第3局

昨日から本日にかけて打たれた名人戦第3局、黒番張、白番芝野。

この碁は凄い。本当に凄い。この打ち回しは芝野、世界最強だ。あまりにも格の違いを感じさせる。やはり第1局は若さが出ただけだった。こんな地の無い打ち方、苑田じゃあるまいし、こんな打ち方で一局を纏められるのは天才としか言いようがない。もう張だから負けるんじゃない。こんな打ち方されたら誰でも勝てない。この一局で芝野は完全に覚醒した。ただの勝ちじゃない、ここから芝野最強伝説が始まる勝ちだ。


こんなに面白い 世界の囲碁ルール

「こんなに面白い 世界の囲碁ルール」(著:王メイエン、発行:日本棋院、2019年4月30日)は大変有意義な本である。定石や布石の本はすぐに古びるが、これは囲碁ルールの問題の所在を明確にした「基本書」として広く長く活用されるべきである。管理人は既にメイエンの囲碁ルールの解説を他の本で読んでいるが、新たに知った事実も多い。中国が囲碁ルールの統一を目指しているという覇権主義、これは問題である。これに対するメイエンの「囲碁ルールは既に統一されている」という指摘は鋭い。AIによりコミは6目半が唯一の正解であり最終結論であるが、それにできない中国ルールは致命的な欠陥を備えている。これは管理人が以前書いたことだが、メイエンも指摘している。収後というかつて行われていた処理を復活させれば対応できるとのことだが、なぜ中国はそうしないのか。また、中国ルールは半コウで違和感が有り過ぎる。ダメが1目(コウ材)になるとか、あまりにも異常である。セキの目の部分を数えられることは知っていたが、セキを壊す場所も数えるとは、違和感どころの騒ぎではない。応氏ルールなどそれ用の碁笥碁石が無いと使えないとか論外だが、日本ルールも取らず3目が既に平成元年に解消されていることは周知すべきである(管理人は知っていたが、知らない人も多いだろう)。その他、等子比空とか棋譜として無茶苦茶だし、公空細分とかおよそ実用ということを無視している。時間で目数を買うとか絶句ものだ。そもそもスーパーコウルールで同形反復系の無勝負は全て論理的に明快に解決するが、それ人間が対応できるか?…人間が楽しむための囲碁なのである。巨大墓場のことなど考える必要は無い。


第2局

昨日から本日にかけて打たれた名人戦第2局、黒番芝野・白番張。

この碁は芝野のシノギが素晴らしい。白の勢力圏で分断されてかなり危険に見えたが、まず一つをシノいで、張がもう一つに狙いをつけても芝野は平気で地を稼ぎ、猛攻も読み切っていたか、もう一つも鮮やかにシノいだ。黒中押し勝ち。

芝野、これだよこれ。前局は張の幻惑手に幻惑され若さを露呈してしまったが、今局は落ち着いて打てた。落ち着いて打てば張は芝野の敵ではないということは、前局の二日目午前までで示されていた。これで張は井山に王座戦でやられたのを思い出す、地元での惨敗。これは芝野が4-1奪取で未成年名人の誕生だ(井山の名人奪取も「負け勝ち勝ち勝ち勝ち」だった)。数年で芝野一強時代になってもおかしくない。くどいようだが芝野は格が違う。幻惑手に幻惑されなければ誰にも負けないのだ。井山のような敢えて危ない手を打つ「遊び」をしない落ち着いた精神が素晴らしい。


今日の雑感

今日は弁護士会の某派閥のウン十周年の囲碁会。5人ずつ4チームの団体戦だが、一段差一子の置碁なので親睦である。なのにデジタル対局時計で40分切れ負けだが。七段で出されたら置かせ碁で本当に苦しい。それでも五子白番で中押し勝ち、定先白番で中押し勝ち、三子白番で8目負け。チームはジャンケン運もあり2位で良かった。なお、小池プロと木部プロが来た。

第1局

いよいよ昨日から始まった満天下大注目の名人戦、張栩名人39歳に挑戦するのは芝野虎丸19歳。握って、黒番張・白番芝野。

この碁はねえ…芝野がねえ…二日目の午前頃までは完璧な打ち回しで「こりゃ4-0奪取間違いなし」と思わせた。芝野はAIを研究しないと言うが碁の内容はAI的で、淡々と打ってさらさらと大模様で優勢になる。それがねえ…芝野勝勢つまり張敗勢から張の勝負手にまんまと引っ掛かって、アレヨアレヨと言う間に劣勢そして敗勢に。黒6目半勝ち。

芝野…これは井山も通った道なんだよ。敗勢から無理矢理逆転するという、勝負師張の真骨頂。井山はこれを吸収した。芝野は「普通の碁」しか打ってきていない。普通に打って普通に勝ってきただけ。二日制の碁で命懸けの「泥を啜っても、石に噛り付いても、何が何でも勝つ!」という執念による勝負手、これは張的であり井山的であるが、芝野的ではない。芝野はAIを見ず、相手を見ず、ただ碁の真理のみを見る。呉清源や小林光一の系譜だ。しかしそれで勝つには不動心が必要である。勝負手に動揺しない精神力が。「異常な碁」への対応力が。それがまだまだ。強ければ優勢までは持って行ける。しかし強いだけでは勝ちまでは行けないのだ。勝負手を真正面から受け止めたりせず(これを受け止めるのが井山なのだが)、ヒラリと躱して淡々と勝つ。そこまでの域に達していない。それが出来るようになった時、芝野は世界最強だろう。


羽根直樹が碁聖を奪取

許投了ーーー羽根が碁聖に!

いやこれ一旦井山より歳下に行ったタイトルが井山より歳上に戻るのは時計の針を戻すこと、許の責任は大きいで。羽根はほんと何年振りだよというくらい久しぶりに(7年前に山下名人に挑戦した時以来?その直前に碁聖戦で井山にサンタテ奪取されてるが…)出てきて、それで井山からサンタテ奪取した絶好調の許を倒すとは…一旦もう終わりかと思わせてから43歳で若手筆頭からタイトル奪取とか強すぎだろjk…


許家元が天元戦の挑戦者に等

昨日打たれた天元戦挑戦者決定トーナメント決勝戦、許vs佐田は、許が勝って井山裕太天元への挑戦を決めた。佐田は伊田と大変紛らわしい名前だが、最も厳しい山から志田→本木→張栩→河野と勝ったので文句なしの決勝進出だった。方や許は、孫→羽根→坂井→余と勝ったがまあまあといったところか。許は王座戦でも準決勝まで勝ち上がっており、棋聖戦Sリーグでも単独首位にいる。これは2年前の一力と同じく17番勝負になる可能性も大である。2年前はまだ井山の全盛期で一力を10タコ完封したが、今回は厳しい。井山一強時代に幕を下ろしたのが許であり、井山にとって最強の挑戦者だからだ。管理人は常々「小四冠は若手に譲れ」と言っているが、王座と天元はあと1期ずつだけ保持してから譲ってほしいのが正直なところだ。井山は昨年の王座天元は日程がきつすぎて青息吐息の防衛だったが今年は休養十分な状態で年末年始を迎えるわけで、新嫁の面目にかけても許を倒す必要がある。頑張れ井山、来年からは楽していいからw

若人が昇れば年配は降るのが世の摂理。許に負けた坂井秀至が9/1から長期休場し医師をやるとのこと。事実上の引退だろう。平成13年に28歳で飛付五段でプロ入り、平成22年に張栩から碁聖を奪取したのが本当に素晴らしい。チクンにプロでは通用しないと言われていたからな…張栩からしたらよりによってそんな棋士(医師?)に名誉称号を阻止されて痛恨の極みだろう。坂井は管理人の中高の後輩(1学年下)だが、高校囲碁選手権の団体戦の選手を決める部内リーグの対局以外で部に出てきたことはない。以前も書いたようにまさにヒカルの碁の塔矢アキラ状態(強さが)だったからな…何もかも懐かしい。


第4局

本日打たれた碁聖戦第4局、黒番許・白番羽根。

この碁は何なのか…羽根の出来が悪すぎる。まるで管理人がAIに何も考えずに打ってどこもかしこも失敗して大差で負けるような碁だ。個々の場所を言っても仕方ない。白の一団を取られた時点でオワである。こんなに弱いのか…と驚き呆れるくらい、まるで指導碁である。許の本格的な力強い打ち回しに、羽根の地をカスって逃げ切ろうというセコい打ち方が全く通用しなかった。やはり時計の針を巻き戻してはいけないのだ。世代交代がなされた以上、今さら逆行させてはいけない。許もようやくそれがわかってきたか。井山より若い棋士で初めて防衛するのは許で決まりだろう。


芝野虎丸が名人戦の挑戦者に!

本日打たれた名人戦挑戦者決定プレーオフ、芝野が河野に半目勝ち!…つまり、ついに井山に続く19歳挑戦者である。奇しくも相手は同じ張栩。これで名人奪取すれば、井山でさえ成し得なかった未成年名人である。今後二度とないであろう未成年大三冠(の一角)、虎丸が「持っている」棋士なら必ずやモノにしてくれる。張栩は井山の踏み台になり、また虎丸の踏み台にもなってくれる。その日を待とうではないか!!


プレーオフ…

昨日、名人リーグ最終一斉対局が行われた。結果、井山だけ負け…河野と芝野でプレーオフ。あーあ…井山だけ勝ちを期待していたのに真逆である。たったの1年ちょっと前は「井山は遠くなりにけり」だったのに、今や「井山時代は遠くなりにけり」である。それにしても河野と芝野のプレーオフは本因坊戦に続いてのこと(本因坊戦はプレーオフ初戦は羽根と河野だったので羽根は今回も井山に勝って絡んできている…)。ここで芝野が勝って名人を獲ったら、芝野は覚えやすい平成11年(1999年)11月9日生まれだから、井山でさえ成し得なかった「未成年名人」の誕生である。奇しくも相手は井山と同じ張栩。井山超えは一力も許も出来ていないが芝野虎丸なら出来るかもしれない。しかし空気を読まない「第五の男」河野臨。どうなることやら…


第3局

本日打たれた碁聖戦第3局、黒番羽根・白番許。
この碁は許が本来の冷静さと力強さを取り戻した。右上隅を大きく荒した時点で事実上のオワだろう。白中押し勝ち。
許の安定した勝ち碁である。これが毎局できれば許時代が訪れる。羽根もタイトルに挑戦している以上、夏休みなどない。実質的にイーブンに近い。次局が楽しみである。

井山再婚

井山裕太(30)が再婚したとのニュース、お相手は一般女性(25)とのこと。これで井山も精神的に落ち着いて、名人奪還に集中できるでしょう。それは新嫁への最高の贈り物になると思います。三度目の七冠…は目指さなくていい。小四冠は若手に譲って新嫁との時間を作るべし。


今日の雑感

ダメな時は悪手ばかり打ってしまう。でもそれが実力なんだよね。考えた手に限って悪いし。まあ趣味だから仕方ないけど…


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