前書きましたが、事前届出義務・待機義務に違反して、企業結合を前倒しして実行してしまうと、企業結合自体を否定されてしまう危険が生じます。検討段階においては誰をクリーンチームに入れるかが実務において重要となるでしょう。実務の担当者としては、ではどうやったらそういった危険を回避して問題なく企業結合を実現できるのか、という逆引きの観点からの説明が求められるでしょう。検討段階で知る情報を、横には遮断し、上には薄める。最も上はもちろん代表取締役ですが、ある意味薄まった(抽象化された)情報で判断しないといけないわけで、中小企業とは無縁の世界でしょう。

ELNシンポジウム

本日はELN第15回シンポジウム「スポーツと法」が開催されました(管理人は監事として総会における監査報告で関係しました)。チケットビジネスについてぴあの渡部選人氏、放映権ビジネスについてPLMの根岸友喜氏、アンブッシュマーケティングについて大橋先生、スポーツ仲裁について横山先生、がそれぞれ報告されました。大変興味深かったのは、根岸氏の報告による、米国MLBのTVによる視聴者の平均年齢が54歳であると。これは凄いことです。米国のTV番組はほぼ有料という事情があるとはいえ、もはや若者はTVを見ないのです。TVというメディアは世代を超えられないオールドメディアということ。今後、日本もこの傾向が強くなっていくでしょう。若者はTVもPCも持たず、持つのはスマホのみ。あと一世代以内に、メディアの勢力図は様変わりするでしょう。

CSR

本日のCSR勉強会で話題となった「ガン・ジャンピング」は、企業結合において規制の事前手続前にM&A契約を締結してしまうとか、事前手続の完了後でなければ許されない行為(情報共有等)を完了前にしてしまうとか、そういう「フライング」です。日本国内の独禁法への対策はできていても、海外諸国の競争法規制(ガイドライン含め)への対策を万全にするのは難しい。今般、公取が実態調査報告書を公表しました。

CSR

本日のCSR勉強会は、司法試験の経済法の過去問から、不振事業の抗弁の事案。化学製品Xは既に2社撤退し2社が赤字でやっている。工場の稼働率も5割4割。それでJVを作って9割だ、といけるかどうか。輸入品10%だが品質差はなく多頻度小口配送等のきめ細かな要求への対応で少し割高も受け入れているが、価格圧力はある状況。より競争制限的でない方法があるのかないのか。外資や産業再生機構に格安で売り払うとか。倒産村はJVを認めたがるが、公取は第三者という新規参入者を求めたがる。JVでいくかOEMでいくか…いずれにせよ、受験予備校の教えるように?気軽に違法と断じられるものではないと。場合分けや問題解消措置で悩みを見せないと…

CSR

本日のCSR研究会は「石油会社並行的企業結合」と題して、H先生のご発表。出光興産株式会社による昭和シェル石油株式会社の株式取得及びJXホールディングス株式会社による東燃ゼネラル石油株式会社の株式取得に関する審査結果について研究。JVのジクシスから、JX統合当事会社は25%の株式全部を手放させるが、出光統合当事会社は25%の株式のうち5%しか手放させない。これも全部手放させるのが明解であり、そうでないと競争的関係を構築できないようにも思えるが、もしそれをやったら競争に負けて消えてしまうという予想。そのため、20%持たせつつ協調的行動はとるな、というなんとも微妙な問題解消措置を講じさせるというのです。


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