時季変更権

ネット上でプチ話題?になっている「ゲーム発売日なので有給とります」の件。これが「モンスター」ではない、のは当然であり、なぜ「モンスター」だと思うのか、そのほうが摩訶不思議です。時季変更権とのセメギアイの中で、「そのくらいは譲歩してくれよ…」ということか。それなら気持ちとしては理解できますが、モンスターではないことに変わりはありません。時季変更権の要件は「事業の正常な運営を妨げる」ことであり、諸般の事情から総合判断されますが、それは会社側の事情です。

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契約書と現実

昨日、日本政策金融公庫と東京三弁護士会の共催のセミナー「弁護士が経営者に伝授!トラブルを防ぐ契約書のポイント」に、ワークショップ担当弁護士の一人として参加しました。契約書は紛れもなく?日本語で書かれていても、一般の方は読んでもピンとこないのが現実。結局、弁護士に読んでもらうべき、ということになります。他方、数十万円規模の契約では弁護士に依頼するのも費用対効果でどうなんだ、そもそも相手方の感情を害して…というのも現実です。

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ステマ

日弁連が「ステルスマーケティングの規制に関する意見書」を出しました。その趣旨は、景表法の不当表示の内閣総理大臣指定に「商品又は役務を推奨する表示であって次のいずれかに該当するもの」で「1 事業者が自ら表示しているにもかかわらず、第三者が表示しているかのように誤認させるもの」「2 事業者が第三者をして表示を行わせるに当たり、金銭の支払その他の経済的利益を提供しているにもかかわらず、その事実を表示しないもの。ただし、表示の内容又は態様からみて金銭の支払その他の経済的利益が提供されていることが明らかな場合を除く。」を追加せよと。

いや、日弁連も良い提言をすることがあるんだ。この件はガンガンいくべし。米国やEUでは既にある。良いことはどんどん取り入れるべし。「誤認させる」「誤解させる」「勘違いさせる」これは全て「騙す」ということであり、「騙す」という行為は徹底的に糾弾されなければならない。

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今日の雑感

本日、グランドニッコー東京台場(グランパシフィックLE DAIBA改め)で開催されたJapan Content Showcase 2016(TIFFCOM)で、ELNの無料法律相談を担当しました。これには海外のブースも多く、海外の方々の相談も多い。典型的には、日本の企業との契約書のチェックや作成等。契約書は大切です。意外と名の知れた大企業でも弁護士を使わず契約書がいいかげんだったりますが…。ところで今日の締め?に出展社の一つのTBSが樽酒?を鏡割りして乾杯をしていましたが、まだ初日なんですけど? -----

CSR

本日は日本CSR普及協会主催のセミナー「独禁法違反調査手続の実際と企業の実践的対応〜平成27年12月公表の公取委の審査手続指針を踏まえて〜」です。管理人は勉強会のメンバーですがパネリストではありません。
公取の調査官(審査官)の立入調査権は間接強制であり任意とはいいにくい。会社が弁護士とやりとりしたメールログ等は欧米では秘匿特権の対象となるが、日本では難しい。かといって権利は戦って勝ち取るものであり、最低限、秘匿特権?対象データは予め分離しておく、弁護士の意見以外の事実関係は別途情報提供する、調査官との交渉を記録する(後の異議申立てのため)等、抵抗はすべきだろう。
供述聴取は任意と審尋が別に定められている以上、任意は文字どおり任意であり拒否しても不利益はないはずだが、実務では調査官はキーパーソン毎に担当者も聴取部屋も決めており、引き下がることはない。一方、法制度上、会社が調査に協力的か非協力的かは関係なく、単純にFAXの順番で課徴金減免は決まる。それで数億円といった違いが生じるのである。公取が来る時点でカルテル等の独禁法違反行為は事実と考えざるを得ないのが現実。会社としては一分一秒でも早くキーパーソンから事情聴取して、所定の書式を埋め、FAXするのみである。調査官の調査はまず物品から始まる。そこで1時間やそこらはかかる。そこで事情聴取しなければならない。物品調査が終わって調査官がキーパーソンを連れて行こうとする段になって「任意だろ、少し待って」と言うようでは既に手遅れ気味である。くどいようだが調査官は待ってくれない。任意なのに。それが現実。なお審尋は手続や聴取形式が面倒であり、調査官としても選択したくないのである。調査官には協力的にした方が、後々良いことが期待できる。減免申請の対象範囲とか、現実には流動的である。はっきり言って、弁護士でも「わかって」いなければ全く対応できないのが公取の調査であり課徴金減免申請である。なにしろ突発的事態であり一分一秒を争うのだから。夕方には「枠」は埋まっているぞ。 -----

ELN

昨日のELN月例研究会は、「テレビ番組制作に関する法律問題」と題して、梅田康宏先生と中川達也先生のご発表。司会は前田哲男先生。テレビ番組の制作に関しては、著作権・肖像権・パブリシティ権・名誉権・プライバシー権、そして放送法等が論じられるが、敢えてそれら以外を解説する回。撮影許可に関して道路交通法・道路運送車両法、公園での撮影で都市公園法、喫煙や焚火で消防法、びわ湖テレビ事件が有名な銃刀法、他国での合法薬物使用で麻薬等取締法、幼児の子役で労働基準法、その他、赤十字の使用や通貨模造や…と、大変盛り沢山の内容でした。また、著作権法13条2号で「告示」も著作権の対象とならないとされており、日本銀行券の様式(デザイン)は告示で定められているため、著作権なし?…財務省(大蔵省時代?)への電話問合せでは著作権はあるが行使しないという回答だったが、という興味深い裏話?も。 -----

CSR

昨日のCSR勉強会。独禁法の立入調査当日の対応と課徴金減免申請及び供述録取における留意点、これはセミナーの準備ですが、管理人としても大変勉強になります。刑事事件でも類似しますが、調査官がする供述録取は最初は「任意」です。一般用語としての(?)任意であれば、断っても何も不利益は生じないはず。しかし実務ではほぼ全て任意で応じています。なぜなのか。断ったら何が起きるのか。それはもちろん、間接強制伴う審尋に移行するわけですが、現実の「プラクティス」として、そのような準備(?)が調査官にあるかどうか。また、独禁法違反か微妙な事案で減免申請を「しない」という選択で「しなくてよかった」、又は「する」という選択で「しないほうがよかった」という結果が起き得るのか。これも実務的には大変興味深い考察です。後から訴訟で「違反行為はなかった」と争いにくくなる… -----

弁護士は保険

千葉マリンスタジアムの命名権契約につき、QVCが千葉市に対して契約解除を求め、千葉市が違約金請求をするというニュース。途中解除に関する違約金などの条項が無いとか…
いくら日本でも、億単位の契約の締結には弁護士を入れましょうよ。弁護士を入れて契約書を作れば、こんな初歩的な「面倒な事態」は防げました。地方自治体は弁護士の活用が消極的と感じます。弁護士を入れるのは一種の保険のようなもので、「保険事故」が起きなければ無駄に感じるでしょうが、世の中には各種保険がいっぱいあって、だいたいの皆さんは何かの保険には入っていますよね。 -----

CSR

昨日のCSR勉強会は9月のセミナーに向けての打合せ。独禁法違反の調査手続にどう対応するか、企業としては非常に難しい。それは、ある日突然、数億円とか数十億円とかいった金額が変わってくる決断を、分単位で下さなければならない事態に直面するからです。公取に電話して助言を聞くことはできるが、回答を待っている間に他社に順番で負ける。ところで、供述録取に任意で応じるかどうか、任意なので応じないこと自体によって不利益は生じないが、応じないと間接強制力を有する審尋に移行されて面倒なだけ。任意と異なり審尋では陳述拒否や虚偽陳述には刑事罰適用の可能性が出てきます。とは言っても、現実にそういう事例があったかというと…だから実務は難しい。 -----

CSR

昨日のCSR研究会の一幕。独占禁止法違反被疑事件の行政調査手続において、立入検査が行われる。企業からしてみれば、ある日突然公取の職員が10名とかやってくるのである。被疑事実は「共同して販売価格の引上げを行なっている」すなわち価格カルテルである。独禁法47条の調査権限に基づく立入調査である。

ところでこの場合、企業からしてみれば、全く身に覚えのないことなのである。正確には、企業の幹部からしてみれば。現場の担当者は(まさに「やっている」ので)わかっているのであるが、それは企業内部でも認識されていない、それが通常なのである。するとここで、幹部としては「顧問弁護士に相談しよう」となり、弁護士に電話をする。すると弁護士は、急な話にとりあえず「調べてみます」となる。はい、これで億円単位の損失。

このような場合、課徴金減免申請は同様の状況の他社(カルテルなので当然存在する)との間のまさに「分単位の競争」であり、何番目の申請者かによって減免額が大きく異なってくる。これを、通常の弁護士が適切に対応するのは不可能である。公取が立入調査をする、それは「十中八九」ではなく「十中十」の確信を持ってのことであり、具体的内容と証拠を調べに来るのであって、カルテル自体は存在する(行なっていた)と考えざるを得ない状況なのである。「正解」は、とにかく法律の要件を最低限満たす内容の減免申請書を大至急作成し、当局にFAXする。これをとっさに適切かつ具体的に助言指導できる弁護士は、日本に数えるほどしか存在しないのではなかろうか…

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定年考

「定年」ってなんでしょう、なぜ存在するのか、考えてみれば不思議です。昔は55歳だったのですよ。信じられません。今の55歳の平均余命は33年以上ありそうです。22歳就職なら、勤労期間より長くなるわけで…社会が成り立つはずもなし。人は自分が物心ついた時から存在するものは「開闢以来の不変の伝統、宇宙の真理であり未来永劫続くし、続くべき絶対正義である」と思い込みがちですが、そんなことはありません。定年は終身雇用・年功賃金と一体のものでしょうが、どれ一つとして論理的必然性はありません。むしろ、仕事の本質は「出来高」です。労働が価値を生み出すなら金を出すし、生み出さないなら金を出さないでしょう。しかしその先は、「最初に鍛えるのは損な役回り、即戦力のみ求めます」となり、誰が最初に鍛えるのか。カープが鍛え、ジャイアンツが買う。

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近時の雑感

三菱自動車の燃費データ不正のニュース。企業における「現場」と「上司/上層部」との関係を考えさせられます。

現場にて問題が生じた場合、現場の担当者としては、「問題をできるだけ詳細かつ正確に認識する」「その原因を調査し把握する」「対策を考える」「自分の職掌として実施可能な対策は実施する」ここまでを実行した上で、「問題」「原因」「実施した対策の結果」「自分の職掌では実施不可(上司の決裁が必要)な対策案」を用意して、上司に報告する。これが、現場の担当者の「仕事」です。

「問題」がいかに重大(企業の存亡に関わる)でも、「原因」がいかに不正(担当者自身の怠慢を含む)でも、「上司」としては、上記「仕事」をしている報告を受ければ、その担当者を怒鳴っても仕方ありませんし、怒鳴る気にならないでしょう。その「上司」自身、さらに上の「上層部」ひいては「株主」に対して同じ立場なのです。

結局、「上司」としては怒鳴りたくて怒鳴るわけではありません。上記「仕事」をしないから、つい感情的になってしまうのです。「上司」として最も困るのは、報告をしないこと。最低限、「問題」と「原因」までは、やってもらわないとどうしようもない。「対策」をしない(案を出せない)のは能力が低いが、「問題」「原因」を報告しないのは、能力以前の問題です。

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独占禁止法セミナー

本日開催された、日本CSR普及協会2015年度第5回研修セミナー「流通・取引慣行ガイドライン改正および景品表示法改正の実務対応〜特にインターネット流通に重点を置いて〜」は、まず「景品表示法改正の実務対応」を藪内弁護士が講演、次いで「流通・取引慣行ガイドライン改正に伴う実務対応」を越知弁護士が講演、そして「ケースに基づく検討(インターネット販売の制限に関して)」と題するパネルディスカッションを、前述の2名の弁護士・木下弁護士・管理人・笹本氏がパネリストとして、佐藤弁護士が司会で行われました。

管理人が紹介したのは、公正取引委員会の相談事例のうち、独占禁止法上問題となるとされた事例(木下先生は逆に問題とならないとされた事例を紹介)。どれもインターネット販売を禁止(抑制・牽制)しようとする動きに対する判断ですが、基本構図は「メーカー→小売業者→一般消費者」という商流で、メーカーが小売業者に新たな条件を課し、その条件を満たさない小売業者には商品を販売しないぞ、というもの。ぶっちゃけ…

「あなたは、なぜ、インターネット販売をやめさせたいのですか?」と尋ねて、「そりゃ、インターネットでは安売りされているからに決まってますよ」なんですよね。「仮にインターネットで店舗と同じ価格で売られていたら、それでもインターネット販売をやめさせたいですか?」という質問に「はい」と答えられるか。そう答えられる理屈を構築できるかの勝負です。背景として、構造的な「フリーライド(店舗の展示場化)」があります。ヨド○シカ○ラでさんざん実物を触って店員に説明させて、買うのは安いネット販売の他の業者から。これは店舗にも言い分があるというもの。かといって、ネットは安いから禁止、では独占禁止法違反は確実です。そこをうまく出来たところが公正取引委員会から「おk」をもらえる…

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