参議院選挙

参議院選挙が終わった。結果をどう評価するかは人によって様々だろうが、全体で定数が6増やされたので今回の改選では議席が3増えた条件下で、自民は66→57と減らしている。前回選挙と比べればとか前々回は大勝だったからとか色々言い訳はあるだろうが、13.6%も減らしておいて勝利とは言い難い。敗北であり、消費税率上げを掲げてこの程度の減少で踏み止まったのは善戦というのが精いっぱいだろう。方や公明は11→14と27.3%もの増加。与党内部でも有権者の評価は分かれたと言える。立民は9→17と88.9%もの超大幅増。絶対数が少ないと否定的評価をする向きもあるようだが、それは政権交代でない限り負けというオールオアナッシング思考である。1回の選挙で全てを変えられるわけではなく、超大幅増は勝利に他ならない。国民は8→6と25%減、共産は8→7と12.5%減であり、基本的には負けたという評価になる。維新は7→10と42.9%もの大幅増で数も国民と共産を上回り勝利と言える。社民は1→1と現状維持だが「息も絶え絶え」のやっとこさ、いつ消えてもおかしくない。主要野党の非改選も含めた議席数は、立民が32で国民が21、それに維新が16に共産が13と続く。このあたりは主義主張も異なるので共闘は難しいだろう。

しかし今回の選挙の特徴は「れ新」と「N国」なのである。れ新は代表の履歴は世間周知のこと、悪名は無名に勝るを体現する代表の言動はある意味現代民主主義の申し子だろう。小沢氏とくっついたりして、票を稼ぐ勘所を身に着けた模様。どんなに批判が多くても躍進して政党要件を得た以上は勝ちである(衰退してギリギリ政党要件の社民とは真逆である)。マスコミでは報道は多くても否定的報道のほうが多かったように思う(肯定的報道もあったと思う)が、とにかく報道された者勝ちである。繰り返すが、悪名は無名に勝るとはそういうこと。知名度さえ得れば、あとは政策である。これが消費税の(将来的な)廃止とか、勘所を押さえている。有名なタレント候補ではなく無名の重度障碍者を特定枠に据えたこともやはり勘所を押さえている。そういう「何が票になるか」を小沢氏から学んだ、いや小沢氏に接するうち「自ら悟った」のだろう。かつて小泉純一郎氏が「小泉劇場」としてやったことと、感覚としては同じである。とにかく(繰り返すが)報道された者勝ち、なのである。報道したくなるような、報道せざるを得ないような動きを意識している。野党共闘の台風の目になるのは間違いない。その中で、管理人が2017.10.02に書いたことが起きる予感がする。

そして「N国」である。これは「れ新」より一層、現代民主主義の極致のような政党である。そう、政党要件を得たのだ。だいたい、N国なんてマスコミで報道は(選挙報道として触れざるを得ない場合を除き)ほとんどされていないと管理人は認識している。報道される場合も否定的報道が全てで、マスコミでN国を肯定的に報道していたところは無いのではないか(もちろん選挙報道として中立に表現するのは除く)。著名人や有識者でも、れ新を肯定的に評価した人はいても、N国を肯定的に評価した人はいなかったと思う。つまりN国は、れ新よりはるかに不利な状況で、悪名すら広まっていない、純粋にインターネットで奇矯な(従来的な感覚からすれば)言動を続けた「ワンイシュー政党」に過ぎないのである。それが政党要件を得た。この意味はれ新より大きい。れ新は代表の履歴や言動は奇矯だが政策は奇矯とまでは言えないだろう。代表の履歴と言動は悪名を得るという「政策実現のための手段」と位置付けられる。しかしN国は政策までも奇矯なのである。この政党が、投票率が低い中で(投票率が低いこと自体は肯定的に評価すべき現象であることは以前書いたが)政党要件を得た、それに期待する有権者がそれだけ大勢いた、これが現実。なおそれを「アホが投票しただけ」と片付けるのは明らかに誤った事実認識、有り得ない評価である。ちょっとやそっとの人数ではないのだ。比例代表党派別得票で、れ新は228万票余、社民は104万票余、N国は98万票余である。わざわざ投票所に足を運んで投票した98万人以上の有権者を「アホだから」論評外とする。ではその人は「自民に投票した人はアホじゃないんですか?」という問いにはどう答えるのだろう(自民のところは立民でもいい)。アホから選挙権を奪うとか、ワンイシュー政党は法律で禁止するとか、そういう法律案が出たら賛成するのだろうか。かつて選挙権は高額納税者に限られていた。納税額で選挙権を区別するのは不当だが、アホかどうかで区別するのは正当なのだろうか。アホかどうかは誰が決めるのだろうか。政党要件を得るのは生半可なことではない。例えば幸福実現党とか、昔から選挙で戦っているが政党要件にはほど遠い。N国もまた主権者の意思なのである(今後も政党要件を維持できるかはあるだろうが)。

ただ、管理人は、例えばテレビの討論番組とかで「泡沫政党」を切るのは有り得ると考える。時間的制約があるからだ。もちろん泡沫かどうかは議席数で判断する。今の参議院で言えば、自民・公明・立民・国民・維新・共産の6党だけ呼んで討論する、というのは必ずしも不当ではないと考える。時間的余裕がある番組なら、社民とれ新とN国も呼ぶ、という具合である。


関連する記事
コメント
憲政史上初の、、というフレーズはマスコミが寄ってくる決まり文句ではないでしょうか?従って自ずと普通の候補者、政党よりも、非常に有利な戦いになったわけですね。
  • N.
  • 2019/07/23 9:06 PM
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< September 2019 >>

profile

links

categories

recent comment

  • 漢帝国
    N.
  • 今日の雑感
    N.
  • 今日の雑感
    N.
  • 近時の雑感
    N.
  • 1ヶ月
    N.
  • 許家元が天元戦の挑戦者に等
    N.
  • 鶏口となるも牛後となるなかれ
    N.
  • 74年と77年
    N.
  • 今日の雑感
    N.
  • 23日
    N.

archives

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM