お言葉を聞いて考える

皇室問題は浅い知識で論じてもトンチンカンな内容になってしまうでしょう。日本ではどんな問題より多くの人が徹底的に論じているでしょうから、どんな論点ももう「結論」が出ていて、あとは「どの立場(説)をとるか」だけ、という状態だと思います。
それはそうとしても、管理人が浅い知識で考えを述べるのも言論の自由です。管理人の認識としては、天皇という概念の定義に男系であることが含まれるため、女系はそもそも天皇の概念に当てはまり得ません。継体天皇が別系だとか、それ以前はもっと色々あったとか、それ自体は興味深い議論ですが、この論点の本質ではありません。なぜなら、みんな男系子孫「ということになっている」からです。それは、まさに天皇という概念の定義に男系であることが含まれるため、そういうことになっているのです。この認識からすれば、女系を認めないと天皇がいなくなってしまうぞ、という反論に意味がないことは理解できるでしょう。今の日本に不敬罪など存在しません。「ニホンオオカミが絶滅するのは良くない。だから、外見が似ている柴犬の一派を今後はニホンオオカミと呼ぼう」というようなものであり、意味がありません。ニホンオオカミが絶滅したのは事実であり、その後に「学術的にニホンオオカミではない」柴犬の一派をニホンオオカミと呼ぶことにしても、それはいわば「同姓同名の別人」であり、別物であることに変わりはありません。柴犬の一派をニホンオオカミと呼ぶことにして、「ニホンオオカミの絶滅を防いだ」とか「ニホンオオカミが復活した」とか言われたら、あなたは頷きますか?そういうことです。ライオンでもトラでもゾウでも、全て当てはまります。この方式を認めるなら、絶滅危惧種という概念自体が不要となるでしょう。日本国の象徴が必要だというのであれば、それは別の議論です。まず天皇と言う概念が存在し、後に日本国の象徴と言う概念ができました。そこで、日本国の象徴を示す称号を、例えば「国徴」とでも仮定します。そして、天皇がいなくなったら、誰かを「初代国徴」にして、その人に日本国の象徴の役割を担ってもらう、それだけです。ここで気付くと思いますが、それって、例えばドイツにおける大統領とほとんど同じなのです。そう、結局そういうことになるんですよ。男系でなくていいなら、なぜ女系でなければならないのか。女系でもないのがなぜいけないのか。理屈はないのです。この点を理屈で論じる人は、その人の望む結果ありきの人であり、目的的行為として論じているのです。理屈から結果を導いているのではなく、まずその人の価値判断として結果があり、それに合うよう理屈を講じているに過ぎません。理屈ではなく、歴史的事実として、天皇という概念の定義に男系であることが含まれるのです。
「大正天皇」(著:原武史、発行:朝日文庫)を大変興味深く読みました。もとは2000年11月に刊行されたものですが、文庫版あとがきは2015年2月であり、加筆修正もしたとのことなので、新しい本と言えるでしょう。内容は、事実を丹念に拾っていき、それを踏まえて評価をする。内容のほとんどは事実で占められている。良い構成です。評価なんて、事実の山さえあれば、ほんの付け足しでよいのです。そのくらいの分量配分が適切です。その42頁に次のとおりあります。明治「天皇と側室の間には、73年にまず男子(第一皇子)と女子(第一皇女)が生まれたが、どちらも即日死亡した。75年に生まれた第二皇女と、77年に生まれた第二皇子も、それぞれ翌年までに死んだ。明宮は第三皇子として生まれたが、このときまでに生き残った皇子は一人もいなかった。結局、明宮は、孝明天皇(1831〜66。在位1846〜66)の皇子として唯一生存した明治天皇と同様に、ただ一人生き残った明治天皇の皇子となるのである。」つまり、大正天皇は明治天皇の(成人した)唯一の男子であり、明治天皇は孝明天皇の(成人した)唯一の男子なのです。ここで二代連続して男子が一人になっています。Wikipediaでさらに遡ってみると、孝明天皇も仁孝天皇の(成人した)唯一の男子のようですし、仁孝天皇も光格天皇の(成人した)唯一の男子のようなのです。光格天皇はようやく、その父親である閑院宮典仁親王の(成人した)唯一の男子ではありませんが、傍系から皇位を継承して以降、四代続けて(成人した)男子が一人とは、どう分析されるべきなのか。病弱な印象の強い(健康な期間も十分あったが)大正天皇が男子を四人も儲けたのがむしろ珍しいことだったのです。続いて昭和天皇は男子が二人、今上陛下も男子は二人、と来ています。そして次代ですが、周知のとおり悠仁親王しかいません。ただ、「その代は一人」であることが四代も続いていた、ということは前提知識として持っておくべきでしょう。どうも、そういうものなのかもしれません。 -----

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