自動運転車による事故

週刊新潮が「『自動運転車』で初の惨事!暴走コンピューターに大黒柱を奪われた母娘の慟哭」という特集記事を出した。先週金曜日のインターネット法律研究部は、この件についてだった。この事故は昨年4月29日に起きたものだが、通常の事故とは全く異なる態様だった。まず高速道路の追い越し車線で自動車(キャラバン)が渋滞にさしかかり急ブレーキしたのにバイクが追突した事故が起きた。その事故から数分後、その処理のために停車中のバイクにテスラ車が高速で突っ込んできて、バイクを跳ね飛ばし、その場にいた今回の被害者の頭を轢過したのだ。被害者は死亡。テスラ車の運転者は居眠りをしていた。ここまでだと、よくあるパターンの居眠り運転による事故のように思えるが…テスラ車の運転手の刑事裁判で、弁護側は無罪を主張したのだ。その理論構成は、運転者は居眠りしていたが、テスラ車は自動運転システムにより問題なく走行しており、事故の直前にシステムが故障して前方の障害物を認識せず事故が起きた。運転手が起きていても回避不能だったというもの。まあ結論から言えば、今の日本の法律では自動運転技術はレベル2までしか走行を認めておらず法的責任は運転者にあるので、普通の居眠り運転と同様に有罪になるだろう。問題はテスラ社が売り文句で「(運転者は)何もする必要がありません」と過大に広告宣伝していること。とは言っても、高速道路をこの事故直前まで全く問題なく自動運転していたのであり、自動運転技術はここまで来ているのも事実。ここで管理人が思い起こしたのが、2016年3月のアルファ碁対イセドルの五番勝負。アルファ碁は世界最強クラスの棋士イセドルを圧倒したが、第四局では失着(による形勢悪化)後に級位者でも打たない異様な悪手を連発した。そう、人間とAIとでは「考える」という中身が全く異なるのだ。今回の事故、事故処理のため時速10kmくらいで渋滞していた車線で前の車が車線変更し、事故処理で停車中のバイク等が目の前に現れた。人間なら絶対に加速しない状況だったのだ。それが「前には何もない」と人間なら絶対にしない誤認識をして、テスラ車は急加速して突っ込んだ。これはアルファ碁対イセドルの第四局のアルファ碁の「人間なら絶対に打たない」悪手と同じだ。2017年5月のアルファ碁対柯潔の三番勝負では、アルファ碁は全く隙が無かった。テスラ車も日々世界中でデータを取っており、数年(いや数ヶ月?)もすればこの種の事故は起こさなくなるだろう。しかし、技術の進歩の途中でこのような事故が起きたこともまた事実。アルファ碁対イセドルの第四局終了後の記者会見で「これが医療の手術で起きたら?」と問われた開発者デミスハサビスは「まだ開発途上のプロトタイプである」ことを強調した。


コメント
商品化されて、更に開発(改良)されていくのですね。当たり前なのかも知れませんが、考えると怖い話です。親族が、なにもしなくていい車を購入したのは大分前でした。相当初期だと思います。事故がなかったのは幸いでした。「轢過」という言葉を初めて知りました。一瞬考えて意味が分かると、被害者の方に手を合わせたくなりました。車両が向かってくるだけでも大変な恐怖感に襲われるのに。AI自体が開発途上なのでしょうし、人間とAIの判断力からの操作の差違が招いた悲惨な事故なのだと思いました。停車中のバイク等があっても、何もない、何も走っているもの、はないと認識判断したのでしょうか?人が作ったより便利な安全だと思われれるものによって人の命が奪われるのですね。車に限らないけれど、皮肉なものです。
  • N.
  • 2019/07/22 11:43 PM
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