近時の雑感

昭和天皇の昭和21年1月1日の詔書(いわゆる「人間宣言」)に「朕ト爾等国民トノ間ノ紐帯ハ、終始相互ノ信頼ト敬愛トニ依リテ結バレ、単ナル神話ト伝説トニ依リテ生ゼルモノニ非ズ。天皇ヲ以テ現御神(アキツミカミ)トシ、且日本国民ヲ以テ他ノ民族ニ優越セル民族ニシテ、延テ世界ヲ支配スベキ運命ヲ有ストノ架空ナル観念ニ基クモノニモ非ズ。」とあります。敢えてこのように否定するということは、つまりそういう教育(プロパガンダ)が行われていたということです。自国が「神話」「伝説」により誕生したとし、自国の元首を神聖な存在とし、自国民が他の民族に優越し「世界に冠たる」民族であると、国粋主義民族主義を極度に煽っていたわけです。幼い頃からそう教育された人間は、当然ながらそう信じます。なにしろ社会全体もそうなのですから。自分の見聞きする範囲では全員そうなのですから。その行き着く先はどうなるか。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言います。


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コメント
まさにおっしゃるとおりだと思います。教育も社会も日本は神風の吹く国だとし、反することでも言えば、非国民として、村八分になり、警官に連れていかれたりしたのですから。日本の社会全体が一つの思想に塗り込められていたことは、高名な文人、音楽家等の文化人が戦時中に作った作品の内容からも解ります。八月17日(土)、矢神純子さんのコンサートから戻り、21時からのNHKドキュメンタリーを観ました。初代の宮内庁長官が綴ったものが出てきたのですよね。昭和天皇が、戦争への反省の言葉に執着し続けにもかかわらず、吉田茂首相は、文言ではなく、文章一節全体そのものを削除したと書かれていました。八月18日(日)は、同じくNHKで、戦前戦中の時代に、スポーツをすることが、国威高揚のためにすり替えられ、戦地での実戦への訓練として水泳や、陸上も行われていたと言う番組が放映されていました。戦争は人を変える。と数日前の沖縄戦の番組で、体験者が言われていた言葉が胸に突き刺さったままです。隣国の日本製品不買は、周囲の目が気になるから買えないことも多いようです。賢者が政治家になってもらわないと、悪夢のような歴史は繰り返すのではないかと思ってなりません。
  • N.
  • 2019/08/20 1:29 AM
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