近時の雑感

昔々の芝居小屋では役者がそこにいて観客もそこにいた。それが映画では観客はそこにいるが役者はそこにいない。そんなのつまらん、現実に役者が間近にいて初めて芝居を楽しめるのだ、という人もいるだろう。しかし社会全体としては映画の方が普及した。それがテレビで役者のみならず観客もそこにいなくなった。そんなのつまらん、みんなで集まって一緒に巨大スクリーンで見てこそ映画を楽しめるのだ、という人もいるだろう。しかし社会全体としてはテレビの方が普及した。「観客」は家にいながらにして「芝居」を楽しみ、それで「芝居」のビジネスを成立させることができている。

コロナ禍により三密のビジネスは滅亡した。では三密のビジネスをしている人はどうすればいいか。転業したくないなら、興行の形態を三密でなくするほかない。ただ、その場所を三密でなくすることで足りるだろうか。例えば映画館のホールを換気を良くして席を1つおきに互い違いに座るようにすればいいか。もちろんそれをしないよりはマシだろう。しかし、そもそも三密は「その場所」だけで起きるのではない。多くの人が一つの場所に行けば、その途中の電車やバスで、建物の入口で、チケット売場で、ホールへの出入りで、必ず混雑が発生し三密状態は起きる。トイレ等で「他人が接触した物を触る」ことによる感染も起きるだろう。世界では「Stay at home」と叫ばれている。家にいろ、ということである。それでビジネスを成立させられた者が同業他社から抜きん出るし、誰もできないならその業界そのものが滅亡して終わるだろう。数十年後、人々は「昔はこんな三密のビジネスが流行ってたんだって」と言い、死にかけの老人がフゴフゴしながら「ワシの若い頃は…」と愚痴るのである。


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