芸能人と独占禁止法

本日のELN研究会は「芸能事務所と芸能人の所属契約・取引慣行に関する独占禁止法上の考え方〜『人材と競争政策に関する検討会』報告書を踏まえて〜」と題して、公正取引委員会経済取引局経済調査室長のK氏によるご講演。テーマがドンピシャなのか、いつもより聴講者がずっと多い。ELNはそういう関係の企業会員が多いからなあ。報告書のポイント?発注者が共同して競争を制限する行為。複数の発注者が共同して、?フリーランスに対する報酬・取引条件を取り決めることや、?フリーランスの移籍・転職を制限する内容を取り決めることは、原則、独占禁止法上問題となる(不当な取引制限)。ポイント?取引の相手方に不当に不利益を与える行為。優越的地位にある発注者が課す制限・義務等が、フリーランスに対し不当に不利益を与える場合は、独占禁止法上問題となり得る(優越的地位の濫用)。独占禁止法関係は管理人はCSR研究会の方でも取り扱っているし、共著の担当部分として執筆したこともあるので、よくわかることである。過大な競業避止義務など、典型的なものである。ポイント?他の発注者が人材を確保できなくさせる行為。ポイント?取引の相手方を欺き、自らと取引させる行為。ポイント?競争政策上望ましくない行為。例の吉本の、フリーランスへの発注を全て口頭で行うこと。なお、専属契約だとフリーではないぞという指摘については、個人事業主という意味で使っていると(やれやれ…)。ポイントの他に、芸能分野において独占禁止法上問題となり得る行為の想定例?芸能人の移籍・独立に関するものとして、契約終了後は一定期間芸能活動を行えない旨の義務(契約終了後の競業避止義務)を課す、移籍・独立した場合には芸能活動を妨害する旨示唆する。一般論としては競業避止義務は安心して営業秘密を開示できるので競争促進的だが、芸能人が芸能活動を行う上で芸能事務所の営業秘密を用いることはそもそも想定されるか疑問。音事協のモデル契約書で明示的に禁じる。想定例?契約満了時に芸能人が契約更新を拒否する場合でも、所属事務所のみの判断により、契約を一方的に更新できる旨の条項を契約に盛り込み、これを行使すること(優越的地位の濫用等)。過少投資を避けるため許容される側面はあるが、殊更にこの業界だけ認められるわけではない。バランス問題。真に必要性・合理性が認められる範囲に限定される。スポーツの世界にある移籍金ではどうなのか。ただし不均衡の要素に何を盛り込むのかは個別具体的な判断となる。前所属事務所が、出演先(テレビ局等)や移籍先に圧力をかけ、独立・移籍した芸能人の芸能活動を妨害すること(取引妨害、取引拒絶等)。某ジャニーズ事務所への口頭注意。想定例?所属事務所が、芸能人と十分な協議を行わずに一方的に著しく低い報酬での取引を要請すること。芸能人に属する各種権利(氏名肖像権、芸能活動に伴う知的財産権等)を芸能事務所に譲渡・帰属させているにもかかわらず、当該権利への対価を支払わないこと。契約等を書面によらず口頭で行うこと(直ちに独占禁止法上問題となるものではないものの、望ましくない)。その他諸々。ところで渋谷駅の新南口って、そこもう渋谷駅じゃないよね…

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