CSR

昨日のCSR研究会は今後のセミナーに向けての準備と討議。その前に、去る2/10に日弁連主催シンポが福岡で行われ、そのパネルディスカッションの題が「これからの有事の実務対応と、平時からの備え」というもの。いったいどこの尖閣諸島なんだ…と思わせておいて(?)内容は昨年の独禁法改正によって入札談合やカルテル等の不当な取引制限に関する公取委による調査がどう変わっていくのか、会社としてどの点に注意していけばいいのか、という話。これは公正取引828号で小幡・泉水・向・菅久の四氏の座談会の内容を踏まえたものでもある。やはり弁護士として気になるのは弁護士・依頼者秘匿特権であり、これまでは無かったが、これからはある。とは言っても運用はどうなるのか。そもそも見られないのかというとそうではなく、判別官が見て判断し、事業者へ還付されるか審査官に移管されるか。還付される場合は(当然ながら)見た内容は審査官と共有されないと理解する。しかし座談会によると「この判別官の判断を争えるかということについては…判別官の判断自体は、処分性はないけれども、それが審査官に行くと、事業者がその文書の還付請求をし、公取委がそれを却下するという処分をすると、その処分は争える」としています。わかりにくいですが…審査官が見てしまった後に審査官が見なかった前提の処理は審査体を更新しなければ無理だと思うのですが…刑事裁判の違法収集証拠のようにできるんですかね。


芸能人と独占禁止法

本日のELN研究会は「芸能事務所と芸能人の所属契約・取引慣行に関する独占禁止法上の考え方〜『人材と競争政策に関する検討会』報告書を踏まえて〜」と題して、公正取引委員会経済取引局経済調査室長のK氏によるご講演。テーマがドンピシャなのか、いつもより聴講者がずっと多い。ELNはそういう関係の企業会員が多いからなあ。報告書のポイント?発注者が共同して競争を制限する行為。複数の発注者が共同して、?フリーランスに対する報酬・取引条件を取り決めることや、?フリーランスの移籍・転職を制限する内容を取り決めることは、原則、独占禁止法上問題となる(不当な取引制限)。ポイント?取引の相手方に不当に不利益を与える行為。優越的地位にある発注者が課す制限・義務等が、フリーランスに対し不当に不利益を与える場合は、独占禁止法上問題となり得る(優越的地位の濫用)。独占禁止法関係は管理人はCSR研究会の方でも取り扱っているし、共著の担当部分として執筆したこともあるので、よくわかることである。過大な競業避止義務など、典型的なものである。ポイント?他の発注者が人材を確保できなくさせる行為。ポイント?取引の相手方を欺き、自らと取引させる行為。ポイント?競争政策上望ましくない行為。例の吉本の、フリーランスへの発注を全て口頭で行うこと。なお、専属契約だとフリーではないぞという指摘については、個人事業主という意味で使っていると(やれやれ…)。ポイントの他に、芸能分野において独占禁止法上問題となり得る行為の想定例?芸能人の移籍・独立に関するものとして、契約終了後は一定期間芸能活動を行えない旨の義務(契約終了後の競業避止義務)を課す、移籍・独立した場合には芸能活動を妨害する旨示唆する。一般論としては競業避止義務は安心して営業秘密を開示できるので競争促進的だが、芸能人が芸能活動を行う上で芸能事務所の営業秘密を用いることはそもそも想定されるか疑問。音事協のモデル契約書で明示的に禁じる。想定例?契約満了時に芸能人が契約更新を拒否する場合でも、所属事務所のみの判断により、契約を一方的に更新できる旨の条項を契約に盛り込み、これを行使すること(優越的地位の濫用等)。過少投資を避けるため許容される側面はあるが、殊更にこの業界だけ認められるわけではない。バランス問題。真に必要性・合理性が認められる範囲に限定される。スポーツの世界にある移籍金ではどうなのか。ただし不均衡の要素に何を盛り込むのかは個別具体的な判断となる。前所属事務所が、出演先(テレビ局等)や移籍先に圧力をかけ、独立・移籍した芸能人の芸能活動を妨害すること(取引妨害、取引拒絶等)。某ジャニーズ事務所への口頭注意。想定例?所属事務所が、芸能人と十分な協議を行わずに一方的に著しく低い報酬での取引を要請すること。芸能人に属する各種権利(氏名肖像権、芸能活動に伴う知的財産権等)を芸能事務所に譲渡・帰属させているにもかかわらず、当該権利への対価を支払わないこと。契約等を書面によらず口頭で行うこと(直ちに独占禁止法上問題となるものではないものの、望ましくない)。その他諸々。ところで渋谷駅の新南口って、そこもう渋谷駅じゃないよね…

CSR

昨日のCSR勉強会は、昨年の改正独禁法の概要(課徴金制度の改正と、弁護士・依頼者間の通信秘密保護制度の導入)について討議。改正前は、事業者において違反(被疑)事実を把握して課徴金減免申請を行うかの検討をした後、様式1号の提出(FAX)で減免規則2条に基づく仮の順位の通知と10営業日程度で様式2号作成のための事実確認・資料収集。そして、様式2号の提出(書面・口頭)で課徴金減免管理官から追加事実確認となる。この様式2号のところが、改正で、順位が1位の場合はほぼ同じだが2位以下の場合は協議開始の申出となる。この協議が、公取委は減算率の提示(特定割合)をして、事業者は協力内容の提示をする。証拠の評価・減算率の話合いが行われる。そこで、証拠評価の方法や減算率への反映の仕方が問題となるが、それが絶対評価なのか。例えば、カルテルの話合いの証拠となるメールログが、それ自体の証拠価値は高いとしても、既に他社から提出されていた場合はどう評価するのか。メールは送信者と受信者で同じ内容のログを持っている。立入検査(臨検捜索差押)前の2位以降の事業者の対応はなかなか微妙で難しい。

今日の雑感

株式会社は所有と経営の分離がキモであり、所有と経営が一致する「オーナー社長」は株式会社制度としては例外的な形態なのである。従業員が取締役になるのも然り。雇用契約による従業員は労働者であり、委任契約による取締役は使用者(側)である。労働者が「叩き上げて」使用者になるのは、株式会社制度としては例外的な流れなのである。


CSR

本日のCSR勉強会は、公取の7月10日の「業務提携に関する検討会」報告書(概要)につき分析検討。業務提携は競争制限的な効果を持つ場合もある。企業結合と異なるとはいえ一定程度意思決定・行動が一体化する。水平的な業務提携と垂直的・混合的な業務提携とで区別して整理している。前者は、提携当事者間の競争が失われ一体化して行動することによる市場への影響の可能性、提携当事者以外の競争者との協調的な行動の可能性という2つの観点から検討する。さらに、業務提携の実施に伴って各提携当事者の事業活動を一方的又は相互に制約・拘束する取決めの検討をする。後者は、提携当事者間の関係に与える影響の評価をして、市場全体に与える影響の評価をする。さらに、前者と同様の取決めの評価の検討をする。協調行動の助長は、例えば、競争者の仕入値を直接は知ることができないが、上流と垂直的提携をしたらそこから知ることができる。その他諸々。ていうか市場シェアや価格の変動が激しい場合は競争者の行動を予測しにくく、協調的な行動が助長されにくい、と本文では書いているのに別添資料では予測しやすく助長されやすいと書いているのは誤記ではないかとの指摘。公表から4ヶ月以上経っているのに誰も指摘していないのか…?

CSR

本日のCSRは珍しく(?)弁護士会館で研究会。Y先生が令和元年改正独占禁止法の概要・課徴金制度の改正点、I先生が課徴金制度(リーニエンシー)制度の改正点、H先生が独禁法における弁護士・依頼者間通信秘密保護制度と、盛り沢山の内容。Y先生曰く、課徴金制度は昭和52年に始まったとか。算定基礎にグループ企業売上が追加された。特定非違反供給子会社等。違反者が外国事業者で日本の子会社は指示のままに値上げしたに過ぎない場合、子会社の売上で課徴金を。違反事業者の売上にかけるという原則を拡張した。下請の密接関連業務、見返りに受けた利益の追加も。その他、算定率の見直しも。H先生曰く、この秘密保護は独禁法だけに導入され、しかも法律ではなくガイドラインで。本制度の取扱いを求めたら、まず判別官に移管される。判別の結果、事業者へ還付か審査官へ移管か。秘匿特権は海外にはどこにもあり、日本だけにない。実態解明機能を損うとの懸念が強かった。そのため、新たな課徴金減免制度の利用にかかるものに限定。しかも文書のみ。現状は制度の概要が示された段階。対象物件は、相談文書、回答文書、法的意見記載の報告書、弁護士出席の社内会議の法的意見メモ。一次資料や他の規定・他の法令の法的意見は除外(批判は多いが)。要件として適切な保管がなされていることがある(誰でも見られるのは秘密じゃない)。社内弁護士は…指揮命令監督下になければなんて実務上あるのか。外国弁護士はそもそも提出命令の対象にしないとは国際カルテルであるけど日本弁護士は一旦提出なのに…。I先生曰く、一言で言えば調査官に協力すると。減額率、基本の割合は減ったが合意による加算が大きい。申請順位6位以下も。司法取引と似ている(司法取引は検察官からも持ちかけられるし、協議自体に応じないこともあるが)。司法取引は他人の話だが減免は自分の犯罪。しかしカルテルなら他人の犯罪でもある。公取は裁量に慣れていないかも。合意の中身は事業者は事実報告や資料提出等、公取は減免率の具体的な加算割合等。公取の考慮要素はガイドラインで示すが内容が曖昧で危うい?…その他諸々。

CSR

本日のCSR研究会(今更ながら正式にはCSR普及協会公正競争研究会)は、令和元年改正独禁法と題してY先生のレジュメを使って議論。改正点は課徴金制度の見直し(算定基礎の拡大、軽減算定率の簡素化・割増算定率の拡大、課徴金減免制度の見直し)、弁護士・依頼者間秘匿特権への対応(規則で具体的内容が定められる予定)、その他の改正点(検査妨害罪における法人への罰金額引上げ等)。資料の散逸等により一部の売上額が不明な場合の課徴金の算定基礎(売上額等)の推計規定を整備、これは争われそう。でも推計不可だとゼロ円になるから公取的には必要なこと。繰り返し違反の適用対象の整理においては、違反事業者から違反事業を承継した事業者による違反行為についても割増し適用と。管理人的に気になる弁護士依頼者間の通信秘密保護制度では、弁護士が作成したヒアリングメモでも従業員などが自ら経験した事実関係を弁護士が聴取して、その従業員などの陳述書として取りまとめた資料、それのみの資料は保護の対象外と。弁護士が単に「セーフ」「アウト」と言うだけではダメで、これこれこういう理由でセーフ(アウト)だと言わないと法的助言ではないと。

今日の雑感

売り手市場で就職しやすいということは、企業から見れば人材が少ないということ。少ない人材の中から採用するため、買い手市場なら採用しなかった人も採用することになる。「同業他社」も同じ条件で採用しているのであり、「昔は良かった」などと言うことに意味が無いのは明らか。全ての企業が今の条件で戦っているのであり、今の条件で同業他社に勝つのが市場原理(における勝者)である。今の条件でどうやったら同業他社に勝てるか。同業他社も「同じ苦労をしている」ということを認識すれば、「昔は良かった」などという無意味な慨嘆は出てこなくなるであろう。


CSR

昨日のCSR勉強会は、独禁法に関する近時の事例について。「価格等の同等性条件と品揃えの同等性条件」は、要するにアマゾンが出品者に対して「楽天に出す商品はアマゾンにも出せ。楽天に出す値段以下の値段でな」と要求すること。これはアマゾン内部では悪いこととは少しも思っていないだろう。やれやれ。排他条件付取引では、有力な仲介サイトが販売業者に対して他の仲介サイトの利用を禁止する。まったくもって古典的な手法である。データの移転・開放等の在り方に関するオプションでは、.如璽燭粒示(利用者が事業者Aから自らの利用データをダウンロードし、事業者Bにアップロードする)、▲如璽燭猟樟椣榲勝瞥用者が事業者Aに指示して事業者Bにデータを複製させる)、データへのアクセス(利用者が事業者Bに指示して事業者Aのデータにアクセスさせる。事業者AはAPIを開放する)、という手法が考えられると。,牢浜人もブログの記事移転で実際に行なったこと。一般論として現実的なのはか。その他諸々。


CSR

昨日のCSR研究会は、独占禁止法の改正について。令和元年改正の内容は多岐に亘るが、課徴金制度の見直しが大きい。現行法は申請順位で形式的に区別し、1位は全額免除、2位は50%、3〜5位は30%、6位以下は無し(以上、調査開始前)であるのに対し、改正法は申請順位と協力度合いを組み合わせた上で「人数制限」を撤廃する。1位の全額免除は変わらないが、2位以下については、まず順位により2位は20%、3〜5位は10%、6位以下は5%とした上で、それぞれ協力度合いにより最大+40%となる。これにより、とにかく1分1秒でも早く申請さえすればその後に協力しなくても関係ないとか、人数制限いっぱいになったからもう申請しても意味が無いとか、そういうことがなくなるのである。また、事業者と弁護士との間で秘密に行われた通信の取扱いについて、基本的に弁護士とのやりとりは秘密にできる。社内弁護士が微妙だが「違反事実の発覚等を契機として、雇用主である事業者からの指示により指揮命令監督下になく、独立して法律事務を行うことが明らかな場合には」含めるとするが、現実にそんな弁護士はいないだろう。そもそも、少しでも雇用されていれば指揮命令監督下であるし、雇用されていないなら社内弁護士ではない。契機に独立とか、出来レースが見えている。


CSRセミナー

昨日の日本CSR普及協会セミナーは「競合他社とのM&A、事業提携における独禁法の注意点〜企業結合規制の基礎と独禁法リスクを踏まえたプロセスの進め方〜」と題して、まず若井先生が独占禁止法における企業結合規制の概要を講演し、次に板崎先生と渥美先生と若井先生がパネリストで花本先生が司会のパネルディスカッション。諸先生方は実際に公取や申請企業の代理人として活動してきているので、まさに実務の現場の、法律や規則には書いてない勘所が満載の充実した内容でした。管理人は勉強会(年一回のセミナーの準備という意味もあります)で聞いているところですが、それを3時間に過不足なくまとめて素晴らしい。こんなに充実した回も珍しいというほどのもの。まあM&Aや事業提携で公取と折衝する立場の人(企業の担当者や弁護士)はそんなに大勢いるわけではないでしょうから、広く一般に聴講すべきものではないのでしょうが…。しかし、ビジネス、それも大きなビジネスの最前線ではどのような議論が戦わされているのか、それを知ることはビジネス一般においても大変有意義なことです。


CSR

昨日のCSR研究会は、来たるセミナーの打合せ(まあ管理人はパネリストではないのですが…)。事業統合計画について、想定事例における課題と回答。〇業統合計画、これはA社とB社が共同新設分割により化学製品Xの共同生産会社Tを設立する。∋業提携計画、これはB社のQ工場でのXの生産を中止してA社のP工場に集約し、A社からB社へOEM供給を行う。それぞれ独占禁止法上の課題は何で対策はどうか。届出要否の検討(届出手続の対応)、AB両社の情報交換における留意点(クリーンチームの組成と運用)、その他諸々。例のガンジャンピングの問題も重要で、不当な取引制限は暗黙の合意でも足りるので先走って競争制限的な行為をとってしまわないよう注意が必要。クリーンチームは全案件で必要というわけではないが…。クリアランス(事前相談)は実務上はそこまではせずに外部の弁護士に相談し意見をもらって進めることが多いとか。よくある質問は「で、どの法律事務所に頼めばいいの?」というやつ。それを言っちゃあオシマイよ?(いや始まりか…)


CSR

本日のCSR勉強会は、前回に続き11月のセミナーの準備。企業結合審査対応の実務というテーマで、司会やパネリスト等を決め、具体的な発表内容を決めます(管理人は登壇しませんが…)。項目として、届出前相談、公取委に対する説明、ガン・ジャンピング、といったところ。どのような事例を使うか。そして聴講者にとって重要となろう問題解消措置は。ガン・ジャンピングは管理人は以前書きましたが、事前届出義務・待機義務に違反して、企業結合を前倒しして実行してしまうと、企業結合自体を否定されてしまう危険が生じます。検討段階においては誰をクリーンチームに入れるかが実務において重要となるでしょう。実務の担当者としては、ではどうやったらそういった危険を回避して問題なく企業結合を実現できるのか、という逆引きの観点からの説明が求められるでしょう。検討段階で知る情報を、横には遮断し、上には薄める。最も上はもちろん代表取締役ですが、ある意味薄まった(抽象化された)情報で判断しないといけないわけで、中小企業とは無縁の世界でしょう。


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