漢帝国

「漢帝国ーー400年の興亡」(著:渡邉義浩、刊:中央公論社)を読みました。なかなか面白い本です。中国人は自ら(の多数民族)を漢族と呼び、その字を漢字と呼びます。漢王朝こそが中国人の基盤なわけです。夏でも商でも周でもなく。思えば周までは支配領域は現在の中華人民共和国と比べて非常に狭く、中原の一帯のみでした。それが秦で初めて現在の領域に匹敵する範囲で統一され、それが短期間で終わった後に前後400年の長きに亘り統一王朝だったのが漢です。つまり、当時の人々にとって感覚的には統一王朝として最初にして唯一であり、その後の唐とか宋とか元とか明とか清とかを知っている後世の我々が「歴史上幾つもある長期間の統一王朝のうちの一つ」と相対化して見るのとは全く違います。それを克服しようとする曹操の困難性がわかります。すると王莽がどのようにして平和裡に簒奪できたのかも大変興味深いところで、これは管理人は昔から不思議に思っていました。本書でそこはわかりやすく説明されています。なるほど周公に準えてまずは劉嬰を皇太子にしたということか。この時点では即位しても簒奪ではないという理屈。その後に漢は堯で王莽は舜として革命を正当化したと。そのほか、春秋の公羊伝と穀梁伝は「今文」だが左氏伝は「古文」であるとか、史記と漢書で後者は客観的事実より儒教的評価(漢の正当化)を旨としている(管理人の解釈)とか、大変興味深い。「儒教の毒」の淵源でしょう。「こうであるべき」により客観的事実に反することに何の躊躇も無いという…

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コメント
漢がどのような位置を占めていたのか、漢字とまで言われるようになったことは凄いですね。思い返してみますと、儒教を研究している方は、べき思考で延々と論じますね。
  • N.
  • 2019/08/22 5:43 PM
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