賠償金

どの業界の会社も市場原理で自由競争していて、費用を削減して勝ち残っているわけです。被害者に対する賠償金もその一つで、納得できない場合は訴訟提起して公権解釈による金額を出す。それしかありません。その積み重ねで、世の中が良くなっていくのです。


契約書

契約書に署名押印する前に各条項を読む。このくらいは、やっている人も少なくないでしょう。しかし、玄人である弁護士なら違和感がある内容も、素人では読んでもピンとこないものです。


近時の雑感

一般の方は訴訟を極度に恐れるようです。訴訟提起されることのみならず、自ら訴訟提起することをも。
しかし、裁判を受ける権利(公平中立な第三者であり法律の専門家である裁判官に判断してもらう権利)は憲法で保障されているのであり、その行使に及び腰になる必要は無いのです。納得出来なければ訴訟提起する。それが文明国です。

今日の雑感

実質的観点から公平な内容の判決を「座りが良い」と言います。裁判官は、まず座りが良い判決を書こうと考えますが、それが無理なら、仕方なく「座りが悪い」判決を書きます。判決はオールオアナッシングになりやすいのに対し、和解は融通無碍です。


システム開発におけるセキュリティ対策

東京地裁H26.1.23判決。ウェブサイトによる商品受注システムから顧客のクレカ情報が流出した事故につき、システム開発会社の損害賠償責任が肯定された事例です。この事例では、顧客のクレカ情報が暗号化されないまま、データベースへの保存ややりとりが行われていました。それで、SQLインジェクション攻撃により流出した(と認定された)のです。顧客への謝罪、問合せ対応、調査、売上減少による損害について、システム開発会社の責任が7割とされました。SQLインジェクション攻撃により流出したと認定してくれたのもそれなりに注目ですが、システム開発契約上「その当時の技術水準に沿ったセキュリティ対策を施したプログラムを提供することが黙示的に合意されていた」と認定された(つまり契約書にセキュリティ対策について書かれていなくてもそのような責任が認定される)こと、契約書に定めた損害賠償責任制限条項(「契約金額の範囲内において損害賠償を支払う」)についても「権利・法益侵害の結果について故意を有する場合や重過失がある場合(その結果についての予見が可能かつ容易であり、その結果の回避も可能かつ容易であるといった故意に準ずる場合)にまで同条項によって被告の損害賠償義務の範囲が制限されるとすることは、著しく衡平を害するものであって、当事者の通常の意思に合致しないというべきである(売買契約又は請負契約において担保責任の免除特約を定めても、売主又は請負人が悪意の場合には担保責任を免れることができない旨を定めた民法572条、640条参照。)。」として、故意重過失の場合は損害賠償責任制限条項の適用を否定したことが重要です。

要するに「マトモなシステム開発会社なら、しっかりしたセキュリティ対策を組み込むのが当然」ということ。


今日の雑感

藪の中、という芥川の小説があります。仮に、嘘をついていない、主観的には事実そのものであっても、それが裁判官に認めてもらえるとは限らず、また、客観的証拠と必ずしも整合しないこともあります。それで、争っている金額は何円なんですか、ということ。人生、やらなければならないことは山ほどあります。相対的に小さな問題━━金額だけの問題でありその金額が小さければ人生において小さな問題でしょう━━については、テキトウなところで妥協して終わらせる、それが健常人の感覚でしょう。人生、何事も有限であり、時間は最も貴重なのですから…


今日の一言

表面上は鋭く激しく対立しても、水面下では妥協点を探る。その資質が必要なのは、政治家に限りません。


マンション管理・第三者管理者

昨日の東弁マンションPTでは、マンション管理の相談を受任する場合の報酬体系について話し合いました。弁護士が管理組合の顧問になるなら、これは株式会社の顧問になるのと同様で、古典的な態様であり特に悩ましくはありません。一方、弁護士が管理組合の第三者管理者になる方式。これは新手法であり(今まで法的に不可能だったというわけではありませんが)、どのように報酬を定めるか悩ましいのです。弁護士を第三者管理者にするマンションの典型例として想定されるのは、戸数が多く区分所有者は雑務をやりたくないというマンション。第三者である弁護士が管理者(理事長)となり、想定としては理事会は置かず、管理会社はいる。そこで、管理会社を適切に指導監督する(場合によっては協力する)というものです。弁護士は単なる顧問とは異なり、総会に出席どころか招集するわけで、その他マンション管理に関する様々な紛争(上の階の騒音とかペットの悪臭とか…)に、管理会社と密に連絡を取りながら主体的に対応することになります。管理費や修繕積立金の口座の管理については、管理会社のみならず弁護士についても、通帳と印鑑を両方持ったら横領の危険があることを否定できません。そこは、両方を同一人が持つのではなく、横領が不可能な状況にすることになります。

このようなマンション管理特有の受任業務は、マンション管理に詳しい、端的に言えばマンション管理士試験に合格している弁護士が最適任と考えられます。管理人もマンション管理士試験に合格しています。ていうか、マンション管理士という資格が始まった頃には予備校でマンション管理士試験の受験者向けの講座の講師をしていましたから…


今日の雑感

和解は納得してするもの、というのは根本的誤解である。

今日の一言

シャーロックホームズって、一つの事件が終わったら、たとえそれがどんなに労力を費やした大事件であっても、「じゃ、次の事件」と切り替えるんですよね。地味に凄いことです。


事実と証拠化

紛争は、事実の争いと評価の争いに分類されます。このうち、評価は人の数だけありますが、事実は一つです。そして、実務的には、事実について共通認識に至れば、ほぼ解決、言い換えれば合意(和解)は可能なのです。評価だけで争う人は、ほぼいません。ただ、事実について、いちいち証拠化されていない。これが重要で、証拠が無ければ事実の争いは(当事者間では)決着せず、上位の公権力すなわち裁判所に事実認定をしてもらうしかありません。訴訟は大変面倒なものです。常日頃から、事実について証拠化する(いざとなれば証拠がある)ようにしておくことは、何よりも大切です。


弁護士以外

法的紛争は弁護士しか代理できないのよね。
そうや。そして、当事者の主張が対立していれば、まず間違いなくそれは法的紛争なんや。
それを弁護士以外が「やりますよ」と、しかも「安くやりますよ」と言っているからといって、そこに依頼すると、「安かろう悪かろう」ならまだしも、「高かろう悪かろう」になる危険も十分にあるで。
小規模な「弁護士以外」はインターネットで広告し、大規模な「弁護士以外」はラジオやテレビで広告しているわね。
何が法的紛争か、一般の人にはわかりにくいやろう。
やから、「困ったら弁護士」こう考えてけば間違いないんや。困った時に弁護士以外に相談するのは危険なんや。
もちろん、弁護士にだって危険はあるで。やけど、弁護士以外に相談する危険とは次元が異なるんや。
世の中、大規模に広告してマトモそうに見えても全くマトモじゃない、というものは多々存在するからね。「困り事を解決する」とういう案件でも、一般の消費者被害と何も変わらないわ。

費用対効果

簡易裁判所での事件は、当然ですが紛争の経済的規模が小さい。10万円やそこらを妥協できないから、お互いに弁護士に依頼して、裁判官を働かせて、もちろん自分自身も膨大な手間暇をかけて、延々と訴訟手続を進める。費用倒れになっても構わないからと。もちろん権利ですから何も問題ありませんが、人生においてそれに意義を見出すかです。

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