ワークショップ
昨日、日本政策金融公庫とのセミナー・ワークショップ「創業まもない社長さん要注意!社員採用時の勘違い」に、ワークショップ担当弁護士の一人として参加しました。ワークショップ用の想定事例は二つ。一つ目はパワハラ。そもそもパワハラは法律で明確に定義されているものではなく、一応「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」とされています。上司から部下のみならず、部下から上司に対しても、同僚同士でも起こり得ます。パワハラはセクハラと違って、適正な指導・叱咤との差異が微妙です。ただ、必要ない言葉(給料泥棒と罵る等)や必要ない行為(業務と無関係な草むしりをさせる等)は、パワハラと認定されやすいでしょう。それでも、1回だけならなかなか…パワハラというもの、必ず繰り返されるものです。必要ない罵倒文言や必要ない制裁措置は、発動者のムシャクシャした気持ちをおさめるだけで、対象者の反省や技術向上に繋がりません。なおセクハラは、そもそもそういう発言や行為をする必要がないですからね。想定事例の二つ目は試用期間。そもそも「存続期間」つまりその期間が終われば当然に労働契約が終了するのか、「試用期間」つまりその期間が終わっても当然には労働契約を終了できないのか、という問題です。判例により試用期間は解約権留保付労働契約と解されており、曲がりなりにも雇用契約なのです。つまり、解雇は当然にはできないということ。試用期間故に正式な雇用契約における解雇よりは緩く解されますが、客観的に合理的理由があり社会通念上相当として是認できる必要があります。要するに技能が著しく欠けているといったことであり、それを逐一証拠化しておくということです。
- 2017.07.28 Friday
- 企業法務
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