棋士序列

一力が碁聖を奪取したことを記念して、久し振りに棋士序列を算定する。大三冠=4p(挑戦者2p)、小四冠=2p(挑戦者1p)、棋聖Sリーグ=1.2p、名人/本因坊リーグ=1p、棋聖Aリーグ=0.6p、とする。七冠完全制覇で20p、これが「理論値」である。なお挑戦者にもポイントを割り振ることとした。結果は実に興味深いものだったのである…

1位:12.0p(井山裕太)

2位: 9.0p(芝野虎丸)

3位: 5.2p(一力遼)

4位: 3.2p(許家元)

5位: 2.2p(河野臨)

6位: 2.0p(羽根直樹)

7位: 1.6p(山下敬吾)

8位: 1.2p(高尾紳路・村川大介・張栩)

この下は11位の0.6pに蘇・余・志田・本木・依田・安達・大西の7人が並んでいる。今回の結果、平成四天王+河野、井山+村川、令和三羽烏、の「ビッグネーム」10人がそのままピッタリ過不足なくトップテンであった。この10人は全員タイトル経験ありだし全盛期の強さ的にはタイトルを持っていて当然である。その下の7人がロートル依田を除きタイトル経験なしなのと対照的で、はっきりここに強さの差、断崖がある。10人の順序も、井山━令和三羽烏━河野━平成四天王&村川、と全く「乱れ」が無い。トリプルリーガーは井山・一力・許の3人。令和三羽烏内の順序は、芝野>一力>許、となるが芝野は(驚くべきことに)棋聖Bリーグなのである。まあわずか半年やそこらでいきなり三冠になったため棋聖リーグ内での上昇がまだ追いついてないだけで、パラマスで挑戦者になってもおかしくない、というかなる可能性は高いと思うが。河野は常に「平成四天王の次」だったが平成四天王が勤続疲労で下落していくのに対して河野は疲労が無いものの、令和三羽烏が来た以上このまま天元三連覇だけで終わるとすれば悲劇の棋士である。管理人としては村川が井山の弟分のくせにこの若さで下落していくのは許さん。もっと踏ん張れ。あと伊田はどこいった?結城みたいに20歳代後半で下落してんじゃねーぞ!


一力遼が碁聖を奪取!

羽根投了!一力、3-0で碁聖に!!素晴らしい!!!

いやー右上のキリに中央のノゾキを打たれて負けかと思いきや、左辺を攻められてオワかと思いきや、鮮やかなシノギを用意していたとは…用意していたんだよな?前局に続き、シノギの一力の覚醒か。これで一力もタイトルホルダーの仲間入り。河北新報は社を挙げて祝っていいぞ。ここからが本当の令和三羽烏だ。令和三羽烏で井山からタイトルを奪ってないのは一力だけだからな?次にすることはわかってるな?


井山裕太が名人戦の挑戦者に!

昨日打たれた名人リーグ最終一斉対局の結果、井山が全勝で挑戦権を獲得した。名人リーグを全勝で挑戦、これは井山が初めて名人を奪取した時と同じである。井山と芝野、三冠ずつ持つ「今の覇者」と「次の覇者」の頂上決戦第二幕。かつてチクンは本因坊戦で光一の三年連続挑戦に防衛しても、自分が上じゃない光一のタイトルに挑戦し奪取して初めてそうだと言った。井山も芝野に挑戦して奪取して初めて「俺が上だ」となる。この名人戦はまさに満天下大注目である。

その他のメンツは一力は井山に負けただけの7-1で、合格ではあるが芝野の域には達していない(芝野は井山に勝って挑戦したのだ)。碁聖戦は必ず次で決めろ。河野と許は4-4で、河野は河野らしい結果だが、許は井山と一力に負けたのは許すが河野と山下に負けたのは許さん。令和三羽烏からもう脱落するのは絶対に許さんぞ。羽根と山下とカンケツが3-5でカンケツが陥落、羽根と山下は年齢的によく踏ん張ったというところ、カンケツは実力以上の結果だが(ていうかこのメンツでカンケツだけ場違い感がプンプンある中で勝つとは予想外)。張栩と村川が2-6で陥落、張栩は頂点が高かったほど落ちるのは早い、村川はコロナ後の絶不調が酷過ぎる、芝野の呪いか…


第2局

本日打たれた碁聖戦第2局、黒番一力・白番羽根。

この碁は、序盤は一力がまあまあだったと思うが、中盤から一力が後退して、右辺白が先手生きの時点でオワでしょ。ところが大寄せの右上でなぜか羽根が間違えて、その後右辺上の黒をシノギきったことで黒中押し勝ち。

一力、こんな勝ち方ではダメだ…と言いたいところだが、碁打ちにとって勝利こそが唯一の活力源である。「持ってる」棋士は相手が勝手に転んで間違えるので負け碁も勝つ。そう芝野のことだ。今局で一力にもそれがあることが明らかになった。もう3-0奪取しかない。「井山+令和三羽烏」の4人以外はタイトルを持つことが許されない時代なんだよ!


第1局

いよいよ本日から始まった碁聖戦、羽根直樹碁聖に挑戦するのは一力遼。握って、黒番羽根・白番一力。

この碁は…白の名局だろう。ていうか、白の打ち回しはAIを見るようだ。黒が地を取って白はなんとなく不完全な厚みとも何とも言いようのないぼんやりした状況。むしろ黒が白の薄みを突くくらい。人間(ヘボアマ)の目には黒が局面を主導しているように見えた。それが手数が進むにつれ、白の厚さがジワジワと効いてくる。とは言っても羽根も精神力では碁界屈指、形勢は微細なまま終局、白1目半勝ち。

一力、この打ち回しは素晴らしい。この打ち回しで自信を持って細かく勝つ、本物である。こんなぼんやりした展開を最後まで打ち切ってまとめ切るのはAI流だ。一力は「令和三羽烏の芝野は平成四天王の張に4-1で勝った。同じくロートルの羽根には3-0で勝たなければならない、いや勝って当然なのだ」と思っているだろう。素晴らしい。上に立つ者は「自分の碁を打てば必ず勝てる」という自信が必要だ。このまま3-0で奪取し、平成四天王を完全に終わらせなければならない。もう時代は令和なのだから…


文裕が本因坊を防衛!9連覇!!

文裕の4目半勝ち!秀格に並ぶ本因坊9連覇!!4-1で終了は2局流れたからぴったり!!!

いやーまじでこの碁は前局の芝野の呪いの発動だけが心配だった。大ヨセの段階で井山優勢、でも芝野は淡々とヨセるだけ。これだよこれ。これが芝野の呪いモード発動なんだ。何も仕掛けないのに相手が勝手にコケる。村川には2局たて続けに通じたが、井山は1局でシノいだ。若くしてヒールの風格・芝野に対し、名人リーグを全勝で駆け抜けて挑戦するんだ井山。小四冠は若手に譲り、二代目・七番勝負の鬼になれ!!


第4局

ツーカサァ、井山っち、二日目午前までは完璧な打ち回しだったのにさぁ、なんでそこから崩れるかな…素直に下辺の種石を取っとけば終わってたんだよなあ。それなのにセコく右上をヨセた。厚みを捨てて現ナマを取ったのだ。優勢の側の態度じゃない。井山の再覚醒を上回る芝野の呪い。十段戦の2局、そして今局。芝野は何もしてない。劣勢でも淡々と打ち続けただけ。そしたら相手が勝手にコケた。芝野が勝負手を打って仕掛けたわけじゃない。それで相手が勝手にコケる。南海権左かよ。呪いだけで天下を取る気か虎丸ぅ…井山っち4連敗も有り得る。これで気持ちを切り替えられたら芝野並やで。


一力遼が碁聖戦の挑戦者に

昨日打たれた碁聖戦挑戦者決定トーナメント決勝戦、張栩vs一力遼は、一力の4目半勝ち。羽根直樹碁聖への挑戦者は一力と決まった。一力は過去5回もタイトル挑戦して相手は全て井山で全てボコられた。それでちょっと休んでたら芝野が三冠に…この悔しさは本人でないとわかるまい。自ら勤務する会社が主催する棋戦で優勝すればおそらく(ていうか間違いなく)史上初だろう。そもそも一力は前期の挑戦者決定トーナメント決勝戦で羽根に負けて、羽根が許からタイトル奪取した。許は当然一力が来ると思ってたら(文字どおり?)虚を突かれたのだ。名人戦で張というロートルが1期だけ挟まったのと同じく、碁聖戦で羽根というロートルが1期だけ挟まったということになるだろうし、なるべきでもある。ロートルは意地を見せるも長続きはしないし、すべきでもない。令和三羽烏でタイトル未経験は一力のみ。奪取は至上命題である。なお村川はロートルじゃないんだから長続きして良かったんやで…


芝野虎丸が十段奪取、三冠に

いやーこの碁はひどいひどすぎる。芝野が見損じして大石がコウで取られたのに対し、村川が見損じして一手パスのような「手入れ」をして負け。なんじゃこりゃ…これがタイトル戦かよ。芝野は井山と並ぶ三冠で二強時代を現出。芝野一強になっていく過程は見えた。しかしこんな碁を打っているようじゃあダメだ。やはり井山が芝野を倒して、芝野にはさらに覚醒してもらわなければならない。とにもかくにも井山の史上最年少記録をいとも簡単に更新していく芝野は「持っている」のは間違いない。20歳で三冠は尋常ではない。勝負の世界は結果が全てである。村川は結局タイトル防衛はできない棋士だったということか…


第3局

昨日から本日にかけて打たれた本因坊戦第3局、黒番芝野・白番井山。

なんだろうこの局…まず右上の変化は白が無理気味に思ったが結局無事に生きて、左上の変化も白が無理気味に思ったが結局黒を取った。もちろん黒の大石の方は生きだが…そこまでが初日。まあでも中央の白一団も弱いし、黒もこれからと思った二日目、白が種石を取って黒が外勢を得た。あとは右辺の黒模様がどうなるかだが、ごちゃごちゃやって白が右下隅を取った…これでは白が良い流れだろう。黒は左下隅三々に突入したが、なんと驚いたことにここから黒がのたうち回って全滅するとは…白中押し勝ち。

井山、強い。強過ぎる。なんだこれは。虎丸相手に横綱相撲を3連続。最後はまた井山の火遊びの悪癖が出たかと思ってヒヤリとしたが、読み切りだったか。やはり村川とは違う。素晴らしい。井山は火遊びしなければ最強なのだ。この盤石の打ち方を極めてほしい。もちろん次で決めるんだ。第1局第2局が中止になっても全く問題なかったぜ、むしろ1局分余ったよ、とするんだ。それが井山なんだよね。


第3局

再開された十段戦第3局、黒番村川・白番芝野。

なんだろうこの碁…中盤までは互角〜黒少し良しくらいで進んでいたように思うが(とは言っても午前の終わりに右辺のオサエを打たず右上のカドに行って右辺をオシ出られたのは理解不能。下辺を生きたのは流石だが…)、なんか黒が突然右辺白を無理矢理取りに行って失敗して終わった、という感じ。白中押し勝ち。

うーん、やっぱ村川では芝野に敵わないか…そもそも大技で決めてやろうという心がけが良くない。それは劣勢の時の選択肢であって、しかも劣勢の時でもあまり推奨されない選択肢であって、互角以上の形勢の時に採るものではない。その誘惑に勝たない限り碁も勝てない。芝野がこれで復調したらどうすんだよ井山の弟分として役割を果たしてない。やっぱ井山だな、うん。


第2局

昨日から本日にかけて打たれた本因坊戦第2局、黒番井山・白番芝野。

この碁はヘボアマにはよくわからないが、序盤からなんとなく黒の言い分が通り続けているような感じがした。例えば右辺のカタツキとか、あれで白が低くケイマにスベって黒が手厚く上にマゲる形になるとは…もちろん右下隅で白は一手得をしたのはわかるが、右辺のコスミ受けが必要なら得は一手分は無さそう。封じ手の時点では、そこから中央左下の黒と右辺の黒が繋がったら、よく言われる「弱い石どうしが繋がる」のであり碁は終わりという形だろう。と思っていたら封じ手以降でむしろ黒は左辺の白を攻めて、なんと白を切断して白が生きざるを得なくして、なんとなんと先手で(実質的に)繋がった理屈である。それで黒は上辺の大きな立ちに回り、白が生きるために仕方なく受けたところで、なんとなんとなんと黒は右下隅を生きてしまった。マジか…黒は攻められているのかと思ったのに…これでは白は黒に猛攻をかけられないとおかしい理屈だが、なんとなんとなんとなんと、黒は左辺のカケツギに回ったぞ…!?その2手後に白は投了。黒中押勝ち。

いやこれ、白は一局を通じて何もできていないのでは…黒は横綱相撲ってレベルじゃねーぞ…井山はさらなる覚醒をとげたらしい。井山は昔から「打ちたい手を打つ」を貫いてきた。今でも井山の主観ではそうだろう。しかし芝野が台頭するまで、井山は(少なくとも日本では)勝つ手「とは異なる」打ちたい手を打ってきた。なぜなら、世界一の剛腕により劣勢になっても強引に逆転できるからだ。どんな手を打っても勝てるので、わかりやすい最善手である「勝つ手」ではなく「面白い手」を「打ちたい」と感じたのだ。勝つ手で淡々と勝っても面白くないから。高尾山も村川も一力もそうやって倒してきた。しかし芝野が台頭し、王座を奪われ、対戦成績も1-5で迎えた本因坊戦。井山は初めて心の底から「勝ちたい」と思った。それまでも勝ちたいと思っていたが、その中身は違う。次の覇者である芝野を迎えて、井山は「勝つ手」を「打ちたい」と感じるようになった。井山の心の中で「勝つ手」と「打ちたい手」が完全に一致したのだ。これまでは「勝つ手はこれだが、自分は別のこっちの手を打ちたい」だったのに。この「完全一致」こそ井山ファンが待ち望んでいたこと。ありがとう芝野。


工夫

NHK杯の対局場の設営状況や解説者と司会者の位置状況。コロナ感染の危険を最小化した上で対局と解説を実現する工夫がなされた。これだよこれ。あらゆる業種でこういう工夫をしていくしかないし、工夫ができないなら廃業するほかないのである。



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