今日の雑感

指導碁、たとえ三面打ちでも二子で勝つのは大変嬉しい。しかも序盤で勝手読みで苦しくして(これはいつものことだが)、それでも粘り強く打ち進めて細碁で3目勝ち。もちろんヨセでも失着緩着ありありだが、狙いを持ってその狙いのコウを徹底的に争って勝ち。

第1局

いよいよ始まった満天下大注目の王座戦、井山裕太王座に挑戦するのは芝野虎丸名人。握って、黒番芝野・白番井山。

これは凄い碁である。両者手厚く打ち進め、井山に間違いが無かった。それなのに虎丸が上回り、黒半目勝ち。

とんでもないことである。明らかに虎丸は井山より強い。井山は許には勝てても虎丸には勝てない。王座失冠は間違いない。するとそれだけで3冠と2冠である。天元も失えば2冠と2冠である。棋聖も失えば…悪く考えれば何とでもなるが、許・虎丸・おそらく一力、の令和三羽烏に、三十路の井山は勝てない。ついに井山がタダの九段になる日が来るのか…井山は張栩にその苦しさを味わわせたが、自らは虎丸にそれを味わわせられる。張栩が名誉称号を得られないのと同様、井山も天元王座は名誉称号が無理なのか…いやいやここから踏ん張るのが井山と期待したい!


第2局

本日打たれた天元戦第2局、黒番井山・白番許。

この碁は久しぶりに井山の完勝だ。終盤はアマには複雑で危なっかしく見えたが、井山は少しも危なく感じてなかったか。これで許に苦手意識を持たずに済んだ。とにかくこの年末の天元戦と王座戦、許と虎丸、この二正面作戦を突破すれば名誉称号が二つ増えるのだ。名誉称号三つまでは小林光一も達成している。名誉称号五つとなれば、これを突破する可能性があるのは虎丸くらいだろう。新嫁の評判を落とすわけにはいかない。踏ん張れ井山!!


第1局

いよいよ始まった天元戦第1局、井山裕太天元に挑戦するのは許家元。握って、黒番許・白番井山。

最初からAI手の応酬で若々し過ぎる碁、3年半前までは世界のどこにもなかった碁だ。基本的に許が手厚く打ち進め、ヨセ勝負かと思いきや井山の右上隅の出がソッポだった。これが利かずに中央の大石に猛攻をかけられ、なんとなんと、ついに無条件で死んだ。コウですらないとはアワレ…黒中押し勝ち。

井山衰えたり。ヨセを手抜きされて大石頓死とは、アマみたいである。許の手厚く打って一瞬の隙でブッ潰す剛腕は猛獣か。猛獣は始終暴れているわけではない。暴れるのは一瞬、「殺れる!」と見たその一瞬で勝負が決まるのである。その一瞬の隙、それが全盛期の井山には無かったが、今はある。昨年の碁聖戦で許にサンタテを食らったところで、井山の衰えは決定的だった。天元王座の二正面作戦の見通しは暗い。


本因坊リーグ開幕

史上初の十代名人の興奮も覚めやらぬ中、明日、本因坊リーグが開幕する。そこで恒例の結果予想。序列1位:河野臨、2位:芝野虎丸、3位:羽根直樹、4位:山下敬吾、5位:許家元・一力遼・志田達哉・横塚力、という面子である。この中から誰が挑戦者となり、どの4人が陥落するのか。

挑戦:芝野

残留:河野・羽根・一力

陥落:山下・許・志田・横塚

挑戦者は虎丸、君に決めた!…ていうか覚醒した虎丸以外に挑戦者は有り得ない。虎丸は既に七冠制覇を視野に入れているのだ。残留は今年調子を上げていた河野、許から碁聖を奪取した復活の羽根、令和三羽烏の筆頭のはずがいつの間にか置いて行かれそうで覚悟が違ってきた棋聖Aリーグダントツの一力とする。陥落は、志田と横塚は他の6人と比べて明らかに格下で衆目の一致するところ。ていうか横塚って誰よ。全部伊田が悪い。伊田は明らかに結婚して弱くなっている。山下は棋聖Sリーグ陥落でそろそろ年齢的にきつくなってきた。許は碁聖を失って調子を落としている。天元戦がどうなるかだが、長期間好調を保てるタイプではなさそうだ。いずれにせよ令和三羽烏が揃ったリーグ、志田が張栩で横塚が高尾だったら究極のリーグだったのにと惜しまれるが、楽しみであることに変わりはない。


芝野虎丸が史上初の十代名人に!!

張栩投了ーーーー虎丸名人誕生ーーーー19歳10ヶ月、井山も成し得なかった大偉業!!

そもそも十代で公式七大タイトル自体が史上初、それも大三冠の一角の名人で。未成年名人は未来永劫不可能であろう。もう虎丸しか見えない。井山は平成までだった。令和は虎丸の時代だ。虎丸は一力や許よりはるかに器が大きい。年末には二冠、来年には四冠くらいになってもおかしくない。再来年に七冠制覇も有り得る。張栩が史上初の五冠になり、わずか3年やそこらで井山が五冠になった。それがもっと早い展開で起きるのだ。時代が大きく動いた。もう井山は過去の人だ。虎丸は明確に井山を超えたのだから。井山より若い棋士の大三冠の一角はこれが初めて。それがこんなに劇的な形とは。繰り返す。もう虎丸しか見えない。


ダイレクト三々

「AI時代の新定石 ダイレクト三々 基本と応用(著:一力遼、発行:日本棋院)」を買って読んだ。ダイレクト三々はアマとしても打ってはみたいが使い方がわからず、この本は時宜を得ている。全239頁のうち62頁(26%!)もアマの碁を使って説明しているのは減点材料だが(ダイレクト三々の使い方を知るのにアマの碁など見たくない)、基本的には良書である。辺の星から2路寄せてハサむのが基本とは、教えてもらわなければわからない(教えてもらったからといってその後を上手く打てるわけではないが…)。それにしても囲碁は3年半前から、AIの社会への浸透の先頭打者、象徴になっている。昔からの囲碁ファンとしては本当に驚くべきことである。


指導碁は為になる

2子局は、序盤の当たり前のような手に対する小技でアッと言う間に苦しくなる。プロの芸は本当に凄い。それを丁寧に解説してもらえる。もちろん正着も教えてもらえる。部分的にはよくある形でも、正着は異なる。アマは複雑な定石など覚えても、定石以前の基本が出来てないので仕方ない。これはどんな業界・分野にも当てはまる。例えば法律でも、素人はググって細かい条文は知っていても、法律の基本がわかっていないのでトンチンカンな結論を出したりする。弁護士からしたら、えっ、そこで間違うの?…という初歩的基本的な誤解が多いのである。
ところで例の小学生で終戦を迎えた沖縄出身の先生曰く、沖縄戦で県民の4分の1が死んだと。80万人のうち20万人。同級生の8割〜9割が母子家庭、母子家庭が当たり前だったと。父親は戦争に駆り出されて死んだ。そういう先生が、基地問題は辺野古しかない。鳩ぽっぽのバカのせいでと言うのは重い。何の根拠もなく徳之島とか。住民が激怒するのも当然。鳩ぽっぽがいなければとっくの昔に解決していた。空軍はトップ、海兵隊は愚連隊。嘉手納を使わせることはない。仲井真に禅譲してもらえないから翁長は変節した、デニーには何の考えもなくオール沖縄に乗っているだけ。

第4局

昨日から本日にかけて打たれた名人戦第4局、黒番芝野・白番張。

10までコゲイマや一間が多い「古風な」立ち上がり。しかし左下から今風に。右上の白ハネた時に黒ツケが才能を感じさせるが研究されている手のような気がする。それにしても白は中央2子より右上隅を優先した方が良かったのではないか…左辺で黒がサラサラと打ってケイマを利かして右辺に手を戻したところで、ひょっとしたらもう黒勝ちの碁なのかもしれない。恐ろしい。封じ手以降の右辺のシノギは白これ以上の贅沢は言えないと思うのだが小さいのだろう。そして下辺の一線ワタリで右下隅を召し取る貪欲さ。ひょっとしたらもうこれで碁は終わりなのかもしれない。恐ろしい恐ろしい。その後はコウが絡んで見かけはややこしいが、上辺を荒らせば左下は生還させても十分とは明る過ぎる。恐ろしい恐ろしい恐ろしい。最後はこれで終わりとは…黒中押勝ち。

やはりやはり芝野は完全に覚醒している。張が全く手も足も出ない完勝。サラサラと打って勝ち。これはまさにAI的な碁だ。つまり碁の真理に近いのだ。碁打ちには「勝負師」「求道者」「芸術家」の3種類がいる。勝負師の典型はチクンや張栩や井山だ。坂田もそうだろう。勝つことにしか価値を見出さない。対局前には対局者を徹底研究、劣勢になれば勝負手を連発し、投了が遅い。求道者の典型は呉清源であり、小林光一や羽根直樹もそうだ。芝野もここに入る。勝利は碁の真理を追求すれば自然とついてくる。対局者が誰かは関係ない、勝負手は相手の間違いを期待する邪道、投了は並。芝野は呉清源の後継者になる。一力・許・芝野で「令和三羽烏」かと思っていたが、こりゃ井山の次にピンで時代を築く器だ。なお芸術家は気分屋で感覚と美しい手を好む。対局相手は時に気にする程度、勝負手は打たず、投了は早い。自分の悪手で打つ気をなくす。勝ち碁は本当に素晴らしい芸術品だが、負け碁はポカでゴミのような棋譜になる。藤沢秀行、大竹、武宮、依田、結城あたりである。


珍形

昨夜の竜星戦決勝は、一力の勝勢から上野の勝勢になって、最後は「両コウ付きのカケ目生き」というとんでもない珍形で一力が大石をシノいだ(上野がうっかりした)ことにより一力の勝ちとなった模様。早碁だから仕方ないが、一力も一旦勝勢になってから敗勢に追い込まれるとはまだまだである。上野も強い女流の典型で、布石が下手だが戦いに強い。でもそれで天下を取れば誰も文句を言えないのだ。そもそも女流がなぜ天下を取れないのか不思議で、中韓含め未だに、女流で男性トップ棋士と同等の高みに到達したのはゼイノイしかいない。上野はその可能性があるかもしれないが、今は中韓に少なくとも一人ずつ、その可能性が十分にある女流がいるからなあ。

早碁に強い棋士が本当に強い棋士、とはかつてよしおが言ったことだが、やはり棋譜の価値からして、長碁こそが本領だと思う。強いというのは相手に勝てばよいのだが、その思考だと時間で目数を買うことにも違和感が無いのだろう。刹那的な話である。良い棋譜はAIが作るから、人間はただ興行として短時間で殴り合うだけ、というのではねえ…でも勝負の世界は「勝てば官軍」であり、何事も勝って初めて言う資格があるのである。


芝野虎丸が王座戦の挑戦者に

昨日打たれた王座戦挑戦者決定トーナメント決勝戦は、許家元vs芝野虎丸。結果は芝野の中押し勝ち。井山裕太王座への挑戦者は芝野虎丸と決まった。やはり芝野は覚醒している。この碁も劣勢に見えたが、芝野の内心はどうだったか。これで井山は天元戦で許、王座戦で芝野、と最も若くて生きがいい挑戦者に二正面作戦となった。名誉称号獲得のため非常に高い壁である。そう、井山から見ても壁なのだ。ここが「井山を若手が超える」分水嶺になりそうな予感がする。若手はみんな、井山を見て育っている。井山の「打ちたい所に打つ」これはAI前の姿勢である。今はAIで「正解」が出ている以上、今の最強者は「正しい手を打つ」しか有り得ず、若手はそれを目指している。その成果が表れるのがここではないか。なお一力遼、この2人に後れを取るわけにはいかない。棋聖戦パラマストーナメントの行方も目を離せない。


第3局

昨日から本日にかけて打たれた名人戦第3局、黒番張、白番芝野。

この碁は凄い。本当に凄い。この打ち回しは芝野、世界最強だ。あまりにも格の違いを感じさせる。やはり第1局は若さが出ただけだった。こんな地の無い打ち方、苑田じゃあるまいし、こんな打ち方で一局を纏められるのは天才としか言いようがない。もう張だから負けるんじゃない。こんな打ち方されたら誰でも勝てない。この一局で芝野は完全に覚醒した。ただの勝ちじゃない、ここから芝野最強伝説が始まる勝ちだ。


こんなに面白い 世界の囲碁ルール

「こんなに面白い 世界の囲碁ルール」(著:王メイエン、発行:日本棋院、2019年4月30日)は大変有意義な本である。定石や布石の本はすぐに古びるが、これは囲碁ルールの問題の所在を明確にした「基本書」として広く長く活用されるべきである。管理人は既にメイエンの囲碁ルールの解説を他の本で読んでいるが、新たに知った事実も多い。中国が囲碁ルールの統一を目指しているという覇権主義、これは問題である。これに対するメイエンの「囲碁ルールは既に統一されている」という指摘は鋭い。AIによりコミは6目半が唯一の正解であり最終結論であるが、それにできない中国ルールは致命的な欠陥を備えている。これは管理人が以前書いたことだが、メイエンも指摘している。収後というかつて行われていた処理を復活させれば対応できるとのことだが、なぜ中国はそうしないのか。また、中国ルールは半コウで違和感が有り過ぎる。ダメが1目(コウ材)になるとか、あまりにも異常である。セキの目の部分を数えられることは知っていたが、セキを壊す場所も数えるとは、違和感どころの騒ぎではない。応氏ルールなどそれ用の碁笥碁石が無いと使えないとか論外だが、日本ルールも取らず3目が既に平成元年に解消されていることは周知すべきである(管理人は知っていたが、知らない人も多いだろう)。その他、等子比空とか棋譜として無茶苦茶だし、公空細分とかおよそ実用ということを無視している。時間で目数を買うとか絶句ものだ。そもそもスーパーコウルールで同形反復系の無勝負は全て論理的に明快に解決するが、それ人間が対応できるか?…人間が楽しむための囲碁なのである。巨大墓場のことなど考える必要は無い。



calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>

profile

links

categories

recent comment

  • 第4局
    管理人
  • 第4局
    名無し
  • 漢帝国
    N.
  • 今日の雑感
    N.
  • 今日の雑感
    N.
  • 近時の雑感
    N.
  • 1ヶ月
    N.
  • 許家元が天元戦の挑戦者に等
    N.
  • 鶏口となるも牛後となるなかれ
    N.
  • 74年と77年
    N.

archives

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM