eスポーツ

eスポーツに関して、優勝者の賞金が500万円から10万円にされたというニュース。景品表示法の景品該当性の問題ですが、管理人も共著者の一人である「Q&A インターネットの法的論点と実務対応 第3版(H31.2.25第1刷)」で、景品類とは「〇業者が、顧客を誘引するための手段として、自己の供給する商品又は役務の取引、きに附随して提供する、ナ品・金銭その他の経済上の利益」と要件を纏めています。ただし消費者庁の通達による運用基準で「取引の相手方に提供する経済上の利益であっても、仕事の報酬等と認められる金品の提供は、景品類の提供に当たらない(例:企業がその商品の購入者の中から応募したモニターに対して支払うその仕事に相応する報酬)」とされています。このことから、「プロ」かどうかは関係ないこと、「相応の」金額であること、がわかります。一方で、H30.2.7の国会予算委員会の答弁で「プロのプレーヤーが参加する興行性のあるeスポーツ大会における賞金は、これはあくまでも仕事の報酬ということで、法律上の景品類には当たらないという形で整理が行われた」としています。しかし、「プロ」とは何か、誰がどのように認定するのか、それを合理的に定めるのは不可能でしょう。例えば、ストVのプロはテトリスでもプロと言えるでしょうか。ライセンスとしてプロである「対象ゲーム」を特定するのでしょうが、囲碁将棋麻雀等と異なり、eスポーツのゲームは短期間で移り変わるのです。その都度プロ認定とは、認定機関の巨大な利権です。いったい何時間やったら、どのくらいの技量なら、プロと認定すべきでしょうか。そんな基準は定めようがありません。もう一冊、これも管理人が共著者の一人である「エンターテインメント法務Q&A 第2版(R1.6.15第1刷)」で、S52の通達により懸賞は一般懸賞告示の適用により取引価額の20倍又は10万円以下という点に着目し、取引附随性の判断を検討しています。ゲームが無料アプリで課金は御洒落アイテムだけなら技量の向上に有料ユーザーは有利にならないのでそういうゲームなら賞金は高額も可能。しかし、通常のゲームはそうではないのであり、高額賞金大会を開催することは参加者にそのゲームを買わせるためであり、優勝者はゲームを買うという取引に附随して賞金を得ているのです。そして件の国会答弁にも触れいていますが、やはりプロ制度や興行性について疑問を呈しています。

管理人としては、プロとか関係ない高額賞金大会を堂々と開催すべきと考えます。そして景表法違反で摘発されたら、堂々と裁判で争うのです。判例法主義の国ではみんなそうしています。戦うことを恐れては新しいことは何もできません。今のプロ制度はナンセンスであり、なぜそのプロなら摘発されないのか、理屈がありません。まさにパチンコと同じ「国家との癒着による利権」です。なお今回のニュースの事案は、予め開催者が「アマは賞金10万円」と示していたなら、そういう合意なので法的に何か問題があるわけではありません。


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コメント
法律をまともにしていただきたいですね。裁判官が下す判断は間違いがないと言われますが、法律に基づいて判断している訳ですから、大元の法律に不備があってもないことが前提とされての判断でしかないように思います。つまり、法的にはまともとなってしまいます。法改正や、整備が世の中に追い付いてない気がしてなりませんね。
  • N.
  • 2019/09/22 11:09 PM
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