今日の雑感

広告が派手で目立つ所にロクな奴はいない。

ワンストップサービス

弁護士には依頼者の情報について高度な守秘義務があります。え、知ってるって?

「ワンストップサービス」を謳う事務所が増えてきています。その「売り文句」は、弁護士以外に、司法書士とか行政書士とか公認会計士とか税理士とかいった他士業の資格者が同じ事務所にいるので、いちいち他の事務所に行く必要はありませんよ、というものです。しかし、昔から弁護士は他士業と連携し、そういった他士業の人と知合いになり、他士業が必要な場合は協力を仰いでいます。別に同じ事務所にいる必要はないのです。一方、同じ事務所に他士業がいて連携することが前提で業務をしているとは、具体的にはどういう状況なのか。弁護士と他士業が机を並べているのか。相談者(依頼者)は、高度な守秘義務を有する弁護士だから秘密を話したのに、その情報が自動的に他士業にダダ漏れ…。ワンストップサービスでは、弁護士の守秘義務を実現するため、いわゆる「チャイナウォール」による情報遮断が必要ですが、それを実効的に行なっている「ワンストップサービス」事務所がどれだけあるのか?情報遮断どころか、「ワンストップサービス」の事務所グループを主導するのが他士業という所もあるでしょう。そういう所は、弁護士が他士業に「アゴで使われている」ということであり、守秘義務どころではありません。なお、法律事務所にいる事務員は、弁護士に雇用され弁護士に指揮監督される立場であり、弁護士とは独立している他士業とは全く異なります。


小技

インターネット上で「ハズレ法律事務所」を回避する小技。

URLが法律事務所名と無関係である。典型例は債務整理や相続や交通事故や離婚といった案件分野のローマ字表記で構成されている。これは広告業者が作成して(それと提携する)「ハズレ法律事務所」間を「渡り歩いている」ウェブサイトの可能性がある。

▲肇奪廛據璽犬URLが法律事務所名だけではなく、案件分野等の余計なものが付いている。これは分野ごとに独立したウェブサイトを作成し、さも「それしかやってない」ように見せかける姑息な手段を伺わせる。

やたらと目立つ形で「〇〇に強い」と謳っている。本当に強い弁護士は自分(の事務所)に「〇〇に強い」という表現は使わない。強くない弁護士こそやたらとこう謳う。これは管理人が長年、弁護士の業務広告を「業界内部から」見てきたことに基づく確固たる経験則である。


過払金と司法書士と弁護士

読売新聞に「過払い返還 二重に報酬 弁護士へ司法書士が仕事」「過払い返還 女性弁護士も懲戒処分 司法書士二重報酬」という記事が出たようですね。そもそも司法書士は登記業務が「職の本旨」であり、不動産登記や商業登記は司法書士に依頼すべきですが、過払金など司法書士に依頼すべきではありません(なお念のため、行政書士は司法書士より依頼すべきではありません)。この関係を一般の方はご存知ないため、広告宣伝を見て、司法書士に依頼するわけです。そうすると140万円以上の過払金については司法書士は訴訟代理人となれないため弁護士に「回す」ことになります(この手法をやっている東弁所属弁護士もいることを、管理人は立場上知っています…東弁としても座視しているわけではありません)。ここで今回の記事の件が特に「アコギ」なのは、依頼者に(司法書士が作成した訴状書式を渡して)わざわざ本人訴訟を提起させ、それから弁護士に「回して」いること。弁護士に依頼するなら本人が訴訟提起する必要は全くありません。そんな素人には大変面倒なことをさせておいて、訴状作成費の名目で「キックバック」を受ける。依頼者は最初から弁護士に依頼していた場合と比べ、面倒な手間が増えて出費も増えた。

本件に関与した司法書士と弁護士には、情状酌量の余地は全くありません。皆様としては、とにかく法律的な問題は弁護士に、ということが「被害」を未然に防ぐ「必要条件」であることを、ご認識いただきたいところです(残念ながら「十分条件」ではないのですが…)。


世間と業界

ある弁護士が刑事弁護で高い能力を有しており、何度も無罪判決を勝ち取っているとして、マスコミによく登場し有名だとします。一方で、それと同等(以上)の能力を有するがマスコミには一切登場せず世間的には無名の弁護士がいます(誤解を避けるため注記しますが、管理人を指しているのではありません)。つまり、両者のどちらに依頼しても同等の弁護を得られ、無罪となるべき事件であれば、どちらに依頼しても無罪判決が得られます。そして「後者」は、弁護士業界内では「あの人やあの人はそうだね」というふうに普通に知られているのです。ところで弁護士費用は、例えば無罪判決を得た場合を想定すると、前者に依頼すれば数千万円、後者に依頼すれば数十万円。これが現実です。


今日の雑感

どの業界でも同じでしょうが、業界内では「あそこはヤバいよ…」「あの人はマズいね…」という共通認識がある所に限って、一般社会ではハデに露出してスゴいと思われているものです。インターネット時代になって、誰でも容易に「スゴそう」な広告が可能になっています。そういう、ググってヒットした所を頭から信じ込む、そういう人は「消費者被害」に遭うでしょう…

数学者と消費者

派手に広告するということは、それだけ依頼が集まるということであり、そうすると1件あたりにかけられる労力や時間は少なくなります。派手に広告する費用の回収も必要です。別にどういう業界でも同じですが、広告の内容を素直に信じるというのは、かなり幼いですね。あなたが働いている業界の広告を見て、素直に信じますか?

数学者に関するジョークがあります。天文学者と物理学者と数学者がスコットランドで列車の窓から平原に黒い羊がいるのが見えて、天文学者は「スコットランドの羊はみんな黒いのか」と言い、物理学者は「いや、スコットランドの羊には黒いものもいる、というだけだ」と言い、数学者は(やれやれという調子で)「スコットランドには、少なくとも一つの平原が存在し、そこには少なくとも1匹の羊が含まれ、その少なくとも片面が黒い、というだけだ」と言った。この数学者の思考こそ、賢い消費者の思考なのです。


業務停止の件・続々

先日、弁護士会館で「騒がしい部屋だな…!?」と思って覗き込んだら、弁護士法人A法律事務所の業務停止の件で相談窓口の電話を受け付けている部屋でした。大勢の弁護士が電話を受けていました。

昨日の朝日新聞に、本件業務停止に関する記事がありました。被害者の男性の「怒りの矛先は東京弁護士会にも向く」とあって、その男性の気持ちからは無理もないでしょうが、それが筋違いであることは新聞として解説すべきでしょう。また、A法律事務所の元弁護士の意見で「東京弁護士会がAをつぶしにきた」としますが、そのような陰謀論は弁護士として恥ずかしい。景品表示法違反(有利誤認)は、課徴金も有り得る重大な違法行為です。景品表示法に限らず、みんなが法律を遵守している中で一人だけ違法行為をした場合、社会全体としては重大な被害が生じない場合もあるでしょう。しかし、その違反者は、違反者以外のみんなが法律を遵守することによる社会的に適正な状態に「タダ乗り」しているのです。もし、みんなが法律に違反したらどうなるでしょう。本件で言えば、有利誤認表示が大したことないなら、その規制を廃止したらどうなるでしょう。世の中の広告という広告は、どのような業種であれ、全て有利誤認広告になるでしょう。なぜなら、そもそも有利誤認広告をするのはそれで「より客が釣れる」からであり、それ以外の理由はありません。有利誤認広告の禁止がなくなったら、市場原理により、有利誤認しない広告主は淘汰されてしまいます。わかりやすい例で言えば、水銀を海に流してはいけないという規制をみんなが守っている中で1社だけ破っても、自然の浄化力により大きな被害は発生しないかもしれません。しかし、だからといってそれが重大な違法行為ではないということにはならないのです。もしその規制を廃止したら…結果は恐ろしいことになります。

朝日新聞の記事で、被害者の男性は「CMも多く流し、信用できると思ったのに」とのこと。これ、真逆です。大切なことなので再度言いますが、思いっきり真逆です。CMを多く流すから、信用できないのです。弁護士に金持ちはいます。しかしそれは、古典的には、多くの大企業の顧問になり、大きな案件を取り扱っているからです。もちろんそんな弁護士はCMなど流しません。それに対し、一見さんで零細な大勢の小市民から案件を掻き集める業務形態、そんな「ゼニのこまい」商売で、どうして大儲けできるのでしょう。地上波TV放送のゴールデンタイムのCM出稿料がどれだけ高額なのか、少しでも考えれば誰でもわかるでしょう。「ゼニのこまい」商売で、なぜそんな費用を払えるのでしょう。弁護士の業務が、誠実にやればどれだけ「時給」が安くなるか、考えたことがありますか?

朝日新聞の記事は、最後に「Aは顧客の要望に応じて、所属弁護士との個人契約に切り替えたり、別の事務所を紹介したりする対応を取っている」と結びます。これ意外と重要で、実は、Aの担当弁護士の側から「個人契約に切り替えて」とは言えないようなのです。そんなことを認めれば、法人に対する業務停止は実質的に容易に潜脱できてしまう、ということなのでしょう。管理人は思います。「CMを多く流す事務所は信用できる」と思う人は、次も良くない事務所に当たるだろう、と。


業務停止の件・続

先日の東京弁護士会の弁護士法人A法律事務所及びその代表I弁護士に対する業務停止の懲戒処分について、某「弁護士自治を考える会」のブログ(この界隈では有名?)に色々と書かれていますが、些か誤解があるように思えます。

前提として「本請求事件の端緒は、そもそも、2016年2月(平成28年)に遡ります」として、例の平成28年2月16日の消費者庁の措置命令を指摘しています。つまり、この会もそれ以前には本件を把握していなかったようです。東弁もそうなのが会員として忸怩たるものはありますが、この会も東弁がそれ以前に対応していないことまで非難するものではないようです。

この会は、この処分と報道を受けても東弁や他の弁護士会が何も問題提起していないと指摘し、弁護士会は「会請求」や「事前公表」も行なえるのに(それをしなかった)と非難するようです。当時東弁は会長談話すら発表していないとも指摘しています。

しかし、これには誤解があるでしょう。まず、東弁は内部的には報道直後から動いています。次に、東弁は消費者庁が言うことを鵜呑みにする(できる)立場ではありませんので、独自調査の期間は必要になります。また、本件は会請求だと管理人は理解しています(本件の懲戒処分の内部処理手続の詳細は知りませんので違うかもしれませんが…)。そして、事前公表は更なる被害の予防のために行うものであるところ、本件は最後の問題広告が平成27年8月12日であり、A法律事務所により謝罪広告が同年10月22日に日経新聞と毎日新聞に出されています。つまり、消費者庁の処分の時点で、そのずっと前に問題広告は無くなっており、謝罪しているので再度問題広告が出されることもない、という状況だったのです。従って、事前公表をする必要が無い(要件を満たさない)ということになります。そもそも事前公表は懲戒処分を出すかどうか未定の時点で公表するという、対象弁護士の手続保障を劣後させる極めて例外的な措置であり、その正当性の根拠として「更なる被害の予防」即ちそのままでは更なる被害が発生する蓋然性が高い、という状況が前提となります。本件はそうではない(更なる有利誤認は発生しない)のは明白です。この会は「予想できる被害の拡大を回避すべく方策を講じなければならない」とも書いており、誤解を前提に非難していることがわかります。単に悪質というだけでは事前公表する必要性も必然性もありません。従って、東弁としての結論が出る前に何らかの声明を出すのはおかしいのであり、早期に声明を出さないこと自体を非難するのは筋違いです。結論を出すのが遅い、という非難なら有り得ますが、その点はこの会は「6月という懲戒委員会議決日数にしては短い期間で『業務停止』を議決できたのだろうか」と、むしろ肯定的(同情的?)に評価するかのようにも読める指摘をしています。

なお、件の広告はA法律事務所が弁護士法人として行なっていたものであるため、この問題について懲戒処分を下せるのはA法律事務所が所属する東弁のみと考えられます。従って、件の広告に関して東弁以外の弁護士会が「何もしなかった」としても、それを非難するのは無理筋でしょう。くどいようですが、弁護士とは国家とも対立する職業であり、国家が何かをしたからといって独自調査もせずに国家の事実認定や評価を鵜呑みにすることはありません。そして、件の広告について独自調査ができるのは東弁だけです。また、A法律事務所に対する依頼者や就職内定者に対する混乱の責任はA法律事務所にあり、東弁には無いと考えるのが筋でしょう。東弁は相談窓口も設けているのであり、本当にくどいですが、懲戒処分を下す前に懲戒処分を前提とする措置を講じるのは理論的に不可能ですから。大企業は「大き過ぎて潰せない」という議論がありますが、その適否はともかく、弁護士にそれを当てはめるのはいかがなものでしょうか。弁護士は他の職業より一層強く法律遵守を求められるのです。


業務停止の件

昨日、東京弁護士会が弁護士法人A法律事務所に業務停止2ヶ月の、代表のI弁護士に業務停止3ヶ月の、それぞれ懲戒処分を言い渡しました。この処分については管理人も(ある意味では中心的にと言えなくもない)関与をしているので、内部的なことは言いません。ただ、このニュースに対する世間の反応を見ると、基本的なことも知られていない、ということがよくわかります。例えば、弁護士や弁護士法人は単位会に所属している(本件では東京弁護士会)のであり、日弁連に所属しているわけではないとか、懲戒権は単位会にあるとか。また、弁護士自治(懲戒権)が戦前の反省を踏まえて存在していることも。

評価についても様々ですが、「大したことをしたわけでもないのに」というのは、ヤレヤレです。明白に違法で、かつ誤導誤認・誇大過度な広告を、4年10ヶ月以上もの長期間にわたり、59回(消費者庁の発表資料の「別添写し」が59まである)もの多数回繰り返したのです。これは、違法行為を、いわゆる「確信犯」として、恒常的に敢行したということです。弁護士が、です。これを「大したことない」と評価するのは自由ですが、そういうアウトローな人と議論する意味はありません。


判例変更

民事事件の判決(判例)を念頭に置いて考えます。

最高裁の判例は法律と同等の法規範性を有します。最高裁の判例も変更されることがあるわけですが、その理由は、時の流れ・社会の変化・人々の意識の変化によって、何が正しいかが変わったからだ、ということ「のみ」でしょうか。つまり、当時の判決内容も当時においては正しく、変更した今の判決も正しい。最高裁が(判決を出す時点で)間違った判決を出すことはないのだ、という…

もちろん、事実としてはそんなことはないでしょう。しかし、当時の判決を出した時点でも間違っていたから判例変更する、という判例変更があったかというと…よくわかりません。


今日の雑感

弁護士の紹介をするウェブサイトは多数存在します。そういうウェブサイトに載っている弁護士は、全て素晴らしい(高い能力を有し、安価に業務を受任してくれる)ように書かれています。しかし実際は玉石混交であることは、考えなくてもわかるでしょう。本当に高い能力を有する弁護士は、ああいう「多数の同業者が一つの広告会社に広告してもらっている」ところに「登録」することはありません。もちろん、平均程度の能力があれば問題は無いのですが(相対的に「玉」でしょう)。

ああいうウェブサイトに登録しているからといってダメな弁護士とは限りませんが、ああいうウェブサイトの誇大広告を容認している時点で、あまり感心しません。ああいうウェブサイトは(弁護士の広告に限らず)文章は広告業者が考えているわけで、思えば弁護士という仕事もそういうふうに「コモディティ化」したということでしょうか…


今日の雑感

本日の東弁マンション管理PTではN一級建築士から話を聞きました。その中で、以前の有名な、A一級建築士による耐震偽装事件を受けて、建築確認が「ダブルチェック」されるようになったと。これ、弁護士業界の国選刑事弁護の接見回数で虚偽の申告をした弁護士がいたからカーボン紙で証拠を残すようになった件を思い起こさせられました。有資格者は嘘をつかないという前提で社会の仕組みは成り立っています。有資格者が嘘をついたら資格を剥奪されるので、それ以上の対策は必要ない…とはならず、大多数の真面目な有資格者に対して性悪説の観点から面倒なだけの「チェックシステム」が作られるのが現実。



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