近時の雑感
三菱自動車の燃費データ不正のニュース。企業における「現場」と「上司/上層部」との関係を考えさせられます。
現場にて問題が生じた場合、現場の担当者としては、「問題をできるだけ詳細かつ正確に認識する」「その原因を調査し把握する」「対策を考える」「自分の職掌として実施可能な対策は実施する」ここまでを実行した上で、「問題」「原因」「実施した対策の結果」「自分の職掌では実施不可(上司の決裁が必要)な対策案」を用意して、上司に報告する。これが、現場の担当者の「仕事」です。
「問題」がいかに重大(企業の存亡に関わる)でも、「原因」がいかに不正(担当者自身の怠慢を含む)でも、「上司」としては、上記「仕事」をしている報告を受ければ、その担当者を怒鳴っても仕方ありませんし、怒鳴る気にならないでしょう。その「上司」自身、さらに上の「上層部」ひいては「株主」に対して同じ立場なのです。
結局、「上司」としては怒鳴りたくて怒鳴るわけではありません。上記「仕事」をしないから、つい感情的になってしまうのです。「上司」として最も困るのは、報告をしないこと。最低限、「問題」と「原因」までは、やってもらわないとどうしようもない。「対策」をしない(案を出せない)のは能力が低いが、「問題」「原因」を報告しないのは、能力以前の問題です。
------ 2016.04.27 Wednesday
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